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Kstyle 12th

Vol.2 ― スエ「異性間の愛じゃなくても、愛という感情は常に私の中にある」

10Asia
―女優の中では最年長だった。年下の役者たちを導いていかねばならない立場だったのでは?

スエ:撮影の序盤はそのような負担もあった。だが各自が自分の位置でそれぞれの役割をした。私がダラダラとなってしまう部分を愉快に導いてくれたヨンソ、頼もしい同い年の友達ジェスク、いつも前向きに受け入れるイェウォン、何でもやり遂げるスルギ、何も知らないジヒまで(笑) 私の足りない部分を彼女たちが皆少しずつ補強してくれて親しくなれた。誰かがマンガを持って来たら一緒に回し読みした。

撮影当時はtvN「応答せよ1988」が放送されていた時期で、私がマニト(イタリア語で“秘密の友達”の意。くじなどで相手を決め、他の人に分からないようにその相手を助けるゲーム)をしてみようと言い出した。全体的には仲が良かったが、個人的にもう少し仲良くなる時間を設けてみようという意味だった。私のマニトはジヒだった。何かと乗り出て手助けしてくれて可愛かった。私はイェウォンのマニトだったけど、私も見つかった。皆バレバレだったのを覚えてる。

―仮にも役者なのに、マニトがバレたら良くないのでは(笑) 映画を見て泣いたのか?

スエ:私が自分の演技を見て泣けないので、感情がこみ上げてくる時、隣にいたダルス先輩に話しかけた。だけど先輩も既に目に涙を浮かべていらっしゃった。それで反対側に座っていらした監督に話しかけて(笑) 余裕を持って一人で映画を見ていたら感じながら見たはずだが、周りに役者も監督もいるのに、自分の演技に没頭して泣くのはちょっときまり悪かった。

―南北の離散家族の話は、韓国だからこそ可能なドラマだと思う。脱北したリ・ジウォンを表現するために一番重点を置いた部分があるとすればそれは何か?

スエ:いつも妹に対する感情を忘れないようにしていた。そうしてこそ私の中の感情が倍増して、最後に爆発させることができると思った。そして、やはり北朝鮮代表のスポーツ選手だし、妹が北朝鮮に残っているので、方言に微妙な変化があるのではと考えた。異なった感じを見せられる部分があると思った。

―「国家対表!?2」の長所は、最後の北朝鮮戦でアイスホッケーが与える緊張感と、ジウォンの複雑な心境を同時に感じることができるという点だ。ジウォンの複雑な心境とアイスホッケーを、どちらも上手くやらなければならないという点は本当に難しかったと思う。

スエ:脚本のないスポーツの面白味と、韓国だけしか感じることができない胸の痛む家族愛を、上手く表現できたようで気に入っている。映画が本当に上手くいってほしい(笑) どちらもとてもドラマチックな状況じゃないか。だから北朝鮮戦と、ジウォンの事情とのバランスがとても重要だった。それでも簡単にやれたのは、妹がパク・ソダムだったからだ。今考えてみれば、どうやってそのシーンを撮ったか分からない。撮影スケジュールのせいで昼夜が逆転し、激烈な小競合いをする中でも怪我をしてはいけなかったし、体力も感情も限界だった。本当に体の具合は良くなかった。それでも、そうやって大変だったけれど、撮影が終わると嬉しい。カタルシス(解放感)を感じて、何かを爽快に吹き出した感じで。シナリオをもらった時、どう演じていくか悩んだが、いざ終わってみると気が軽くなる。

―昼夜が逆転するほどであれば、深夜まで撮影したのか。

スエ:一般の人が利用しない時間帯にアイスリンクで撮影するので、撮影時間は通常、午後9時から午前9時までだった。限られた時間内に必ず撮らなければならない分量があって、感情だけが必要なだけではなく運動もしなければならなくて、明らかに私が持ち堪えられる限界があったので、常に緊張していなければならなかった。衣装をずっと着用していなければならなかったことも、いつでも走って行けるよう準備ができていなければならなかった。防具をずっと着ていると血液の循環が悪くなり、足もむくんで色々な面で大変だ。どうしてそこまでできたんだろうかと思うほど、毎日が正気ではいられなかった。アイスリンクを出れば朝で、身体は朦朧としているのに、お腹がすくからご飯を食べなければならないし、ふと気づくといつのまにかダルス先輩とモーニング酒を飲んでいる(笑) こんな時でなければ、いつまたこんな経験をするだろうか。良い思い出の一つだ。

