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「ドラマの帝王」チャン・ハンジュン脚本家、この映画見ましたね?

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写真=イ・ジョンミン

「ドラマの帝王」が参考にしたかもしれない傑作コミカル映画3本

監督、いや、チャン・ハンジュン脚本家は、ドラマ制作現場を“白兵戦”と表現した。映画界でデビューして10年以上経ったこの映画監督の目には、ドラマ制作現場は生放送制作現場にビジネスマインドまで詰め込んだ、“騒々しい戦場”に見えたようだ。

妻のキム・ウニ脚本家と共同執筆したドラマ「サイン」の演出まで担当し、台本作りに集中したいという理由で途中で降板したチャン・ハンジュン監督は、既に編成の苦汁を舐めた経験を持っている。地上波放送で編成を天秤にかけられた末、結局はケーブル行きを選ばざるを得なかったシン・ハギュン、イ・ホヨン主演の「危機一髪!プンニョンマンション」がまさにその作品だ。

酸いも甘いも経験した彼の尋常でない履歴が投影されているからだろうか、彼が執筆しているSBS「ドラマの帝王」は、たった4回目の放送にして、殺伐としたドラマ制作現場の裏側や現実を劇的に暴露している。生放送制作現場、視聴率至上主義、過剰なPPL(Product Placement:テレビ番組や映画に特定会社の商品を小道具として登場させること)問題、ギリギリであがってくる台本、賄賂、編成の暗闘、度々起こる脚本家交代、トップスター確保合戦、出演料未払問題など。

良い作品と大ヒット作品、つまり作品と視聴率の間で、ただひたすら欲望と成功を追いかけるアンソニー・キム(キム・ミョンミン)と、昨年惜しくもこの世を去ったチェ・ゴウン脚本家と似た名前の脚本家イ・ゴウン(チョン・リョウォン)の化学変化が生み出す「ドラマの帝王」の軌跡は、明らかに以前のドラマとは大きな違いがあるように見える。

制作陣の苦労をねぎらったKBS「彼らが生きる世界」が、ノ・ヒギョン脚本家特有の、人間味を肯定するロマンスドラマの趣向が強かったなら、SBS「オンエアー」はキム・ウンスク脚本家流の専門職ドラマに芸能界の風景をのせたラブコメディだった。反面、「ドラマの帝王」のジャンルは、確固たるブラック・コメディを目指しているように見える。

そこで用意した。「ドラマの帝王」が参考したかも知れない、芸術作品を作る人の苦労をねぎらうと同時に、その現場のコミカルな風景を通じて“人間”を物語るブラック・コメディたちについて。映画、演劇、ラジオドラマ、テレビ番組まで様々なものがある。

写真=ハンヨンフィルム

「ザ・プレイヤー」アンソニー・キムのソウルメイト、グリフィン・ミル

この映画の社長は、アンソニー・キムに勝ることはあっても劣ることはないだろう。成功した映画制作者グリフィン・ミル(ティム・ロビンス)は、今日も色々と台本をボツにし、脚本家をいじめながら華やかなハリウッドの甘い蜜を味わっている。しかし、このような冷血漢には溢れるほど敵が存在するはずだ。ある日、脚本家を代表してグリフィン・ミルを殺すとの脅迫状が届き、結局グリフィン・ミルは脅迫者を誤認して殺人まで犯すことになる。

2006年死去した巨匠ロバート・アルトマンがハリウッドに復帰して作った映画「ザ・プレイヤー」(1992)は、このシニカルな監督が見据える、興行だけを追いかけるハリウッドの眺望記である。グリフィン・ミルを主人公にしたこと自体が皮肉である。これを通じてロバート・アルトマン監督は、量産品のような商業映画のふりをしながら、ハリウッドの慣行と虚像を赤裸々に暴いている。

「誰かの死に関係した制作者」という主人公の設定も似ているが、何より誰からも嫌われるアンソニー・キムとグリフィン・ミルのような人物が主導する現実を苦々しく見つめている点がどこか相通じている。「ドラマの帝王」のアンソニー・キムは最終的に成長するのだろうが、この非情な巨匠監督は、この殺人犯にハッピーエンドを投げかけるブラック・コメディの真骨頂を見せてくれる。

