Vol.1 ― 「赤道の男」イ・ジュニョク“屋上シーンでは、本当に死ぬかと思った”
大人のようで子供のようでもある。欲望に満ちている眼差しを見せていると思えば、怯えている子供の眼差しを見せる。欲望と権力、貪欲に満ちているが、愛する人の前では純粋になる。これは先日最終回を迎えた、KBS 2TV水木ドラマ「赤道の男」のイ・ジャンイル(イ・ジュニョク)の姿である。
イ・ジュニョクはドラマ「赤道の男」を通じて俳優として成長した姿を見せてくれた。これまで多くのドラマに出演し、“演技力騒動”が提起されることもなく、無難な演技を見せてきたが、「赤道の男」では無難な演技のレベルを超えた。イ・ジュニョクという俳優の限界を超え、さらには成熟し、演技の幅を広げることに成功した。このドラマを通じて再発見された人物に、俳優イ・ジュニョクが挙げられている。
それはもちろん自身の父が犯した罪を隠すためでもあったが、ジャンイル自身の欲望のためでもあった。悪行を犯すイ・ジュニョクを視聴者は切なく思っていた。結末は破滅だったが、視聴者はソヌではなく、ジャンイルを哀れに思った。
「ジャンイルという人物を演じるために意図していたことは色々ありましたが、ジャンイルが愛されたのは視聴者が素直になったからだと思います。ジャンイルは欲望の塊のようなキャラクターですよね。ドラマを見てくださるのは不特定多数の視聴者だし、誰もが感じる感情を刺激したからこそ愛されたんだと思います。これほどジャンイルが愛されたということは視聴者が素直になったからだと思います。醜い欲望は悪いことだと思いますが、その欲望は誰もが持っています。視聴者は自身の欲望に素直になったんだと思います」
イ・ジュニョクはジャンイルというキャラクターに厳しかった。自身が演じたキャラクターだったが、ジャンイルは悪人だった。彼はジャンイルという人物を温かい目で見守るより、冷たい目で見るように努めた。
「ジャンイルを誰よりも冷たい目で見ました。僕自身がジャンイルを理解して哀れに思うよりは、ジャンイルが犯した罪は許されない、殺人は正当化することはできない、こういう考え方から役作りを始めました。その後は、まな板の上の鯉のような気持ちで演じました。ジャンイルが悲劇的な最期を迎えることは誰もが気付いていたはずです。いくらもがいても生き地獄を味わうことになりますが、まな板の上で動いてあえいでいる魚を見れば、生命に対して憐憫を感じるのは当然のことですから」
「高く評価していただいて嬉しいです。何かをした時、結果も良くて、高く評価していただくのは嬉しいことだと思っています。今まで僕について批判するような記事が出たことはないですが、これほど高く評価する記事がたくさん出たことも初めてです。個人的に本当に楽しかったし感動しました」
彼はドラマ「赤道の男」で演技だけではなく、優れたルックスで注目を集めた。「イケメン検事」「検事界のアイドル」「スター検事」などの形容がこのことを裏付けている。イ・ジュニョクもジャンイルを演じるうえで、ルックスにも気を使ったという。その理由は成長が止まったジャンイルを表現するためだという。
「『赤道の男』ではルックスにもかなり気を使いました。ハンサムに見えるためではありません(笑) ジャンイルはヴァンパイアのような感じ? 歳がいくつなのか、ソヌを崖から突き落とした瞬間から成長が止まって子供のままだと思いましたね。今まで出演した作品で外見に気を使ったことはありませんでしたが、今回は衣装から髪型まで全部に気を遣いました。ジャンイルのスタイルは僕の役作りの一環だと言えます」
「感情を表現する時は大丈夫でした。でも、屋上でソヌがジャンイルを突き落とそうとするシーンがありましたが、1回や2回は大丈夫だったんですが、回を重ねると、鳥肌が立って『このままだと、死ぬかも知れない』と思いました。屋上シーンで7~8回は撮影したと思います。撮影がどう終わったのかも覚えていません(笑)」
ジャンイルの最期は、結末が分かれている。ソヌを突き落とした崖から落ちたが、彼が生きているのか、死んだのかはドラマでは描かれなかった。ただ画面にジャンイルが登場しないことが、彼の“死”を予感させた。イ・ジュニョクはこのような結末について「死はジャンイルを救うと思います」と語った。
「ジャンイルの死は、明確に描かれていません。台本、演出でも想像の余地のある結末でした。はっきりしていませんよね。結末は視聴者にお任せします。僕はジャンイルが死ぬことによって救われると思います。もし彼が生きているなら、辛い日々を過ごしてほしいですね。僕とジャンイルの関係は仲の良い友達のような感じです。僕がジャンイルの味方をすれば、悪く思われるかも知れないですよね」
イ・ジュニョクはドラマ「赤道の男」を通じて俳優として成長した姿を見せてくれた。これまで多くのドラマに出演し、“演技力騒動”が提起されることもなく、無難な演技を見せてきたが、「赤道の男」では無難な演技のレベルを超えた。イ・ジュニョクという俳優の限界を超え、さらには成熟し、演技の幅を広げることに成功した。このドラマを通じて再発見された人物に、俳優イ・ジュニョクが挙げられている。
