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B1A4 シヌゥ「信念を忘れないように」 ― Vol.1

OSEN
写真=M MUSICAL ART
待ちに待った二作目のミュージカルだ。初めてのミュージカル作品で大きなインパクトを受けたB1A4のシヌゥ(25)。二作目となる「三銃士」と出会い、初めてのように、新たな興奮を感じている。悩んで練習して辛い時もあるこの過程を楽しみながら、最近もミュージカルの魅力にハマっている。昨年ミュージカルデビュー作「チェス」を終えた彼は、B1A4の活動とは異なるミュージカルの魅力に夢中になっていたが、二作目に参加してもう一度夢を叶えた。

「三銃士」がシヌゥにとってさらに特別な理由は、B1A4のメンバーサンドゥルと同じ役にキャスティングされたためだ。同じ作品の同じ役に、1つのグループのメンバーをキャスティングすることはほとんどないが、シヌゥはサンドゥルと一緒だからこそさらに楽しく、また激しく没頭している。元々真面目な性格の彼だが、今回の作品に臨む姿勢も真面目で、そして激しかった。そのため彼に対する信頼はさらに堅いものになった。

公演開幕1週間前、練習の真っ最中で、意欲に溢れるシヌゥとサンドゥルに会った。一緒に出演する作品であり、二人にとってずっと待っていた運命の作品でもあるため、さらに楽しそうに見えた。意欲が溢れるだけに、話したいことも多く、その話の中でシヌゥとサンドゥルが「三銃士」に持っている愛情が感じられた。

「ものすごく参加したかった作品です。自信はありました。『チェス』の時も自信満々で始めたけれど、二作目は何だか分からない自信がありました。上手くできそうな気がしました。でも思ったほど上手く行かなくて苦労しました。『チェス』の時は自分と重なる部分が多いキャラクターでしたが、今回は本当に違っていて、自分とは逆の人物でした。まだ演技が未熟な僕としては、自分と反対のキャラクターを演じること自体がプレッシャーでした。そういったことを自ら努力して、演出や俳優たちに支えてもらって、半分は自分の意志で、半分は他人によってグレードアップしていくのだと思います」(シヌゥ)

シヌゥの言う通り、実際に「三銃士」のダルタニャンと聞いて思い浮かぶイメージは、彼とのシンクロ率が高くはなかった。ダルタニャンはサンドゥルのイメージにマッチしていたが、シヌゥは少し違った。彼が見せてきた姿とは違うという意味だ。シヌゥはその中で答えを探し、その中からシヌゥならではのダルタニャンを完成させている。5日の初公演でのシヌゥのダルタニャンが期待される理由だ。

「舞台ごとにリセットされる気がします。積もるものはありますが、作品ごとにリセットされるのではないでしょうか。ZE:Aのヒョンシク先輩が表現したダルタニャンは非常に独特で良かったと思います。ヒョンシク先輩の演技も楽しみですし、興味深いと思っています。カイ先輩は安定していて、後輩たちがこうなりたいと思うところが多いですね。舞台の上でパーフェクトなダルタニャンだと思います。安定していて心が落ち着くけれど、熱いものでいっぱいな……。サンドゥルはダルタニャンに一番最適化されていると思います」(シヌゥ)

それではシヌゥはどんなダルタニャンになりたいのだろうか。最近作品に「狂っている。クレージーな人になった」と表現した彼は、ダルタニャンに似た、そんな自身の姿を取り出して大きくして行ったら、“クレージーにならなきゃ”と思うようになったという。普段も以前より明るくなり、笑顔が増えたという。

「シヌゥ兄さんの元々の性格をよく知っているので、『三銃士』のダルタニャンをどう解釈するんだろうと気になりました。僕が認識しているダルタニャンは、少しきびきびとしていますが、兄さんはゆったりしています。不安はありましたが、練習しているのを見て不安が消えました。重量感があります。“こんな雰囲気のダルタニャンもあるんだ”と思いました。シヌゥ兄さんががらりと変わったのではなく、いつも持っていた一面が溶け込み始めたのだと思います。皆さん、驚くと思います」(サンドゥル)

悩みも心配事も多いダルタニャン。シヌゥは最近ダルタニャンの研究に夢中になっていた。人々が思うイメージのダルタニャン、彼の内面とキャラクターが作られる過程について分析して理解し、シヌゥだけの「三銃士」のダルタニャンを作り上げている。

「多くの方々が知っているダルタニャンは、才気あふれる愉快で進取的な人です。小説の中のダルタニャンは違います。真面目過ぎてバカみたいなキャラクターですが、人々がイメージするダルタニャンにしなくても良いんじゃないかと思いました。色々と悩んで結局見つけたのは、自分の中のダルタニャンらしい一面を引き出すということでした。もっとエネルギッシュで、本当に真面目で、もっと男らしい姿です。コミカルでもあって、アクションもあるし、ショーミュージカルですが、重量感もあります。ユーモアがあるけれど、その中でしっかりと重心を保っています。重心を保てるのは、ダルタニャンが確かな信念を持っているためです。三銃士から“気をつけ”と言われたら、気をつけの姿勢をするし、憧れていた銃士だからダルタニャンがその中に溶け込んでいくのだと思います。僕が笑わせようとしているのではなく、その状況に合わせていくのです」(シヌゥ)

