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進化するバンドサウンド「THE SOLUTIONSの軌跡」

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(C)SUMMER SONIC All Rights Reserved.

洗練された英語詞と未来的なサウンド、そして魅力的な2人のメンバー、パク・ソル(Vo.&G) とナル(G) による韓国のフューチャーポップ・ユニット、THE SOLUTIONS(ザ・ソリューションズ)。今年はSummer Sonic(サマソニ) のISLAND STAGE ~ASIAN CALLING~でクロージングステージを務めあげた。韓国ではすでにフェスの常連となりつつある彼らだが、日本でのフェス体験は今年のサマソニが初めて。初めて日本でフェスを体感した彼らに話を聞いた。

―Summer Sonic 2014での初ライブはどうでしたか?

パク・ソル:最近、僕たちもようやくライブを楽しめようになってきたと思うので、場所や人数の多い少ないに関わらず、とにかく楽しかったです。日本の観客はおとなしいと言われているけど、予想よりずっと盛り上がったので、また日本でライブをやりたいと思いました。僕たちのエネルギーや感情が伝われば、反応はあるんだということも確信しましたし。ステージの上からいろんな国の人が僕たちのライブを見に来てくれたのが見えて、僕たちのことを知って見に来てくれた人だけじゃなく、通りすがりの人が僕たちの音楽に興味を持ってやって来てくれたのを見るのはすごくうれしかったです。これから日本でも色々と挑戦してみたいですね。

ナル:ステージの大小に関係なく自分たちのライブを楽しめました。僕たちの意図がちゃんと伝わったと思うし、観客にも楽しんでもらえたと思うので、僕たちの活動においても今回のサマソニは大きな原動力になったんじゃないかと思います。

―歌詞がすべて英語なのは、海外での活動は視野に入れているからですか?

パク・ソル:そういう質問は今までもよくされましたけど、そもそも僕たちはTHE SOLUTIONSとして活動できるかどうかもわからなかったんですよ。

ナル:もともと僕たちはソロで活動していたので。

パク・ソル:バンドを組むことになったのも、たまたま僕のソロ・アルバムのプロデューサーをナルさんが担当することになって、その時に仲良くなったのがきっかけ。それで2人で曲を書いてみようということになって、バンドをやってみようという話になったんです。だからこのバンドを始めてから、起きる出来事すべてが楽しくて仕方がないんですよ。韓国でフェスに参加できたのもそうだし、こうやって日本でサマソニに出ることになったのも、やろうと思ってやったことじゃないから。目の前の出来事を必死にクリアして行ったら自然と道ができていた、みたいな(笑)


「初めて自分たちのバンドを作るという経験をしているところ」

(C)SUMMER SONIC All Rights Reserved.
―では、2人ともそれまでバンドをやったことはなかった?

ナル:複数のメンバーがいるバンドという形ではやったことがないですね。ギタリストではありましたけど。なので今、初めて僕たちは自分たちのバンドを作るという経験をしているところです。

パク・ソル:ナルさんはモダンロック系のワンマンバンドとして曲作りも演奏も全部1人でやるスタイルでしたし、僕はフォークソングのソロ・シンガーでした。でも、子供の頃からロックバンドのフロントマンに憧れていたのもあって、今こうやってバンドとして活動するのはすごく楽しいですね。

ナル:バンドとして音楽をやる利点は、確実に自分の負担が減ること(笑) 自分がやらなくていい仕事はやらなくて済むから、僕は自分がやるべき仕事に集中できる。それに、ライブ中にソルと息を合わせるのも楽しいです。たとえば僕がいつもとは違ったふうにギターを弾くと、すぐそれに合わせて歌い方を変えてきたりとか。そういう即興でのやりとりが面白いですね。

―話を聞いていると、2人とも正反対の性格のように思えるのですが、どうですか?

