「大風水」チ・ジニ“空気が読めない無邪気なイ・ソンゲが好きでした”
先月初めに放送が終了したSBS水木ドラマ「大風水」(脚本:ナム・ソンニョン、パク・サンヒ、演出:イ・ヨンソク、ナム・ゴン)で、イ・ソンゲは魅力的な王だった。朝鮮を開国するまで、兵士を率いて戦地で最も先頭に立った勇猛な将軍であり、自身の信頼する者に対しては危険を冒してでも最後まで守り通そうとするなど、人間的にも組織のリーダーとしても周りの人を頷かせる傑出した偉人だった。
イ・ソンゲをこのように魅了的な人物として演じたチ・ジニは、「一生懸命やったので、未練が残るというよりもすっきりしている」という言葉で作品を終えた感想を述べた。昨年10月に放送を開始する5ヶ月前から撮影を始め、10ヶ月間着ていたキャラクターの洋服を脱ぎ捨てた彼の後日談では、自身の役柄に対する愛情が色濃くにじみ出ていた。
チ・ジニを通じて作られたイ・ソンゲというキャラクターは、劇が展開される全35話の間でドラマチックな変化を経験する主人公だ。ドラマの初期に型破りな扮装と雰囲気で、これまで厳かな人物として刻印されてきたイ・ソンゲという歴史上の偉人に、生き生きとした雰囲気を与え、これは高麗末期の国運が傾いた状況を背景とする「大風水」の暗い雰囲気の中で、一筋の光のようだという評価まで得た。
「まったく王になりそうにない人物を指導者として作っていく過程が『大風水』をやるうえで、一番楽しかったです。それが僕にとって『大風水』を選択した理由でもありました。特に、動物の骨と皮でできた兜は、とてもユニークだったのでかぶり続けたかったのですが、2回目には脱ぐことになり、どれだけ残念だったことか分かりません。どうしてもドラマが導師たちの活躍を描く作品だっただけに、イ・ソンゲの役柄にそれ以上の欲を出すことはできませんでした」
イ・ソンゲのキャラクターに対するこのような描写は、歴史の中で約2年間、彼に関する記録がないことに着目したもので、これを埋めたのは制作陣とチ・ジニの無限の想像力だった。東北地方の豪族で、広い草原を走り回っただろう当時、真面目な武官の姿よりも野生的な気質のほうが強いのではないかと思い、動物の皮をかぶり、道楽に溺れて、くだらない冗談を並べるならず者として再誕生させたのが、チ・ジニが演じるイ・ソンゲというキャラクターだった。
「後半になるにつれてイ・ソンゲは変わっていきますが、実は演技をする楽しさは、前半の野生的な面が強い時のほうがずっと大きかったです。人物の設定がこうなので、台詞を現代の流行語口調で言うこともできました。空気は読めなくても、無邪気で人間味の強いイ・ソンゲが好きでした」
イ・ソンゲが高麗の現実を自覚し、新しい国の王になると誓う部分から役柄にも変化が訪れたが、ここには父親のようなチェ・ヨン将軍(ソン・ビョンホ)に対する切ない気持ちや、彼に従うウ・ヤスク、イ・ジランといった家族のような部下に対する義理など、イ・ソンゲというキャラクターの率直な魅力が強調され、「大風水」の荒れ果てた雰囲気に温かい情緒を吹き込んだ。
「何も信頼できない状況で、たくさんの人々が命をかけて信頼してくれたのは、おそらくイ・ソンゲがそれだけ魅力的な人物だったからではないかと思います。ものすごいリーダシップを持っていたのではないかと思って調べてみたところ、イ・ソンゲは戦闘の際、決して後ろに下がることがなかったそうです。一番先頭に立って、一番最初に敵の将軍を打ち倒して兵士たちの士気を高め、それができなかった場合は、高く飛ぶ鳶でも打ち落とし、部下たちの気分を盛り上げるなど、人々をリードするパワーがあったのです」
「僕より年齢の若い俳優たちですが、色々なことを学びました。『大風水』はチームワークが特に良かったのですが、それは彼らの情熱のおかげです。そのため、隣で見守りながら刺激を受け、それがお互いの役に立ったと思います。終盤にはセットでの撮影が多く、僕たち同士で飲みに行く機会が何度かあり、その過程で親しくなりました。特に、チソンさんの場合、役柄上イ・ソンゲの助力者であるため、個人的にも自然と愛情を注ぐようになりました」
そしてこれを通じて自らを省み、情熱を回復したのも「大風水」がもたらした収穫である。
「若い人々だが、情熱が溢れていると同時に余裕のある態度を見せ、自らを省みるきっかけとなりました。人に迷惑をかけないように努力し、自己管理に徹底して悩む態度を見て、やはり人間は、誰にでも学ぶところがあることを改めて気付かされました。ひとまず、そのように考えるようになった自分自身については良かったと思っています。最近は止まれば淘汰されてしまう時代であって、役者として作品に対する態度や意志などが弱くなってはいけませんが、そんな自分を省みて情熱を持ち直したこと自体が成長だと思います」