―泣く演技を上手くやる秘訣はあるか? どうしたらそんなによく泣けるのか。

スエ:スタッフから、もしかしてドライアイかと聞かれる(笑) よく泣くと褒めてくれているようだ。特別な秘訣はなく、台本に忠実に、人物の感情に忠実にすればできる。最後に妹と離別するシーンで、シナリオを読んで練習するたびに怒りが込み上げてきて、その感情を抑えるのが大変だった。むしろ感情にのめり込まないよう警戒した。台本の力が大きかったので、泣く演技は難しくなかった。

―オ・ヨンソ、ハ・ジェスクと共にSBS「ランニングマン」に出演していた。

スエ:映画「FLU 運命の36時間」を撮った後、KBS 2TV「1泊2日」に出演して以来、久しぶりにバラエティに出演した。国家代表の克己訓練レースがコンセプトだった。体でやるのは自信があると話しておいたので、頑張ろうと努力した。一人で出て行ったのでなく、本当に愉快なオ・ヨンソ、ハ・ジェスクと共に出演し、色々と助けてもらった。とても恥ずかしかったがオンエアも見た。

―元陸上部だから「ランニングマン」でもよく走り回れたのでは?

スエ:「FLU 運命の36時間」を撮影している時も、スタッフからもうちょっとゆっくり走れと言われるほどだった。だけど時間が経てば経つほどちょっと大変になってくる(笑) 体力管理は役者にとって必須だと思っているし、しっかり管理しようと努力している。ノウハウといえば、朝は白いご飯を必ず食べて、できるだけ三食食べるようにしている。

―スエの演技人生において、ターニングポイントとなった瞬間はいつか?

スエ:新人の時や30代の前半は、作品を一人で導いていくと思っていた。撮影現場に行けばたくさん緊張もするし、どんどん後輩も増えるので責任感も大きくなった。「FLU 運命の36時間」を撮影しながら本当に多くのことを学んだ。チャン・ヒョク兄さんと「僕たち、肩の荷を下ろして楽しもう」という話をよくした。日が昇るまで懸命に撮影して、コンビニの前でユ・ヘジン兄さんとたびたびお酒を飲んで、新鮮な朝の空気と冷たいビールの調和が忘れられない。モーニング酒はその時が始まりだったみたい(笑) その時から一人でなく共同作業する楽しみを感じた。

―17年間役者として活動してきた。“ドレスエ”(スエ+ドレス)と言われるように、優雅なイメージを持っているが、演じてきた役を見るとアクションもあって悪役もあって、本当に色んな色をたくさん見せた。

スエ:色んな役を見せたいという渇望は、相変らずたくさんある。今よりもっと明るいキャラクターで、すぐにお目にかかれるのではと思っている。未だにやってみたい役は多い。ファム・ファタール(魔性の女)みたいな役? 香港映画の「花様年華」が好きで、露出無しでも異性を誘惑することができるそのような眼差しと官能美を持ちたい。

―“激情メロドラマ”を夢見ているのか(笑)

スエ:メロは役者として、年をとっても逃せない部分だ。私もまた40代になっても、メロをこなせる役者になることを願っている。

―最近の韓国映画を見ると、メロが少なくなった気がする。

スエ:女優としては残念な部分だ。メロだけが持っている感性があり、愛は人生で手放せない部分だから。

―手放せない部分なのに、何故まだ恋をしていないのか?(笑)

スエ:必ずしも異性間の愛じゃなくても、愛という感情は常に私の中にある。私はいつも何かにドキドキしていたい。そのときめく対象が仕事でもあり得るし、趣味でもあり得るし、異性にもなり得るかも。
元記事配信日時 : 
記者 : 
ユン・ジュンピル、写真 : ソ・イェジン、翻訳 : 前田康代
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