「アジョシ」ウォンビンの演技を見て“やった!”と涙を流した人物とは?
ハ・ヨンスなどの俳優たちと時々、あるいは頻繁に1対1で会うことのできる人物がいる。それは、彼らの演技を指導するシン・ヨンウク演技学院(SYW ACADEMY)のシン・ヨンウク院長(46歳)である。
漢陽(ハンヤン)大学演劇映画学科を卒業し、同大学で修士課程も修了したシン・ヨンウクは、もともと役者ではなくCM監督になりたいという夢を抱いて入学したという。しかし、入学と同時に“演技の味”を味わったことで、その後多数に渡る演劇の舞台にも立った。現在はスターたちの演技指導者となったが、現在でも年に1本程度は作品を選んで舞台に立つ。
「ウォンビンとは彼のデビュー後、2作目から一緒に仕事をすることになった。KBS『クァンキ』をはじめ、KBS『コッチ』が大ヒットし、それからKBS『秋の童話』まで。当時は私も31歳でまだ学ぶ立場だったので、誰かを教える指導者として彼を見ていたわけではない。10歳ほど年の離れた先輩、後輩の関係程度で共に学ぶような感覚だった」
人々の印象に残っているウォンビンの代表作の一つといえば、映画「アジョシ」だ。女心を掴むビジュアルに感性的な魅力が際立つ彼は、男性美溢れるアクション映画の主人公として完璧な魅力を披露したためである。この映画でウォンビンは、初の主演男優賞を受賞するという栄誉にも輝いた。
「役そのものは良さそうだったが、一歩間違うとありふれた演技になってしまうので最初は心配な部分もあったが、ウォンビンがその役を絶対に演じたいと言った。
だから、その役を一緒に作り上げようと思い演技指導を始めた。これまでの韓国俳優のようなありふれた演技から抜け出し、ウォンビンが持つ長所を伸ばそうと試みた。ウォンビンには繊細で母性愛を刺激する不思議で切ない感情があるが、それが映画のキャラクターと合わさって相乗効果が出たと思う。
“台本そのものに力があるのだろうか……”実は期待せずに試写会に行ったが、実際にウォンビンの演技を見て泣いた。そして“やった!”と思った。ウォンビンの『アジョシ』は、私とここで一緒に作り上げたこと以上に素晴らしい演技を披露し、私は非常にやりがいを感じた。彼はもう卒業しても良いと思う。弟子たちが早く卒業できることは私のやりがいにも繋がる」
「指導者のカラーが俳優たちに影響することは良くないことだ。俳優それぞれの個性を伸ばし、短所を補うことが重要だと思う」
ウォンビンとカン・ドンウォンを10年以上見守り、一緒に演技を作り上げているシン・ヨンウク院長。この二人の違いについて尋ねると、「ウォンビンはとても努力家だ。普通の人が思っている以上の努力をしている」と語り「カン・ドンウォンは自由にさせると何かが発揮される。両者は完全にカラーが異なる」と説明した。
また、シン・ヨンウク院長はウォンビンとカン・ドンウォンの他にもやりがいを感じた女優としてハン・ジミンを挙げた。シン・ヨンウク院長はハン・ジミンが映画「朝鮮名探偵 トリカブトの秘密」に出演した当時を振り返った。
「ハン・ジミンという女優は、本当に女性らしく優しい。しかし、役者は色々な面を人々に披露しなければならない。『朝鮮名探偵 トリカブトの秘密』に出演した彼女が自分の中のセクシーな面を引き出せていたことにとても感動した。
そのようなセクシーな面も引き出せる彼女の潜在的な能力を高く評価する。また、そのような一面を引き出す瞬間が一番楽しいのではないかと思う。彼女の出演した作品が数百万人の観客を動員したということよりも、演技の指導者が提案した形を200%表現し、さらに本人も幸せで楽しければ両者ともレッスンを楽しめるし面白くなる」
「まず、普通は演劇映画学科に入学する際、指導者になりたくて入学することはない。ほとんどの場合、俳優を夢見ているが演技を指導する仕事に興味を持ち、進路を変更するケースだ。
