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【REPORT】歌手K、2020年を締めくくる弾き語りツアーが大阪で終了「困難によって芸術は成長する…この先を楽しみに生きていってほしい」

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今年3月にメジャーデビュー15周年を迎えたKは、7月より3ヶ月連続で新曲配信シングルリリースを発表し第1弾として7月22日「Satisfaction」、第2弾として8月26日「Slow dance」、第3弾として9月23日「Truman Show」を配信リリース。3ヶ月連続の3作品全てが、新型コロナウイルスによる外出自粛期間中にKが自宅で音源を構築して作りためたもの。Kの新たな魅力を堪能できる3作品は、シンガーとしての定評に加え、リリックからトラックメイキングまですべてをセルフプロデュース、新たなモードが話題になっている。

そして、公演が延期となっていた「live K 2020~Curiosity~」は、9月26日(土)なんばHatch、10月3日(土)恵比寿ガーデンホールにてアーティストライブとしては初の試みとして、医療機関などでも使用される、N99 ハイスペックマスクを来場者全員に配布するなど、コロナ対策を十分行った状況で行われ、東京公演は、生配信し当日会場にお越しの方だけではなく多くのファンを魅了。更に、10月8日福岡Gate's7を皮切りに全国5ヶ所を回る弾き語りツアー「K style 2020」をスタートさせ、12月4日大阪BananaHall公演を大盛況で終了した。約1時間30分にわたって行われた感動の大阪BananaHall公演・第2部の模様をレポートする。

「K style 2020」最終公演の舞台は大阪BananaHall。ライブハウスというシチュエーションに、普段大きなホールで観覧することの多いファンからは「めっちゃ近いやん。幸せ~」と言った声が聞こえてくる。そんななか、Kがサポートギターの江部和幸と共に姿を現すと、まずは「Brand New Map」から温かみを持ってテイクオフ。軽やかな歌声とピアノとギターは進むにつれ熱を上げ、そのまま「Curious」のグルーヴや「the PURSUIT」の情熱的なサウンドでもっと客席を煽る。メロウなピアノのほか、弾むボーカル、かき鳴らすギター、“Fu”のハミングなど、緩急あるさまざまな音が鼓膜を刺激。自然と観客の手拍子も大きくなっていく。そして思わず2人がにやりとする、聴きごたえ十分のピアノとギターの掛け合いを挟んで「All of me」へとつなげれば、今度はゆったりと語りかけるような歌で美しい曲の広がりを見せつける。ここまでスタートダッシュの4曲で、すでにすべての人がステージに釘付けだ。

するとそんな状況を和ませるように「自由度の高いライブなのでリラックスして楽しんでもらえたらと思います」とMCタイム。コロナ対策で声を出せないファンに向け、「我慢のできない時はお尻からちょっと……(笑)」と軽くお尻を浮かせて見せ、観客の笑顔を引き出し、「(今ツアーで)ここまで1回も演奏していない曲を!」と「You Make My Day」をセレクト。吐息もまじるようなソフトな歌声をつま弾くギターにのせ、再び会場の集中を高めると、ダメ押しするように次は日本デビューシングル「over...」でぐいぐいと引き込む。切ないバラードは江部のバイオリンに彩られて、よりエモーショナルかつドラマチック。曲後の拍手もなかなかやまない。

気づけば、ライブは早くも中間地点。Kはコロナ禍の今年を振り返り、「デビュー15周年だったんですけど、なかなかライブができないこともあって……。でもそのおかげでいろいろと制作ができました」と、7月から3ヶ月連続リリースのシングルが生まれた背景を語る。またそれは「今まで前に出せなかった面をしっかり出せた年だったかなと思います」と本人も言うように、彼の魅力の幅が広がった要因でもありそうだ。そしてその言葉を裏付けるように鳴らすのは、3ヶ月連続リリースの2作目「Slow dance」。低音の滑らかなラップと耳心地いい歌が織り成す“K流”のR&Bは、どこか妖艶で“Baby,Baby”のリフレインも迫り来る。さらにそこに追い打ちを掛けるように「Street of love」で一層の大人のムード。時に叩き付けるように弾くピアノなどダイナミックな2人のプレイは聴く者のテンションをアップさせるが、それは舞台上の2人も同じのようで曲後には彼らの笑い声が! Kからは「あ~楽しいわ~!」のひと言も漏れる。しかしその攻撃は緩められることなく、ここからフィナーレに向けてアッパーな4曲を連投!

