「私たちのブルース」でハン・ジミン&キム・ウビンと共演…発達障害を持つ芸術家チョン・ウネがエピソードを語る
写真=DUMULMEORI PICTURES
tvNドラマ「私たちのブルース」を通じて、人々からたくさん愛されている女優兼画家のチョン・ウネのホンケ(本来のキャラクター)が、映画「君の顔」を通じて公開される。撮影期間だけで3年、公開まで6年がかかった「君の顔」はチョン・ウネがダウン症候群を患う人として、自ら体験してきた不便さと冷たい視線をありのまま捉えると同時に、彼女の芸術世界を繊細に伝える。
最近、ソウル鍾路(チョンノ)区三清(サムチョン)洞で会った、「君の顔」の監督でありチョン・ウネの父親ソ・ドンイル監督は「外に出かけるといつも気になり、不安になります。発達障害を持つ人々が安心して何処にでも行ける日常が来てほしいです」とし「一人の魅力ある芸術家に会ってほしいと思いました。皆さんが映画を観て、気持ちよく劇場を出ることができたら嬉しいです」と語った。
映画はチョン・ウネが3年間、ムンホリリバーマーケット(韓国で有名なフリーマーケット)にてセラーとして活動しながら、本当の芸術家として成長していく過程をドキュメンタリー形式で盛り込んだ。チョン・ウネは、ムンホリリバーマーケットで行った「千人の顔」(2017)を皮切りに数回の展示を開き、これまで4千点余りに達する作品を披露してきた。今年8月には個展「抱擁展」を開催する予定だ。
彼女は「私たちのブルース」でヨンヒ役としても活躍し、絵、出版を超えて完璧にキャラクターを演じた。ドラマが放送された後、周囲の人々から「上手だ」「素敵だ」と褒められたというチョン・ウネは「『演技の練習をどのようにしたのか』『長い台詞をどうやって覚えたのか』と聞かれました。でも、私は特別に練習していません。ただ台本を見て、読んで覚えました。生まれつきの才能かもしれません」と冗談めかして話した。
「私たちのブルース」を執筆した脚本家のノ・ヒギョンに対しては「作家さんは心が温かく良い方です。私を可愛がってくださって、感謝しています」と伝えた。
チョン・ウネの母親である漫画家のチャンチャヒョンシルは「作家さんは、娘が出演した映画を観て、ソ・ドンイル監督が作ったチャンネルも見たと言われました。最初はドラマに出演するために会ったわけではありませんでしたが、話していながら、決めました」と明かした。続けて「私もノ・ヒギョンさんが大好きです。会って話すと、打ち解けていました」と語った。
「Pink Palace」(2005)、「Dumulmeori」(2013)、「The Disobeying Teachers」(2014)、「Welcome, Let's Live Together」(2016)などを手掛けたソ・ドンイル監督は2016年、ムンホリリバーマーケットに行ったチョン・ウネから意志を感じ、カメラを持ったという。制作の理由を尋ねると「突然トム・クルーズが現れたんです」と微笑んだ。ソ・ドンイルは「長い時間待ち続けていました。2020年に完成し、釜山国際映画祭で初めて紹介されました。すぐに映画会社と契約して公開の準備をしていたところ、ドラマへの出演オファーを頂いたんです」と語った。
続けて「ドラマの設定上、チョン・ウネの正体を徹底的に隠さなければなりませんでした。極秘裏に進められ、やむを得ず放送後に公開日を決めるしかありませんでした。チョン・ウネへの関心がこれほど高まるとは想像もできなかったです。彼女に対する愛が、映画への関心につながるのか、わくわくする気持ちで待っています」と打ち明けた。
チョン・ウネは、ドラマで一緒に共演した俳優のハン・ジミンとキム・ウビンについて話しながら、目を輝かせた。彼女は「一緒に演じながら、いつもよくしてくれました」と語った。すると、ソ・ドンイル監督は「トップスターである2人の俳優がチョン・ウネの世話をする姿自体がとても感動的でした。ハン・ジミンさんは大変な撮影現場で、チョン・ウネのマネージャーを自任して面倒を見てくれました」とし「キム・ウビンさんもチョン・ウネが寒いのではないかと、いつも上着を用意してくれました」と付け加えた。
また「ハン・ジミン、キム・ウビンさんとはドラマの制作会社で初めて会いました。劇中ではチョン・ウネより年下だが、実際は2人とも年上です。最初からチョン・ウネがため口で話すことにして、会いました」とし「すぐお互いに連絡先を交換し、連絡しながら親しくなる時間を持ちました」と伝えた。
チャンチャヒョンシルは、娘の爆発的な人気が信じられないと言いながらも「この状況がとてもありがたいです。このようなことが起こるなんて」と伝えた。ソ・ドンイル監督は「チョン・ウネはこれまでも今も同じです。ところが人々の視線や認識が大きく変わった現象を通じて、文化芸術が持つ魔術のような力が働いている気がします」とし「映画を通じて、発達障害を持つ人々が安心して活動できるようになればと思います」と願いを伝えた。
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- ヤン・ユジン
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