この仕事のやりがいは、変化していく生徒たちを見ることができる面白さだと思う。私がその変化のきっかけを与えたということだ。しかし、自分をアピールする職業ではなく誰かをサポートする職業なので、最初は楽しいが後になって不安に感じることもある」
シン・ヨンウク院長は現在、漢陽大学で中級演技/上級演技授業の講義もしている。今後は演技論に関する本も出したいという。
「最近、tvN『花よりおじいさん』を興味深く拝見した。出演している教え子たちを見ながら学ぶことが沢山ある。元気で積極的に頑張っている所を見ると、私も緊張感をもって更なる熱意を込めて仕事をしなければならないと感じる。私が幼い頃から好きで始めたことがある瞬間から私の人生となり、そしてこれこそが私が生きていく力となる職業なので、いい加減に生きていてはいけないと思う。
それもあり、今後も引き続き良い俳優を育てなければならないと思うし、演技についての誤った認識が非常に多いので演技に関する本も書きたい。世界中の役者を目指す人々は、依然としてスタニスラフスキー(ロシアの俳優で演出家。メソッド演技法の主唱者で『俳優修業』などの著作本がある)の本を読んでいるが、韓国にもそのような本が必要だ、だから是非とも本を執筆したい」
漢陽(ハンヤン)大学演劇映画学科を卒業し、同大学で修士課程も修了したシン・ヨンウクは、もともと役者ではなくCM監督になりたいという夢を抱いて入学したという。しかし、入学と同時に“演技の味”を味わったことで、その後多数に渡る演劇の舞台にも立った。現在はスターたちの演技指導者となったが、現在でも年に1本程度は作品を選んで舞台に立つ。
忘れられない最初の弟子ウォンビン…「俳優になると強く信じていた」
彼が演技の指導者となったのは1996年からである。ウォンビン、ソン・スンホン、ソ・ジソブなどに出会い、演技を教えることに対する面白さを感じた。そんな中でウォンビンが有名になり、同時にシン・ヨンウクの名も俳優マネジメント関係者の間で有名になった。シン・ヨンウク院長は、当時新人だったウォンビンを初めて見た時、“きっと俳優になるだろう”という強烈な印象を受けたと言う。シン・ヨンウク院長は、「彼は演技の上手い俳優になりたいという意思が凄く強かった。だからここまで来られたのだと思う」と話した。「ウォンビンとは彼のデビュー後、2作目から一緒に仕事をすることになった。KBS『クァンキ』をはじめ、KBS『コッチ』が大ヒットし、それからKBS『秋の童話』まで。当時は私も31歳でまだ学ぶ立場だったので、誰かを教える指導者として彼を見ていたわけではない。10歳ほど年の離れた先輩、後輩の関係程度で共に学ぶような感覚だった」
人々の印象に残っているウォンビンの代表作の一つといえば、映画「アジョシ」だ。女心を掴むビジュアルに感性的な魅力が際立つ彼は、男性美溢れるアクション映画の主人公として完璧な魅力を披露したためである。この映画でウォンビンは、初の主演男優賞を受賞するという栄誉にも輝いた。
「役そのものは良さそうだったが、一歩間違うとありふれた演技になってしまうので最初は心配な部分もあったが、ウォンビンがその役を絶対に演じたいと言った。
だから、その役を一緒に作り上げようと思い演技指導を始めた。これまでの韓国俳優のようなありふれた演技から抜け出し、ウォンビンが持つ長所を伸ばそうと試みた。ウォンビンには繊細で母性愛を刺激する不思議で切ない感情があるが、それが映画のキャラクターと合わさって相乗効果が出たと思う。
“台本そのものに力があるのだろうか……”実は期待せずに試写会に行ったが、実際にウォンビンの演技を見て泣いた。そして“やった!”と思った。ウォンビンの『アジョシ』は、私とここで一緒に作り上げたこと以上に素晴らしい演技を披露し、私は非常にやりがいを感じた。彼はもう卒業しても良いと思う。弟子たちが早く卒業できることは私のやりがいにも繋がる」