まず、「レベルの高い手拍子ですが……(笑)」という“フリ”で全員にクラップをレクチャーまでしてくれた「Truman Show」は、中毒性のあるビートもミラーボールの輝きもジャジーなピアノも抜群の一体感も、全部が楽しさ満点。また「Music in My Life」では、ソウルフルなボーカルだけでなく、ブルースハープやスキャットもプラスして、ファンの手を高く掲げさせる。「Y.E.S.」では横ノリに彼らしい美メロ&ボーカルを絶妙にブレンドして、ゴージャスさもセンチメンタルな質感も両立。観客の拍手の位置は胸から頭上へと移る。そしてとうとう最終の「LIFE」へ。熱量もスケール感もたっぷりで駆け抜けるラストナンバーは、聞こえるはずのない“Oh、Oh、Oh”のシンガロングで脳内を満たし、会場に熱狂の渦を残してライブはゴールへとたどり着いた。

だが、2人が去ったあとも当然拍手が続き、ツアー最終日ならではの豪華なアンコールが始まる! 再登場したKはもう一度コロナ禍について、「こういう時こそ自分の音楽を信じ、自分の音楽を聴いてくれる方がこれだけいるんだっていうことを再確認できた期間だったので、勇気をもらえる……そんなことがありました」と述べると同時に、「こういうこと(困難)がないと芸術って成長しない気がするんですよ。きっとこの先はどんどんいい作品……いろんな映画、小説、音楽が出て来る。だからこの先を楽しみに生きていってほしいなって。そのためには僕も頑張んなきゃいけないなと……(笑)」という頼もしい言葉も! 加えて「みなさんも大変さのなかで、何か少しでも小さな幸せを見つけてほしいなと思います」と口にして「君と僕の部屋」を奏でだす。心を解きほぐすサウンドに大事なメッセージを込めたこの曲は、人々をリラックスさせ体を左右に揺らす。その動きは同期して、またも聞こえるはずのない“LaLaLa”の大合唱も聞こえてくるよう。

誰もが穏やかな表情になり、いよいよライブは終了!……かと思いきや、まさかのダブルアンコールが即続行。Kと江部が並び立ちノーマイク&アンプラグドで「Beyond the Sea」を響かせる。マイクもスピーカーも通さない声と音が直接耳に届くという贅沢な体験だ。一人ひとりと話しをするようなKの歌声は彼の思いと音楽のパワーを確かに伝え、今度こそ幕も閉じて終演に……とならないのが、ツアーファイナル! 「何閉めてんのよ~(笑)」と、K は1人で舞台にカムバックすると、「何聴きたい?」とリクエストを募って、「dear...」でトリプルアンコールへ。彼の真骨頂とも言えるしっとりと愛にあふれるバラードは観客を魅了し、前傾姿勢で耳を傾ける人も続出。最後の最後まで聴かせ、魅せ続け、激動の2020年を締めくくるツアー「K style 2020」はついに終わりの時を迎えた。

「K style 2020」
会場:大阪BananaHall
日時: 12月4日(金)1部OPEN16:30 / START17:00 2部OPEN19:00 / START 19:30

<セットリスト>
大阪BananaHall・第2部
1.Brand New Map
2.Curios
3.the PURSUIT
4.All of me
5.You Make My Day
6.over...
7.Slow dance
8.Street of love
9.Truman Show
10.Music in My Life
11.Y.E.S.
12.LIFE
【ENCORE】
EN1.君と僕の部屋
EN2.Beyond the Sea(OFFマイク)
EN3.dear...( 弾き語り)

元記事配信日時 : 
記者 : 
Kstyle編集部
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