「子どもと一緒に山に登りたいのですが、まだ寒いので出かけないでいます。少し暖かくなってきたら、実行に移す準備を整えています。写真は人にお見せできるほどのレベルではなく、子どもを撮るくらいです。デビュー前に約2年間フォトグラファーのアシスタントをしていましたが、どうすればうまく写真を撮れるのかよく分かりません。僕はそれよりも、写真を撮る前のカメラをいじる行為自体が好きです。家の表札もレゴで作るほど、何かを作るのが好きです。子どもと一緒に作って門の前にかけておきましたが、できるならドア全体を全部レゴで作りたいほど手を動かして、それを実際の生活に活用することが好きです」
時折出演したバラエティ番組で“おっちょこちょいキャラクター”として人気を得てきたことに関しては、責任感が影響したと答えた。
「『ランニングマン』に2回出演しましたが、いずれも僕が優勝しました。当時、Leessang(リッサン)のケリさんが降板宣言の後、復帰して間もない頃で、代わりにレギュラーとして出演したいと話し、たくさんの方を笑わせた記憶があります。しかし、そんな僕の姿には実は笑わせなければならないというプレッシャーも影響しています。バラエティに出演した私のせいで番組が面白くないと言われるといけないので、少し大げさになります。でも『ランニングマン』は本当に楽しかったです。ユ・ジェソクさんをはじめ、メンバーの方々には本当によくして頂き、大好きなmiss A スジにも会えたので」
イ・ソンゲをこのように魅了的な人物として演じたチ・ジニは、「一生懸命やったので、未練が残るというよりもすっきりしている」という言葉で作品を終えた感想を述べた。昨年10月に放送を開始する5ヶ月前から撮影を始め、10ヶ月間着ていたキャラクターの洋服を脱ぎ捨てた彼の後日談では、自身の役柄に対する愛情が色濃くにじみ出ていた。
作品が悪かったらストレスを受けていただろう
「作品の成績がよくないと、ストレスを受けないわけにはいきません。しかし重要なのは、作品自体が悪ければ終わってからも大変だったと思いますが、『大風水』はそんな作品ではなかったし、何よりイ・ヨンソク監督の意図に忠実に従ってきたため、心残りはありません。視聴率は元々予測できないものですし、一生懸命やってきたなら、成否にはあまりこだわらない方なので、今はすっきりした気持ちが大きいですね」チ・ジニを通じて作られたイ・ソンゲというキャラクターは、劇が展開される全35話の間でドラマチックな変化を経験する主人公だ。ドラマの初期に型破りな扮装と雰囲気で、これまで厳かな人物として刻印されてきたイ・ソンゲという歴史上の偉人に、生き生きとした雰囲気を与え、これは高麗末期の国運が傾いた状況を背景とする「大風水」の暗い雰囲気の中で、一筋の光のようだという評価まで得た。
「まったく王になりそうにない人物を指導者として作っていく過程が『大風水』をやるうえで、一番楽しかったです。それが僕にとって『大風水』を選択した理由でもありました。特に、動物の骨と皮でできた兜は、とてもユニークだったのでかぶり続けたかったのですが、2回目には脱ぐことになり、どれだけ残念だったことか分かりません。どうしてもドラマが導師たちの活躍を描く作品だっただけに、イ・ソンゲの役柄にそれ以上の欲を出すことはできませんでした」
イ・ソンゲのキャラクターに対するこのような描写は、歴史の中で約2年間、彼に関する記録がないことに着目したもので、これを埋めたのは制作陣とチ・ジニの無限の想像力だった。東北地方の豪族で、広い草原を走り回っただろう当時、真面目な武官の姿よりも野生的な気質のほうが強いのではないかと思い、動物の皮をかぶり、道楽に溺れて、くだらない冗談を並べるならず者として再誕生させたのが、チ・ジニが演じるイ・ソンゲというキャラクターだった。
「後半になるにつれてイ・ソンゲは変わっていきますが、実は演技をする楽しさは、前半の野生的な面が強い時のほうがずっと大きかったです。人物の設定がこうなので、台詞を現代の流行語口調で言うこともできました。空気は読めなくても、無邪気で人間味の強いイ・ソンゲが好きでした」
イ・ソンゲが高麗の現実を自覚し、新しい国の王になると誓う部分から役柄にも変化が訪れたが、ここには父親のようなチェ・ヨン将軍(ソン・ビョンホ)に対する切ない気持ちや、彼に従うウ・ヤスク、イ・ジランといった家族のような部下に対する義理など、イ・ソンゲというキャラクターの率直な魅力が強調され、「大風水」の荒れ果てた雰囲気に温かい情緒を吹き込んだ。
