Vol.1 ― 韓国版「家政婦のミタ」チェ・ジウ“極端なキャラクター、初めは私も理解できませんでした”
常に同じダウンジャケットを着て同じ鞄を持ち、絶対に笑わないロボットのような女性。最近最終回を迎えたSBS月火ドラマ「怪しい家政婦」のパク・ボクニョ役をチェ・ジウが演じると聞いた時、あまりイメージできなかった。
韓国では“メロの女王”、日本では“ジウ姫”と呼ばれ、日韓両国でスターとなった女優。そんな彼女が突然、絶対に笑わないミステリアスな家政婦役を演じるということに納得できなかったからだ。しかし、ドラマが幕を下ろした今、彼女に対する評価は変わった。清純なイメージを脱ぎ捨てミステリアスなヒロイン役でこれまでとは違う変身を見せた女優チェ・ジウと最近あるカフェで会った。
青白いほど白い彼女の顔は、無表情でどこか不気味なパク・ボクニョのイメージにピッタリ合い、感情を表現する演技をする度に指摘されてきた彼女の不正確な発音は、無表情で話すパク・ボクニョのキャラクターにハマり、むしろ正確に聞こえたくらいだ。彼女自身も今回の演技について「自分を高く評価したいです」と満足げに話した。
「私がボクニョを新しいキャラクターに変えたと思っています。この作品を始めた当初は懸念の声もあり、さんざん比較もされましたが、そういった部分で何か一つやり遂げたという気がしました。新しい挑戦に対する達成感のようなものです。そういう点で私は私自身を高く評価したいと思います。その他の演技力やスキルについてはよく分かりませんが(笑)」
ドラマの序盤、チェ・ジウは原作「家政婦のミタ」との比較に悩まされた。ダウンジャケットと帽子、時計までも原作のキャラクターのスタイルがそのまま反映され、日本語のセリフをそのまま翻訳したような不自然な話し方がドラマの問題点として指摘された。しかし「怪しい家政婦」は後半になるにつれて原作とは違うストーリーが展開され、次第に原作の影から脱することに成功した。
「今回の作品を原作と切り離して考える訳にはいきませんが、別物として考えたいと思います。原作を超えたというよりは、生まれ変わったというべきでしょうか。撮影当初も『家政婦のミタ』と同じように演じようとは思っていませんでした。もちろん、小道具なども変えた方が良いと思ったのですが、原作者がキャラクターのそういう部分は守ってほしいと望んでいましたので、難しいところではありました」
「大人と言っても私とソンジェ先輩しかいないじゃないですか。子供たちも疲れているのに大人まで疲れてしまっては現場の雰囲気に影響すると思い、頑張りました。子供たちにイタズラもしました。子供たちは本当に大人しく良い子たちで、撮影現場でも私のことを“ボクニョ様”と呼ぶんです。ソヒョン、サンウ、ダルム、ジウのおかげでたくさん笑うことができました。子供たちの無邪気な笑顔が大きな力になったと思います」
最愛の子供たちとの共演であっただけに、ドラマの中で子供たちに厳しく接するボクニョが時に理解できなかったという。ドラマの中でセギョル(ナム・ダルム)の胸ぐらを掴み水の中に入るシーンや、ハンギョル(キム・ソヒョン)、ドゥギョル(チェ・サンウ)を引き止めるシーンは、演じるチェ・ジウ本人も理解できない極端な行動であった。しかしそんなボクニョの行動をキャラクターそのものとして認め始めると、自然と理解できるようになったという。
今回の作品は、チェ・ジウに女優として多くのものを残した作品となった。ドラマの撮影中“ベッドに横になって3時間寝ることは贅沢”と思うほどハードな撮影だったが、そのおかげで得たものは多かったという。最後のシーンの撮影が終わり、目頭を赤くするほど泣いたのは、これまでの感情が複雑に混ざり合ったためであった。
「最初は『あなたの長所を生かせないドラマにどうして出演するのか』とよく言われました。ですがドラマを始めるとき、ソンジェ先輩が『今は大変だけど、終わればやって良かったと思うようになるからプライドを持って頑張って』と言ってくださいました。キム・ヘスク先輩も、毎日大変で死にそうだと話したところ、『あなたは上手くやっているから大丈夫』と言ってくださいました。結果的におっしゃった通りでした。視聴率の面では残念なところもありますが、『怪しい家政婦』がラブストーリーでもなく、マクチャン(日常では起こらないような出来事や事件が次々と起きる韓国特有のドラマ)の要素もない温かいホームドラマとして残ることができたので、私はそれで十分です」
韓国では“メロの女王”、日本では“ジウ姫”と呼ばれ、日韓両国でスターとなった女優。そんな彼女が突然、絶対に笑わないミステリアスな家政婦役を演じるということに納得できなかったからだ。しかし、ドラマが幕を下ろした今、彼女に対する評価は変わった。清純なイメージを脱ぎ捨てミステリアスなヒロイン役でこれまでとは違う変身を見せた女優チェ・ジウと最近あるカフェで会った。
「今回の自分の演技を高く評価したいです」