「100%共感します。ミュージカルで演技なのに、ダルタニャンがしそうな行動だけをしていると、自然にそうなっていきます。面白いキャラクターだと思いますが、本当に真面目で信念を持っていて、夢があるし、理由もある人です。ダルタニャンが面白いばかりのキャラクターではなく、本当に真面目だからそんな姿が出てくるんですね」(サンドゥル)

同じ作品、同じ役を担当しているため、お互いにどうしても競争も刺激にもなるようだ。シヌゥとサンドゥルの二人を見ているとそんな気がする。だからこそお互いにもっと気楽に討論も指摘もでき、また褒め合って刺激し合える。シヌゥにミュージカルをしてほしいと思っていたサンドゥルは、一緒に作品に出演する、そうそうない機会であるためもっと貴重であり、シヌゥもサンドゥルと一緒に、より多くの答えを見つけている。

「サンドゥルから答えを見つけることが多いです。サンドゥルの行動は意図して笑わせるものもありますが、軽いものだけではなく真面目なものもあります。ダルタニャンも意図したわけではありませんが、信念が強くて真面目な人だから起きるハプニングがあります」(シヌゥ)

シヌゥとサンドゥルの「三銃士」、そしてダルタニャンは、お互いに良い刺激になっている。“チケットが分散される”という現実的な悩みを打ち明けながら、二人は一緒にダルタニャンになったため、もっと幸せそうで楽しそうに見えた。サンドゥルもシヌゥも一緒だった。

「練習室に一緒にいるのでお互いを見て良かった点を言い合ったり、指摘もします。同じダルタニャンを演じますが、分析やカラーも違うし、意見の差もあります。サンドゥルの演技と自分の演技は異なるものだと分かっているため、どう解釈しても正解はないと思います。考えの幅が広くなります」(シヌゥ)

「シヌゥ兄さんにミュージカルをしてほしいと思っていました。勇気を出して『チェス』を始めましたが、『三銃士』をしながらミュージカルについて話し合うのが好きです。楽しいです。役に入り込んでいるので、先輩、アンサンブルの兄さんや姉さんたちが気を配ってくれて、尊重し合うのが格好いいと思います。練習する時もそうですし、本当に楽しいです」(サンドゥル)

同じ作品、同じ役を担当したシヌゥとサンドゥルは、「三銃士」を通じて競争もしている。Win-Win(双方がうまくいく関係)戦略だが、だからと言って競争意識がないわけではない。そしてお互いを応援する気持ちとその競争意識があるため、さらに成長し、速く前に進むことができる二人だ。

「一番のメリットは競争しながらも遠慮なく言えることです。一人だけ上手くやるのは失敗です。二人とも上手くできてこそ成功だし、二人とも上手くできてこそ後悔しないでしょう」(シヌゥ)

シヌゥがダルタニャンについてどれだけ深く悩んでいるか、「三銃士」でどれほど入り込んでいるかが感じられる。彼の答え一つ一つからその悩みや努力が垣間見える。シヌゥのダルタニャンはサンドゥルのダルタニャンとどう違うものになるか、頭の中に浮かぶような気がする。また、彼がどれほど努力してダルタニャンを作っているかが分かってきた。

「(サンドゥルの底を知って飛び上がるべきたという言葉に) 僕はサンドゥルとは逆だと思います。上手だと言われこそ上手になるような気がします。ダメだと責められたら、もっと消極的になって、それにこだわるタイプです。クールにやり過ごしたいんですが、批判を受けると刃を研ぎ、さらに刃を研いで、上手くやり遂げれば疲弊しています。センシティブなほうです」(シヌゥ)

シヌゥはそうやって彼だけのスタイルで二番目の作品まで着実にキャリアを積み上げている。「チェス」で感じた喜びや感動、そして悟り。「三銃士」の練習を終えて初の公演を控えている彼。最初の作品の時も深く入り込んでいた彼だが、「三銃士」も「チェス」に負けないくらい、シヌゥに大きな影響を与えているようだ。

「『三銃士』が終わった後、変化した姿を感じられるのではないでしょうか。『チェス』の時もせわしなかったし、ただただ頑張りました。作品が終わって2ヶ月が経ってやっと気付きました。その時、気持ちを落ち着かせて整理をしました」(シヌゥ)

最後にシヌゥが自分のダルタニャンに伝えたいことを聞いた。戸惑う様子だった彼は、やっと一言話した。「ダルタニャンの信念は『正義は必ず生きている』。信念そのものを忘れないように!」
元記事配信日時 : 
記者 : 
ソン・ミギョン
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