「何も信頼できない状況で、たくさんの人々が命をかけて信頼してくれたのは、おそらくイ・ソンゲがそれだけ魅力的な人物だったからではないかと思います。ものすごいリーダシップを持っていたのではないかと思って調べてみたところ、イ・ソンゲは戦闘の際、決して後ろに下がることがなかったそうです。一番先頭に立って、一番最初に敵の将軍を打ち倒して兵士たちの士気を高め、それができなかった場合は、高く飛ぶ鳶でも打ち落とし、部下たちの気分を盛り上げるなど、人々をリードするパワーがあったのです」
チソン、ソン・チャンウィ、キム・ソヨン、イ・ユンジから学んだ情熱
とりわけ寒く、大雪も頻繁にあった今年の冬、チ・ジニが「大風水」全35話の道のりを頑張って渡ることができたのは、仲間の俳優たちの影響も大きかったという。地理風水の専門家としてイ・ソンゲの策士の役割を果たしたモク・チサン役のチソンを始め、深い恨みによりモク・チサン及びイ・ソンゲとことごとくぶつかったイ・ジョングン役のソン・チャンウィ、そしてヒロインに変身したパンヤ役のイ・ユンジ、ヘイン役のキム・ソヨンまで情熱的な俳優たちのオーラが彼を刺激した。「僕より年齢の若い俳優たちですが、色々なことを学びました。『大風水』はチームワークが特に良かったのですが、それは彼らの情熱のおかげです。そのため、隣で見守りながら刺激を受け、それがお互いの役に立ったと思います。終盤にはセットでの撮影が多く、僕たち同士で飲みに行く機会が何度かあり、その過程で親しくなりました。特に、チソンさんの場合、役柄上イ・ソンゲの助力者であるため、個人的にも自然と愛情を注ぐようになりました」
そしてこれを通じて自らを省み、情熱を回復したのも「大風水」がもたらした収穫である。
「若い人々だが、情熱が溢れていると同時に余裕のある態度を見せ、自らを省みるきっかけとなりました。人に迷惑をかけないように努力し、自己管理に徹底して悩む態度を見て、やはり人間は、誰にでも学ぶところがあることを改めて気付かされました。ひとまず、そのように考えるようになった自分自身については良かったと思っています。最近は止まれば淘汰されてしまう時代であって、役者として作品に対する態度や意志などが弱くなってはいけませんが、そんな自分を省みて情熱を持ち直したこと自体が成長だと思います」
俳優でないチ・ジニは?
チ・ジニは作品活動をしない時間には運動とレゴ作り、そして好きな人々と美味しい食べ物を食べながら過ごす。写真を撮ったり、二人の子どもの父親であるだけに息子と遊ぶことも自然派のチ・ジニが日常を過ごす方法の一つだ。「子どもと一緒に山に登りたいのですが、まだ寒いので出かけないでいます。少し暖かくなってきたら、実行に移す準備を整えています。写真は人にお見せできるほどのレベルではなく、子どもを撮るくらいです。デビュー前に約2年間フォトグラファーのアシスタントをしていましたが、どうすればうまく写真を撮れるのかよく分かりません。僕はそれよりも、写真を撮る前のカメラをいじる行為自体が好きです。家の表札もレゴで作るほど、何かを作るのが好きです。子どもと一緒に作って門の前にかけておきましたが、できるならドア全体を全部レゴで作りたいほど手を動かして、それを実際の生活に活用することが好きです」
時折出演したバラエティ番組で“おっちょこちょいキャラクター”として人気を得てきたことに関しては、責任感が影響したと答えた。
「『ランニングマン』に2回出演しましたが、いずれも僕が優勝しました。当時、Leessang(リッサン)のケリさんが降板宣言の後、復帰して間もない頃で、代わりにレギュラーとして出演したいと話し、たくさんの方を笑わせた記憶があります。しかし、そんな僕の姿には実は笑わせなければならないというプレッシャーも影響しています。バラエティに出演した私のせいで番組が面白くないと言われるといけないので、少し大げさになります。でも『ランニングマン』は本当に楽しかったです。ユ・ジェソクさんをはじめ、メンバーの方々には本当によくして頂き、大好きなmiss A スジにも会えたので」
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- チョン・ソナ
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