写真=(株)イベントワールド

「ブロードウェイと銃弾」ウディ・アレンのブラック・コメディを避けて通ることはできない

コメディの巨匠、ウディ・アレン監督の「ブロードウェイと銃弾」(1994)は、イ・ゴウン脚本家のように成功作のない劇作家が主人公だ。演出者と俳優たちが自分の二つの戯曲の良さを理解していないという妄想に駆られて、苦しんでいたデビッド(ジョン・キューザック)は、最終的にブロードウェイの切符を掴むが、これが悪魔と手を組んだという事実を少し後になって知ることになる。

この悪魔は、金持ちでマフィアのニック・バレンティ(ジョー・ヴィテレッリ)。デビッドの“ファウスト”になるわけだが、ニック・バレンティは事あるごとに脚本に干渉してくるだけでなく、自分の愛人のショーガールを女優にしろと脅迫する。アンソニー・キムが100億ウォン(約7億円)を投資してもらったのも、在日のヤクザではなかったか。それも、若く可愛い妻を抱えた。

ウディ・アレン監督は、特有のマシンガンのような台詞の渦中にデビッドを押し込んでしまう。キャスティングから脚本まで大変なことになっている中で作家主義を叫んでいたデビッドは中年女優のエレン(メアリー=ルイーズ・パーカー)に一目惚れし、壊れかけていた脚本は遊び人チーチ(チャズ・パルミンテリ)のインスピレーションに頼るに至る。マフィアに絡んだ芸術家が、制御不能の俳優に出会い悪戦苦闘の末に作品を完成するデビッドは、まるでアンソニー・キムとイ・ゴウン脚本家の苦労を合わせたような人物だ。

写真=TUBEエンターテインメント

「ラヂオの時間」トップスターはなぜ皆傍若無人で自分勝手なのだろう

「ドラマの帝王」のもう一つの中心軸は、傍若無人な韓流スター俳優カン・ヒョンミン(SUPER JUNIOR シウォン)になるだろう。出演料は20億ウォン(約1億4000万円)が基本のこの破天荒な俳優は、今後劇中のドラマ「京城の朝」の制作過程でことごとく問題を起こすことを予告している。アンソニー・キムと一時付き合ったという女優のソン・ミナ(オ・ジウン)も同じく突発的なキャラクターであることに変わりない。

新人脚本家の台本で、ラジオドラマの特集を作る過程を描くコメディ映画「ラヂオの時間」も、俳優たちが問題だ。「キャラクターを全員アメリカ式の名前にして欲しい」「背景をニューヨークにして欲しい」など、往年の大スターだった女優の気まぐれな条件を、プロデューサーは有無を言わずに聞き入れるしかない。他の俳優たちが反発するのは当然のことだ。

生放送という限界に追われる制作陣はあちこち駆けまわり、そのあいだ主人公の鈴木みやこ(鈴木京香)のもともとの台本はずたずたになってしまう。「笑の大学」で有名な三谷幸喜監督は、その渦中でも生放送を完遂しなければならない制作陣の苦労と情熱を、ウィットを交えて暖かく描いている。

もしこの映画を“古典”と感じるなら、二つのアメリカドラマも面白いだろう。イギリスで成功したドラマ脚本家のカップルが渡米し、リメイク作品を作りながら経験する過程をコミカルに描く「マット・ルブランの元気か~い?ハリウッド!」と、「Saturday Night Live」のようなコミカルショーを作る制作陣の日常を、抱腹絶倒に描く「30ROCK」がオススメだ。

第4話まで「ドラマの帝王」のアンソニー・キムは、現在編成から外れる危機に置かれた。この危機を乗り越えたとしても、「京城の朝」を制作する過程で出会う暗礁は一つや二つではないだろう。そしてその中にチャン・ハンジュン監督の描くブラック・コメディの“真味”が隠されているはずだ。その要素をこれらの映画と比較すれば、このメタドラマの真価にさらに深く気づくことができるのではないだろうか。
元記事配信日時 : 
記者 : 
ハ・ソンテ
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