“自由なエネルギー”カン・ドンウォン、“もう一つの魅力”ハン・ジミン…シン・ヨンウク院長の大切な弟子たち
シン・ヨンウク院長の弟子でもう一人のトップスター、カン・ドンウォンとは彼のデビュー作である2003年MBC「威風堂々な彼女」から現在まで交流が続いている。ウォンビンとカン・ドンウォン、この二人の役者が同じ指導者から教わったとは信じられないほど異なる個性、演技を披露していることに驚かされる。「指導者のカラーが俳優たちに影響することは良くないことだ。俳優それぞれの個性を伸ばし、短所を補うことが重要だと思う」
ウォンビンとカン・ドンウォンを10年以上見守り、一緒に演技を作り上げているシン・ヨンウク院長。この二人の違いについて尋ねると、「ウォンビンはとても努力家だ。普通の人が思っている以上の努力をしている」と語り「カン・ドンウォンは自由にさせると何かが発揮される。両者は完全にカラーが異なる」と説明した。
また、シン・ヨンウク院長はウォンビンとカン・ドンウォンの他にもやりがいを感じた女優としてハン・ジミンを挙げた。シン・ヨンウク院長はハン・ジミンが映画「朝鮮名探偵 トリカブトの秘密」に出演した当時を振り返った。
「ハン・ジミンという女優は、本当に女性らしく優しい。しかし、役者は色々な面を人々に披露しなければならない。『朝鮮名探偵 トリカブトの秘密』に出演した彼女が自分の中のセクシーな面を引き出せていたことにとても感動した。
そのようなセクシーな面も引き出せる彼女の潜在的な能力を高く評価する。また、そのような一面を引き出す瞬間が一番楽しいのではないかと思う。彼女の出演した作品が数百万人の観客を動員したということよりも、演技の指導者が提案した形を200%表現し、さらに本人も幸せで楽しければ両者ともレッスンを楽しめるし面白くなる」
演技の指導者になりたい?
数々のスターを輩出したシン・ヨンウク院長は、現在KBS 2TV月火ドラマ「未来の選択」に出演しているイ・ドンゴン、CNBLUEのジョン・ヨンファも指導している。俳優の道ではなく演技の指導者を目指す人々へ向けたアドバイスを求めた。「まず、普通は演劇映画学科に入学する際、指導者になりたくて入学することはない。ほとんどの場合、俳優を夢見ているが演技を指導する仕事に興味を持ち、進路を変更するケースだ。
この仕事のやりがいは、変化していく生徒たちを見ることができる面白さだと思う。私がその変化のきっかけを与えたということだ。しかし、自分をアピールする職業ではなく誰かをサポートする職業なので、最初は楽しいが後になって不安に感じることもある」
シン・ヨンウク院長は現在、漢陽大学で中級演技/上級演技授業の講義もしている。今後は演技論に関する本も出したいという。
「最近、tvN『花よりおじいさん』を興味深く拝見した。出演している教え子たちを見ながら学ぶことが沢山ある。元気で積極的に頑張っている所を見ると、私も緊張感をもって更なる熱意を込めて仕事をしなければならないと感じる。私が幼い頃から好きで始めたことがある瞬間から私の人生となり、そしてこれこそが私が生きていく力となる職業なので、いい加減に生きていてはいけないと思う。
それもあり、今後も引き続き良い俳優を育てなければならないと思うし、演技についての誤った認識が非常に多いので演技に関する本も書きたい。世界中の役者を目指す人々は、依然としてスタニスラフスキー(ロシアの俳優で演出家。メソッド演技法の主唱者で『俳優修業』などの著作本がある)の本を読んでいるが、韓国にもそのような本が必要だ、だから是非とも本を執筆したい」
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- チョ・ギョンイ、写真 : CJ E&M、シン・ヨンウク演技学院、イ・ジョンミン、チョ・ギョンイ
topics