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「ドラマの帝王」チョン・マンシク“僕には無名時代がなかった”

TVレポート
俳優チョン・マンシクを育てたのは自信だ。39年間守ってきた一途な俳優人生である。「マンシク、君は上手くできる」と自分に暗示をかけることも得意だ。周りの人がほめると「知っています。えらくなるために生まれました。適当に生きるために生まれたわけじゃないですよ」と返す男だ。まだ何も成し遂げてはいないが、強そうな外見のように堂々としている。人生のマラソンはまだ1区間も過ぎていないが、それでもいい。長い呼吸で着実に進められるなら、それで満足だ。

チョン・マンシクの主な舞台は演劇と映画だ。2011年から「恋の潜伏捜査」「オーロラ姫」「礼儀なき者たち」「坡州(パジュ)」「ウンギョ」など出演作も様々だ。テレビドラマに出演するようになってからはあまり経っていない。2010年「ジャングルフィッシュ2」を始めとして、「最高の愛~恋はドゥグンドゥグン~」「私も花!」「キング~Two Hearts」で認知度を上げていった。

今度はSBS月火ドラマ「ドラマの帝王」で帝国プロダクションの代表オ・ジンワンを演じた。冷血なアンソニー・キム(キム・ミョンミン)の下で後始末だけをしていた不遇なナンバー2だ。アンソニーの滅亡で、しばらくは帝国の帝王の座を手に入れるが、結局失敗する。緻密ではない漠然とした欲望によりアンソニーを踏みにじる計略と謀略にすべてをかける人物だ。

これまで演じたことのない知的な役を演じるために体重を5~6kg減量した。オ・ジンワンというキャラクターの誕生は、これまで会ってきた実在の人物の集合だそうだ。「こんな人多いのではないか?最近は、エンターテインメントでドラマ制作もする。制作会社の代表が持っている共通点だけを集めた。執拗さや勝敗を受け入れない人々の態度と声まで細かく観察した。視聴者を理解させることに専念した」

アンソニー・キムに向けたオ・ジンワンの感情に共感した。嫉妬や妬みの気持ちは誰もが持てるものだ。「いきなり出世する同僚を見ると、内心嫉妬する。だからといって、それが長引いたりはしない。欲がないとよく言われるが、あえて表に出す必要性を感じない。与えられたことに最善を尽くせば誰かが呼んでくれると信じている」


キム・ミョンミンは勉強になる人、僕を鍛えさせる

「ドラマの帝王」を撮影しながら、現実と混沌するときがあった。編成の過程を見守りながら、実際そうであるのか疑ったりもしたし、その競争の激しさにも驚いた。「京城の朝」の準備過程で、トップスターだけを求める点は現実と似ていた。貫禄のある先輩たちの演技からたくさん学んだ。

ドラマでキム・ミョンミンと対立するものの、現場では仲がいい。映画「スパイ」のとき仲良くなっただけに、キム・ミョンミンをいい兄貴だと称した。チョン・マンシクはキム・ミョンミンのことをウィットでセンスのある俳優と話していた。

「ドラマの演技では、本当の帝王のようだ。精神力や持久力がすごい。主演俳優としての責任感のようだった。ミョンミンさんは本当に大きく見える。疲れていても、撮影に入ると間違いなく正確だ。勉強になる人だ」チョン・マンシクはキム・ミョンミンの緻密さと素早い判断力を羨ましがった。自身もグレードアップした演技をするためにいつも努力する。相手と交わす会話の中から、瞳と反応する細かい点まで計算する。

チョン・リョウォンの演技にも感じることが多いようだった。飾らない自然な面がいいそうだ。「アンソニーに人間のくずという台詞を放つとき、視線が変わった。目尻ではなく、目の中が変わった。台詞を頭ではなく、内面から引き出した。悩んだ痕跡がはっきりと見えた」

SUPER JUNIORのシウォンについても高く評価した。狂気めいたキャラクターを上手に解釈したと言いながら笑った。「ところどころ見える変わった一面と天然で間抜けな面を上手に表現したようだ。その年や経歴を考えて90点以上を与えたい」


