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キム・ソンギュン「無名時代を考えると今はとても幸せ…それでも不安や悩みは尽きない」

TVレポート
俳優キム・ソンギュンは一時、疲れていた。主演作が相次いでヒットせず「消耗されているのではないか」と悩みを繰り返した。「しばらく休もう」と心を固めた瞬間、映画「隣人」で息を合わせたキム・フィ監督から映画「退魔:巫女の洞窟」(監督:キム・フィ、配給:シネグル(株)ダウ技術)のシナリオを渡された。

「退魔:巫女の洞窟」は精神科医で、退魔師でもあるジンミョン(キム・ソンギュン)と彼の助手ジグァン(キム・ヘソン)が奇異な現象で苦しんでいるグムジュ(ユソン)を治療する途中、彼女の中にある強力な存在に出会うことから繰り広げられるホラー映画だ。作家シン・ジンオ氏の有名ホラー小説「巫女窟」を原作とする。

キム・フィ監督はキム・ソンギュンに「エネルギーを消耗せず、癒すつもりでやってみよう。そして、その先にはきっと得るものがあるだろう」と言った。彼の言葉通り、キム・ソンギュンにとって「退魔:巫女の洞窟」の撮影現場は“癒し”そのものだった。監督の配慮で臨月の妻と撮影期間中に宿泊施設で一緒に暮らしたのはもちろん、気の合う人たちと楽しみながら演技をしていた。おかげで重いプレッシャーも払い落とすことができた。

無名時代を思い出すとこの上ない幸せだ最近だが、相変わらず時々悩みが訪れるという。彼が次回作としてtvN「応答せよ1988」を選んだのも、もしかすると依然として癒しが必要だからかもしれない。「応答せよ1988」は“ポプリ”というあだ名と共に彼に最高の全盛期をもたらしてくれた「応答せよ1994」の関連作品だ。前作のブームを超えなければならないというプレッシャーはないのかと聞くと、彼は「やさしい人、いい人たちと一緒にもう一度仕事ができるということだけでも、私にとって意味のあることだ」と話す。

「シン・ウォンホプロデューサーも冗談半分でそう言ってました。『応答せよ1997』『応答せよ1994』までヒットしたから、今回はうまくいかないと思うって(笑) ただ、いい人たちと息を合わせることができるということ、そんな現場にいられることだけでも、僕にとっては有意義なことです」

以下、キム・ソンギュンとの一問一答である。

―かなり痩せた。

キム・ソンギュン:楊平(ヤンピョン)に引っ越したじゃないか。毎日草刈りをするし、家庭菜園をしているから痩せたのかな? 近所のおじいさんに草刈りをしようといつも言われて(笑)

―映画はどうだったか。

キム・ソンギュン:正直、富川(ファンタスティック国際映画祭)ではがっかりした。上映の雰囲気もあわただしかったし、CGも完成本じゃなかったから。マスコミ向け試写会で見たら、編集もかなり変わっていた。

―キム・フィ監督と仕事をするのは「隣人」以来、2度目だ。

キム・ソンギュン:シナリオを読んだ後、監督に「僕のキャラクターは、何の味付けもないし、退屈すぎじゃない?」と言った。すると監督が「ああ、その部分については君に申し訳ないと思う」と正直に認めた。監督にはエリート演技に挑戦してみなさいと提案された。

―自分でもイメージチェンジしたいという渇望があったのか。

キム・ソンギュン:そうではない。「退魔:巫女の洞窟」のシナリオをもらった時、自分の能力に限界を感じてスランプに陥っていた。自分なりに念を入れた映画数本がヒットせず、疲れていた。今年は休もうと心を決めていたのに、監督に「退魔:巫女の洞窟」のシナリオを渡されたのだ。監督に正直に話した。僕は演技をどうすればいいのかも分からないし、疲れているし、休みたいと。監督は「エネルギーを消耗せず、釜山でおいしいものを食べると思いながらやってみなさい。その末に得るものはあるはずだ」と言った。もちろんシナリオも気に入った。僕が嫌いなゴア物、か弱い美少女が死んでいく恐怖、幼稚なホラー映画ではなかったので良かった。

―実際に再充電できたのか。

キム・ソンギュン:完全に。本当に良かった。

―CGはどうだったか。CGがない状況での演技は恥ずかしかったと思うが。

キム・ソンギュン:自分との戦いだった。役者同士、お互いにたくさん我慢しながら演技をした。現場で見ると本当に笑えるからだ。ヘソンは竹を揺らしているし、イェリョンはカメラを見て驚くし、ユソン姉さんは憑依された演技をするし。正直、心の中ではたくさん笑ったけど、それを出さないように努力した。

―ジンミョンの過去に対する具体的な説明が登場しない。

キム・ソンギュン:巫女の娘であり、母から受け継いだ神病を患っている人だ。幽霊が見える能力もあるし。自分の神病のせいで周りの人々が死ぬという運命に逆らうために医師になったんだと思った。映画がヒットして続編が作られればジンミョンについてより詳しく描かれると思う。

―もともと霊的な題材や精神学に興味があったのか。

キム・ソンギュン:かなりある方だった。演技学科あるいは心理学科に進学したかった。

―ユソン、チャ・イェリョン、キム・ヘソンとの共演はどうだったか。

キム・ソンギュン:みんな性格が穏やかだし、ウィットに富んでいる。イェリョンは誰かの面倒を見ることを本当に好む。ユソン姉さんはとても賢い女性だ。同じ言葉でも全員を満足させる対話ができる。ヘソンも本当に優しいし。


―最近女の子が産まれた。息子が二人いるから娘が一人ほしいと言っていたが。

キム・ソンギュン:息子とはまた違っていた。女の子だからか骨格も違うし、泣き声も音波が違う(笑) 音楽のような音っていうか、可愛いおぎゃあおぎゃあだ。


―もう3児の父だ。育児の達人になったのでは?

キム・ソンギュン:育児はどれだけやっても難しい。子どもたちには説得や折衷が通じないじゃないか。子どもたちの我を折る方法がない。毎回、忍耐と愛で接するだけだ(笑)

―娘は自分に似てるのか。

キム・ソンギュン:似ている。嬉しかった(笑)

―スランプの時、どんなことを考えていたか。

キム・ソンギュン:これから僕にどのような役割が与えられるか、これからも演技というものを続けられるだろうか。以前に比べると本当に幸せな状況なのに、不安だった。考えてみれば、どんなに良くなったか。演技も続けているし、公開を控えている映画もあるし。それでも不安なのだ。かつてのように作品がなくなったらどうしよう、子どもが3人いるのに。自宅に一人でいると考えることが多くなる。

―相変わらず悩みや不安が残っているようだ。

キム・ソンギュン:そうだ。余計に心配や悩みを抱いて生きるタイプだ。疲れる人間だ。

―tvN 「応答せよ1998」出演決定にプレッシャーはなかったか。

キム・ソンギュン:うまくいっても普通だという視線もあるけど、「応答せよ1994」の時のスタッフと再び仕事ができることだけでも嬉しかった。作品がうまくいくのもいいけど、いい人たちと楽しく仕事をするのも非常に有意義なことじゃないかな。
元記事配信日時 : 
記者 : 
キム・スジョン、写真 : イ・ソンファ
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