今回の作品はチェ・ジウの再発見と言っても過言ではなかった。彼女はパク・ボクニョと似たようなキャラクターを演じたKBS 2TVドラマ「オフィスの女王」のキム・ヘスや、MBCドラマ「女王の教室」のコ・ヒョンジョンのように、カリスマ性溢れるキャラクターで一気にインパクトを与えることができなかったかもしれない。しかし、チェ・ジウはパク・ボクニョというキャラクターに最も似合う演技を見せてくれた。青白いほど白い彼女の顔は、無表情でどこか不気味なパク・ボクニョのイメージにピッタリ合い、感情を表現する演技をする度に指摘されてきた彼女の不正確な発音は、無表情で話すパク・ボクニョのキャラクターにハマり、むしろ正確に聞こえたくらいだ。彼女自身も今回の演技について「自分を高く評価したいです」と満足げに話した。
「私がボクニョを新しいキャラクターに変えたと思っています。この作品を始めた当初は懸念の声もあり、さんざん比較もされましたが、そういった部分で何か一つやり遂げたという気がしました。新しい挑戦に対する達成感のようなものです。そういう点で私は私自身を高く評価したいと思います。その他の演技力やスキルについてはよく分かりませんが(笑)」
ドラマの序盤、チェ・ジウは原作「家政婦のミタ」との比較に悩まされた。ダウンジャケットと帽子、時計までも原作のキャラクターのスタイルがそのまま反映され、日本語のセリフをそのまま翻訳したような不自然な話し方がドラマの問題点として指摘された。しかし「怪しい家政婦」は後半になるにつれて原作とは違うストーリーが展開され、次第に原作の影から脱することに成功した。
「今回の作品を原作と切り離して考える訳にはいきませんが、別物として考えたいと思います。原作を超えたというよりは、生まれ変わったというべきでしょうか。撮影当初も『家政婦のミタ』と同じように演じようとは思っていませんでした。もちろん、小道具なども変えた方が良いと思ったのですが、原作者がキャラクターのそういう部分は守ってほしいと望んでいましたので、難しいところではありました」
「撮影現場で子役たちから“ボクニョ様”と呼ばれていました」
チェ・ジウは今回の作品で久々に子役たちと共演した。子役のキム・ソヒョン、チェ・サンウ、ナム・ダルム、カン・ジウで構成されたウン家の4兄弟は、ドラマの中だけでなく、撮影現場でも普段からチェ・ジウのことを“ボクニョ様”と呼び、懐いていた。子供が多く、撮影現場も賑やかだろうと思ったが、ハードな撮影スケジュールのせいで皆疲れている時が多かったという。むしろ子供たちにイタズラを仕掛けたり、撮影現場の雰囲気を引っ張ったのはチェ・ジウとイ・ソンジェだった。「大人と言っても私とソンジェ先輩しかいないじゃないですか。子供たちも疲れているのに大人まで疲れてしまっては現場の雰囲気に影響すると思い、頑張りました。子供たちにイタズラもしました。子供たちは本当に大人しく良い子たちで、撮影現場でも私のことを“ボクニョ様”と呼ぶんです。ソヒョン、サンウ、ダルム、ジウのおかげでたくさん笑うことができました。子供たちの無邪気な笑顔が大きな力になったと思います」
最愛の子供たちとの共演であっただけに、ドラマの中で子供たちに厳しく接するボクニョが時に理解できなかったという。ドラマの中でセギョル(ナム・ダルム)の胸ぐらを掴み水の中に入るシーンや、ハンギョル(キム・ソヒョン)、ドゥギョル(チェ・サンウ)を引き止めるシーンは、演じるチェ・ジウ本人も理解できない極端な行動であった。しかしそんなボクニョの行動をキャラクターそのものとして認め始めると、自然と理解できるようになったという。
「極端な行動を取るボクニョというキャラクターに、初めは私も理解できませんでした」
「ボクニョは何故こんなにも極端な行動を取らなければならなかったのかという意見も多かったようです。私もいくつかのシーンで『これは少し変えた方が良いのでは』と思ったこともありましたから。ですが、そんなボクニョの行動そのものがキャラクターだと思うので、それを変えていたらボクニョというキャラクターを生かすことはできなかったと思います。ボクニョは始めは極端な行動を取っていますが、最後には賢く解決するじゃないですか。だから次回が気になるという話もたくさん聞きました」今回の作品は、チェ・ジウに女優として多くのものを残した作品となった。ドラマの撮影中“ベッドに横になって3時間寝ることは贅沢”と思うほどハードな撮影だったが、そのおかげで得たものは多かったという。最後のシーンの撮影が終わり、目頭を赤くするほど泣いたのは、これまでの感情が複雑に混ざり合ったためであった。
「最初は『あなたの長所を生かせないドラマにどうして出演するのか』とよく言われました。ですがドラマを始めるとき、ソンジェ先輩が『今は大変だけど、終わればやって良かったと思うようになるからプライドを持って頑張って』と言ってくださいました。キム・ヘスク先輩も、毎日大変で死にそうだと話したところ、『あなたは上手くやっているから大丈夫』と言ってくださいました。結果的におっしゃった通りでした。視聴率の面では残念なところもありますが、『怪しい家政婦』がラブストーリーでもなく、マクチャン(日常では起こらないような出来事や事件が次々と起きる韓国特有のドラマ)の要素もない温かいホームドラマとして残ることができたので、私はそれで十分です」
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- チョン・ヒョンジン、写真 : ユ・ジニョン
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