パク・ソル:そのとおりです(笑) 僕は直感的でストレートな性格だし。でも、おたがいにいい影響を与えてると思いますよ。僕の場合はあんまり深く突き詰めることが得意じゃないので、ナルさんがそういうところを一手に引き受けてくれるのは助かります。それに、いつの間にか僕もそういう考え方が身についたし。おたがいに刺激しあってる関係です。

ナル:僕はもともと何かをやろうという時には、あらかじめあれこれ調べて準備をする性格なので、すべて自分で段階を決めて、それをこなしていくことが得意です。そうやって問題をすべてクリアしてから次のステージに行くという方法が好きなので、バンドとしてもそういうやり方を踏襲していますね。


「僕たちはなんでも一歩一歩…結果的サマソニにも出ることができた」

(C)SUMMER SONIC All Rights Reserved.
―バンド結成から2年がたった今年の5月に、THE SOLUTIONSとして2枚目のアルバムをリリースしました。前作のアルバムはいろんなジャンルの音楽が収録されていたため、やや散漫な印象もありましたが、今回はバンドとしてのまとまりを強く感じました。バンドとしてはどんな変化がありましたか?

パク・ソル:実は1枚目と2枚目には大きな違いがあるんです。1枚目のアルバムは、僕たちが1度もライブをしたことがない状態で作ったものだということ。1枚目のアルバムを作ってからライブをはじめたんですよ。

ナル:そこから実践でいろんなものを身につけてきた2年だったと思います。たとえば、僕たちが自分たちの演奏に心酔する方法、観客に僕たちをいかによく見せるかという方法、それを超えたところで観客とコミュニケーションする方法などがそうですね。僕たちが大きく動いた時に観客も心が動くということがわかったし、そういうライブの一体感を生み出す方法を身につけていったように思います。

パク・ソル:僕たちはなんでも一歩一歩ですね。もともとバンドを組んでいたわけではない2人が出会い、バンドとしての活動をはじめ、ライブを通じて少しずついろんなことを学んで、結果的に今年、日本のサマソニにも出ることができて。だから、次に何をやろうか? っていうのはあんまり考えてないんです。

ナル:今、僕たちの目の前にある課題として考えてるのは、どんなライブ会場であっても、自分たちのサウンドを諦めないこと。当たり前のように思えるかもしれないけど、これが特に韓国では難しいことなんですよ。たとえば機材の問題、もしくは時間の問題で諦めざるをえない時が多いので。でもライブは目に見えるものも大事だけど、バンドにとってはサウンドが一番重要だと思うので、そこは譲れないですね。

パク・ソル:サマソニのステージで驚いたのは、とにかくスタッフの人員が多くて、質も高いこと。初めはこんなに人数がいても無駄じゃないかと思ったけど、結果的に準備時間が短くて済むし、その分きっちりチェックができる。こうしたシステムの違いにも学ぶ点が多いですね。

(C)SUMMER SONIC All Rights Reserved.
―THE SOLUTIONSとしての今後の目標は?

ナル:今、自分たちに見えているバンドとしての隙間を埋めていって、バンドとして成長していきたいです。

パク・ソル:他のバンドとは違う、僕たちだけのサウンドがあれば、自然に道は拓けるものだと思うんですよ。だから無理に目標を作ろうとは思いません。今の僕たちには力不足だと思うことを無理にやろうと思っても、取りこぼすことが多いばかりで、後になってそれがスランプという形になって現れるかもしれないですし。だから、何か目標を据えるというやり方ではなく、僕たちは自分のバンドをしっかりと築き上げることに力を注いでいきたいんです。それに、今はその過程を楽しんでるところでもありますしね。以前のTHE SOLUTIONSではできなかったことが少しずつできるようになること自体とても楽しいことだし、何よりステージの上でどんどん自由になれている気がします。なので、今はまだバンド作りに集中したいですね。

9月23日にはHappy Robot所属のバンドが一堂に会するイベント「Happy Robot Band Tour in TOKYO」で再び来日し、熱いライブを見せてくれたTHE SOLUTIONS。
今後は10月18日、19日にオリンピック公園で開催されるGMF(グリーン・ミント・フェスティバル) にも3年連続出演決定! ますます目が離せない彼らの今後の活動に注目したい。

text by suhi yoon


■CD情報
THE SOLUTIONS 「MOVEMENTS」
ヴォーカル・ソルの伸びのある歌声と浮遊感漂うサウンドが冴え渡るタイトル曲「MOVEMENTS」をはじめバンドとしてのスタイルを確立したTHE SOLUTIONSの2枚目のアルバム。全10曲収録。
元記事配信日時 : 
記者 : 
Kstyle編集部
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