「ジャンイルが愛されたのは視聴者が素直になったから」
ドラマ「赤道の男」のジャンイルは確かに悪人である。欲望に満ちて高校時代の親友ソヌを裏切る。崖から突き落として殺そうとした。それはもちろん自身の父が犯した罪を隠すためでもあったが、ジャンイル自身の欲望のためでもあった。悪行を犯すイ・ジュニョクを視聴者は切なく思っていた。結末は破滅だったが、視聴者はソヌではなく、ジャンイルを哀れに思った。
「ジャンイルという人物を演じるために意図していたことは色々ありましたが、ジャンイルが愛されたのは視聴者が素直になったからだと思います。ジャンイルは欲望の塊のようなキャラクターですよね。ドラマを見てくださるのは不特定多数の視聴者だし、誰もが感じる感情を刺激したからこそ愛されたんだと思います。これほどジャンイルが愛されたということは視聴者が素直になったからだと思います。醜い欲望は悪いことだと思いますが、その欲望は誰もが持っています。視聴者は自身の欲望に素直になったんだと思います」
イ・ジュニョクはジャンイルというキャラクターに厳しかった。自身が演じたキャラクターだったが、ジャンイルは悪人だった。彼はジャンイルという人物を温かい目で見守るより、冷たい目で見るように努めた。
「ジャンイルを誰よりも冷たい目で見ました。僕自身がジャンイルを理解して哀れに思うよりは、ジャンイルが犯した罪は許されない、殺人は正当化することはできない、こういう考え方から役作りを始めました。その後は、まな板の上の鯉のような気持ちで演じました。ジャンイルが悲劇的な最期を迎えることは誰もが気付いていたはずです。いくらもがいても生き地獄を味わうことになりますが、まな板の上で動いてあえいでいる魚を見れば、生命に対して憐憫を感じるのは当然のことですから」
「イ・ジャンイルは成長が止まったヴァンパイアのような存在」
イ・ジュニョクの演技力はドラマ「赤道の男」を通じて再評価されたと言っても過言ではない。“指先演技”(指先にまで気を遣った繊細な演技)と“メンタル崩壊演技”など、彼の演技を視聴者は高く評価した。キム・ヨンチョル、オム・テウンといったずば抜けた演技力を兼ね備えた先輩俳優に負けないほどの演技力を見せた。怯えているジャンイルの眼差しは不安そうに揺れていたが、イ・ジュニョクの演技力は揺れることはなかった。「高く評価していただいて嬉しいです。何かをした時、結果も良くて、高く評価していただくのは嬉しいことだと思っています。今まで僕について批判するような記事が出たことはないですが、これほど高く評価する記事がたくさん出たことも初めてです。個人的に本当に楽しかったし感動しました」
彼はドラマ「赤道の男」で演技だけではなく、優れたルックスで注目を集めた。「イケメン検事」「検事界のアイドル」「スター検事」などの形容がこのことを裏付けている。イ・ジュニョクもジャンイルを演じるうえで、ルックスにも気を使ったという。その理由は成長が止まったジャンイルを表現するためだという。
「『赤道の男』ではルックスにもかなり気を使いました。ハンサムに見えるためではありません(笑) ジャンイルはヴァンパイアのような感じ? 歳がいくつなのか、ソヌを崖から突き落とした瞬間から成長が止まって子供のままだと思いましたね。今まで出演した作品で外見に気を使ったことはありませんでしたが、今回は衣装から髪型まで全部に気を遣いました。ジャンイルのスタイルは僕の役作りの一環だと言えます」
屋上シーン「このままだと本当に死ぬかもしれない、と思った」
彼はドラマ「赤道の男」で激しい感情を演じた。激しい怒りを感じたり、空しさ、悲しみなどの感情をすべて一話に収めなければならなかった。感情の演技で死ぬかも知れないと思うほどだった。「感情を表現する時は大丈夫でした。でも、屋上でソヌがジャンイルを突き落とそうとするシーンがありましたが、1回や2回は大丈夫だったんですが、回を重ねると、鳥肌が立って『このままだと、死ぬかも知れない』と思いました。屋上シーンで7~8回は撮影したと思います。撮影がどう終わったのかも覚えていません(笑)」
ジャンイルの最期は、結末が分かれている。ソヌを突き落とした崖から落ちたが、彼が生きているのか、死んだのかはドラマでは描かれなかった。ただ画面にジャンイルが登場しないことが、彼の“死”を予感させた。イ・ジュニョクはこのような結末について「死はジャンイルを救うと思います」と語った。
「ジャンイルの死は、明確に描かれていません。台本、演出でも想像の余地のある結末でした。はっきりしていませんよね。結末は視聴者にお任せします。僕はジャンイルが死ぬことによって救われると思います。もし彼が生きているなら、辛い日々を過ごしてほしいですね。僕とジャンイルの関係は仲の良い友達のような感じです。僕がジャンイルの味方をすれば、悪く思われるかも知れないですよね」
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- イ・ウンジ、写真 : クァク・ギョンフン
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