外見には満足、使いどころが多いというのは大きな祝福

「ドラマの帝王」は期待とは異なり、6.7%(ニールセン・コリア、全国基準)という低い成績で悔しさを残した。「新しい題材であるため、一般の視聴者が受け入れるには距離があった。ドラマの制作過程を興味深く考える層とそうでない層に分かれた。始めたときから視聴率には関心がなかった。作る僕たちにとって意味があり、楽しくあればいいから」

チョン・マンシクはまだ、テレビドラマでは見慣れない。足りない瞬発力を補うために研究と努力を怠らない。「ドラマの制作環境は時間との戦いだ。集中力はいい方だが、早く適応する能力を身につけたい。ドラマに出演していると、人々のすばやい反応が不思議で、面白い」

AB型である彼の本当の性格が知りたくなった。「たまにばかばかしく、時には運よく逃げるときもある。楽天的で、意地っ張りではない。演技で指摘されても気分を害したこともなかったし、悩みも長く続かない。騙されやすくても詐欺に会ったことはないが、それはルックスのおかげのようだ。騙したら、後から大変なことになると思うようだ」

自身のルックスには非常に満足している。かつて、劇団の代表が「独特で、使いどころが多くて選んだ」と自身を紹介したことを思い出した。使いどころが多いというのは、大きな祝福だと話した。

家族関係は2男2女の末っ子だ。現在、彼は母と兄と暮らしている。チョン・マンシクの家族は芸術的な才能を生まれ持っていた。彼の一番上の姉は歌が上手で、その下の姉は演劇の素質があった。また彼の兄は絵と音楽において高い実力を持っていた。

しかし、誰もがその実力を生かすことができなかった。生活が厳しく、働かなければならなかったためだ。兄弟たちは、末っ子だけには夢を叶える人生を歩ませることを望んだ。生活前線から彼を除外し、兄と姉の勧めで俳優の道を歩むようになった。

「除隊後、みんな持っている運転免許証もなく、できることもなかった。しかし、演劇はやりたかった。やらせたのなら責任を取ってという気持ちで兄弟たちに頼りながら耐えた。5万ウォン(約4200円)あれば、2ヶ月生活できるほど、生存力は高い。アルバイトをしながらやりたいことができず、かなりトラブルも起こした。しまいには、母からお金は40代になって稼ぎ、演技だけに集中するようにと言われた」

無名時代の記憶は彼にとっても思い出だった。パンひとつで耐えながらタルチュム(仮面をつけて踊る踊り)を練習しても疲れなかった。早く行くのか、着実に行くのかをいつも悩んだ。「誰かはかなり苦労したでしょうと言うが、僕には無名時代がなかった。自分なりにある空間では優れていた。ただ、その空間が狭かっただけで、少しずつ世の中に出てきたのだ」


4年間交際した演劇女優の恋人、遠距離恋愛であるからさらにときめく

役も縁であると表現した。お客のように訪ねてきた映画「息もできない」は様々な監督が自身を呼ぶようになったありがたい作品として記憶に残っている。理想のタイプであるコ・ヒョンジョンは、今も共演してみたい先輩だそうだ。スエとハ・ジウォンとはすでに作品を通して願いを叶えた。

「清純なタイプより、強いキャラクターの女優が好きだ。そういう人こそ心が優しくて、人を思いやることができる。ボーイッシュな中低音の声が好きだ。毅然とした低音に説得力があって、コンセンサスを形成するに有利だ」

チョン・マンシクには4年間交際した演劇女優の恋人がいる。現在、外国に住んでおり、遠距離恋愛であるためさらにときめいているそうだ。働きながら友達のように過ごしていたが、男らしく自分の彼女にしたということだ。「いつか結婚はしたいと思うが、具体的な準備ができていない」と結婚の計画ついては慎重な態度をとった。

2013年には俳優として様々な色を見せたいと思っている。チョン・マンシクが演じたことを認識できないほど、混乱を起こしたい。後で、一人でも俳優チョン・マンシクとその作品を覚えているようにするのが最終的な目標だ。

目が覚めるとやるだけやってみようという誓いで一日を始める。自分に向かってくるすべてのことに対して正面突破することが、度胸のある男チョン・マンシクが生きる方法だ。その瞬間、瞬間与えられた今日が彼の心臓を動かす。

元記事配信日時 : 
記者 : 
ソン・スンウン、写真 : ムン・スジ
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