映画「戦場のメロディ」主演、シワン“純粋な気持ちになれる作品です”
韓国で社会現象を巻き起こしたドラマ「ミセン-未生-」や、観客動員数1100万人突破の社会派映画「弁護人」などで俳優としても高く評価され、映画「戦場のメロディ」で映画初主演を務めるZE:Aのシワン。ピアノ演奏や指揮者にも初挑戦し、過酷な戦闘アクションから涙を誘う繊細な感情表現まで、より一層深みを増した演技力を見せつけている。そんな彼に本作で演じた役柄や作品への思いを語ってもらった。
―出演を決めた理由についてシワン:この映画はキャラクターというよりは、作品自体に魅力を感じました。台本を読んで何日間も、子ども合唱団が歌いながら公演で回っていく姿がずっと目に浮かんでいました。子どもたちの声が聞こえるようで、そして純粋な子どもたちの魅力に引かれ、この映画をやるべきではないかと思いました。
―「弁護人」「ミセン」などヒット作が続いた後、たくさんのオファーがあったと思いますが、作品選びにおいて最も重要視されていることは何でしょうか?
シワン:作品選定の基準は正直まだありません。私もその基準を探したいと思っていますが、明確にまだ作り切れていません。最優先で考えるのは「台本を読んで、その中に自分の姿を描けるか」ということです。私の行動や言葉がそこに見えるかどうか、それがないと台本を読む段階から、これは難しいなと思います。
シワン:ハン・サンヨルは、指揮をやりピアノも弾ける人なのですが、実際の私はどちらもできません。これは練習するしかありませんでした。どちらも初めてだったので大変時間がかかりました。自ら選んだ道ですが、とても疲れました。これからも同じようにちゃんと準備するしかないと思っています。
―激しい戦闘シーンがありましたが、ケガなどはしませんでしたか?
シワン:アクションシーンが多いというのを承知で受けましたので、より慎重になりましたし、集中しました。しかし実際、戦闘シーンの撮影でケガをしました。偽のナイフだったのですが、おでこに傷ができて何針か縫ったんです。撮影初期での出来事で心配しましたが、逆にこのぐらいで済んで良かったと思うようにしました。私以外、誰もケガをしなかったのが幸いです。このぐらいで済んで運が良かったと思います。
―スクリーンに子どもたちとの和気あいあいとした姿が映されていましたが、子役と接するにあたり特に気を付けたことはありますか?
シワン:子どもたちとなるべく一緒にいようと努力しました。劇中、子どもたちに慕われないといけない役なのですが、実際にとてもなついてくれました。なので、現実と撮影の雰囲気がそう変わらなかったです。子どもたち全員が本当にプロでした。きちんと演技を演技として考えているようでした。
―イ・ハン監督との現場はいかがでしたでしょうか?
シワン:監督は本当に現場を楽しむ方です。良い人だというのは言うまでもないですしほっこりした感じなのですが、非常に繊細です。監督は「この映画を観て一人でも純粋な人が増えたらうれしい」と話していましたが、私も全く同感です。
シワン:撮影から早く帰宅できるということでした。子どもたちのコンディションのために、日が暮れるとすぐに撮影が終了したんです。これが今までで、一番特別なエピソードです。そして子どもたちの撮影が楽しかったのはもちろんですし、幼い演技の先生に出会ったようでした。あの幼さで、どのように理解して演じるのか不思議でした。彼らから教わることが多かったです。
―個人的に気に入っているシーンはありますか?
シワン:一番好きなシーンは、最後の合唱のシーンです。僕が最後の指揮をする時、イレが真心を込めて歌を歌います。夜空の星を見ながら「お兄ちゃん、聞いてる? 歌うのちゃんと聞いてね」と言う部分です。この場面がリアルに心に響きました。歌う姿を見ながら私も泣きそうになりました。
―忙しいスケジュールの中、オフはどのように過ごされているのでしょうか?
シワン:冷たく冷やしたビールが一杯あれば十分です。
―次回作について決まっていればお聞かせください。
シワン:最近「One Line」という映画の撮影を終えました。大規模な詐欺を描いた映画ですが、私は大学生の詐欺師を演じました。こう話すとイメージが良くないですね。これ以外にもまだ準備中の作品があります。皆さまに頑張っている姿をお見せできると思いますのでご期待ください。
―日本の観客に一言お願いいたします。
シワン:こんにちは。イム・シワンです。映画「戦場のメロディ」のハン・サンヨル役で久しぶりに皆さまにお目にかかります。長い間準備した作品なので、たくさんの方にご覧いただき、楽しんでいただきたいです。この映画をご覧いただくと、純粋な気持ちを取り戻したいと思うはずです。これからも良い作品に出合い、皆さまへお届けできればと思います。カムサハムニダ。
■作品概要
「戦場のメロディ」
2016年10月29(土) シネマート新宿、11月5日(土) シネマート心斎橋 他全国順次ロードショー
監督:イ・ハン
脚本:イ・ウンジュン
製作:キム・ウテク
出演:イム・シワン「弁護人」、コ・アソン「スノーピアサー」、イ・ジュニュク、パク・スヨン、イ・ヒジュン
2015年/韓国映画/124分/シネスコ/カラー/5.1chデジタル
原題:오빠생각
配給:ハーク
(c)2016 NEXT ENTERTAINMENT WORLD.All Right Reserved.
【ストーリー】
朝鮮戦争まっただ中の1952年。家族も戦友も失ったハン・サンヨル少尉(イム・シワン) は、失意のまま最前線から釜山に転属。彼を待ち受けていた任務は、両親を亡くした多くの戦争孤児の世話だった。チンピラの悪事に利用されていた孤児たちを集め、サンヨルは得意の音楽を活かし「児童合唱団」を作り歌を教え始める。初めはぎこちなかった歌声にリズムと和音が生まれ、子どもたちに笑顔が戻ったころ、戦地への慰問公演が決まる。だが、行き先は死と隣り合わせの最前線だった…。
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- Kstyle編集部
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