【REPORT】“ゾンビ”という単語はNGだった?「新感染 ファイナル・エクスプレス」ヨン・サンホ監督来日記念トークイベント開催!
第69回カンヌ国際映画祭を筆頭に、世界156ヶ国から買い付けオファーが殺到、各国で圧倒的な大ヒットを果たし、世界規模で話題を席巻した超ド級ノンストップ・サバイバル・スペクタクル・アクション映画「新感染 ファイナル・エクスプレス(以下、新感染)」(配給:ツイン) が、9月1日より全国ロードショー。
映画批評サイト「ロッテントマト」では脅威の96%を記録、さらにアメリカでのリメイクも決定。世界的作家スティーヴン・キングをはじめ、「パシフィック・リム」のギレルモ・デル・トロ監督「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」ジェームズ・ガン監督など、世界の名だたる目の肥えた映画関係者も唸りまくった超大作! まさに世界の映画界を騒がせている作品で、日本の樋口真嗣監督らも絶賛しており、感染者が続出中。そんな本作を手がけたヨン・サンホ監督の来日を記念して、映画評論家の宇野維正氏とのトークイベントが開催された。
上映後も満員の劇場では、目元が赤い人や鼻をすする音がチラホラ。観客を見たMCの宇野維正氏は、「皆さん余韻に浸っているようですねぇ」と笑いながら一言。そんな興奮冷めやらぬ観客に大きな拍手で迎えられたヨン・サンホ監督は「日本の皆さんにお会いできて嬉しいです!」と笑顔で挨拶。早速始まった濃密なクロストークで宇野は、まず監督の驚きの経歴について語った。「僕が驚いたのは、これが監督の実写一作目だということ。(観客:どよめき) それでこんなクオリティがあり得るのかと! それに普通、アニメは絵で描いちゃえば実現可能になるから派手になって、実写はお金の制約があるから地味になるけど、監督の作品はアニメがヒューマンドラマで、実写は爆発するわ、ゾンビは出るわ!(笑)
宇野のコメントに対し監督は「よく『なんでファンタジーじゃないアニメを作るのか』と聞かれます。子供の頃からアニメ、特に今敏監督のリアルな作品が好きでした。本作の前日談はゾンビ映画としてジャンル作品を作ってみたら、配給会社から『大きな予算で実写化しないか』と言われたんです。でも、同じ映画を2回撮る意味はないと思い、その大きな予算を使って続編で、僕の実写一作目になる『新感染』を作りました」と、本作品を制作するにあたっての経緯を話した。「それであんなすごい作品を撮れちゃう監督もすごいけど、それをオファーしちゃうプロデューサーも思い切りましたね! ついでに、今ゾンビって言われていましたが、監督的に今作品は『ゾンビ映画』という認識でいいんですか?」と、宇野が感心しつつ聞くと監督は「これはゾンビ映画です。ただ、韓国で公開された時も、ゾンビ映画はヒットしないから『ゾンビ』という単語はNGになったんです。キャストも僕も、ゾンビが出てるっていうのはみんなわかってるのに“あれ”とか“それ”とか言ってごまかしてました(笑) 今では、韓国ではゾンビブームが起こってます」と楽しそうに話した。
続いて、宇野から最近亡くなったジョージ・A・ロメロについて聞かれると、「当然のことながら、ゾンビジャンルの創始者がロメロ監督で、世界中のゾンビ映画を作っている人はロメロ監督に借りがある。もし僕がゾンビ映画を最初に作ったなら、絶対に著作権を確保します(笑) でも、ロメロ監督が権利を解放してくれたおかげで、ゾンビはただのクリーチャーじゃなくて、ジャンルになりました。そして彼はゾンビの起源は未知のままにしてくれたんです。それによって、後に映画を作る人が想像力で自分の設定を作れるようにしてくれました」と、巨匠の影響について語った。
次に豪華なキャスティングについて質問した宇野。監督は「『新感染』の主人公ぐらいの年齢でこの役を消化できるのはコン・ユしかいないと『トガニ 幼き瞳の告発』を見た時から思っていたから、最初からソグ役には彼しかいなかったんです。コン・ユにオファーをかけて、20分後に彼からOKが来ましたね(観客:お~!) 他に、サンファ役のマ・ドンソクやソンギョン役のチョン・ユミも作品選びが厳しい人だと聞いていたんですが、シナリオを送って少ししてからOKをもらえたから嬉しかったです」とキャストをも虜にしたシナリオについて語った。
「新感染」の魅力について話が盛り上がったところで、観客からの質問タイム。女性客から「駅を使った映画ですが、駅は人が多いのにどうやって撮影したんですか?」との質問に対し監督は「映画で実際に名前が出ている駅では、人が多いのと、高圧電流の通っている電線に機材が当たる可能性があるから撮影できなかったんです。わざわざ閑静な駅に行ってCGで補正しました」と笑顔で語った。ここで宇野が「残念ながらお時間が迫っているようなので、今のが最後の質問でした!」というと、観客からは「え~(笑)」という残念そうな声が。たっぷり30分トークをした後も、観客たちがまだまだ話を聞き足りないと感じるぐらい「新感染」に夢中になっていたことが伺えた。
最後に「子供の頃からアニメ監督になることが夢でした。日本のアニメや映画からたくさん影響を受けてきて、そんな日本で僕の映画を見てもらえるのは感慨深い。日本の観客がこの映画をどう見るのかは気になりますが、楽しんでみてもらえたら嬉しいです」と語たり「新感染 ファイナル・エクスプレス」監督来日記念イベントは興奮冷めやらぬまま、終了した。
ノンストップ・サバイバル・スペクタクル・アクションというジャンルにもかかわらず、ドラマの充実ぶりで試写では号泣者も多数続出する話題の本作。親子、夫婦や若き恋人たちが絶体絶命の極限状況のもとで手を取り合い、愛する者を捨て身の覚悟で守り抜いていく姿に誰もが心打たれるであろう。
早くも2017年一番面白い映画という呼び声高い、興奮と感動の大傑作。乗り遅れなきよう、ご注意を!
映画批評サイト「ロッテントマト」では脅威の96%を記録、さらにアメリカでのリメイクも決定。世界的作家スティーヴン・キングをはじめ、「パシフィック・リム」のギレルモ・デル・トロ監督「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」ジェームズ・ガン監督など、世界の名だたる目の肥えた映画関係者も唸りまくった超大作! まさに世界の映画界を騒がせている作品で、日本の樋口真嗣監督らも絶賛しており、感染者が続出中。そんな本作を手がけたヨン・サンホ監督の来日を記念して、映画評論家の宇野維正氏とのトークイベントが開催された。
上映後も満員の劇場では、目元が赤い人や鼻をすする音がチラホラ。観客を見たMCの宇野維正氏は、「皆さん余韻に浸っているようですねぇ」と笑いながら一言。そんな興奮冷めやらぬ観客に大きな拍手で迎えられたヨン・サンホ監督は「日本の皆さんにお会いできて嬉しいです!」と笑顔で挨拶。早速始まった濃密なクロストークで宇野は、まず監督の驚きの経歴について語った。「僕が驚いたのは、これが監督の実写一作目だということ。(観客:どよめき) それでこんなクオリティがあり得るのかと! それに普通、アニメは絵で描いちゃえば実現可能になるから派手になって、実写はお金の制約があるから地味になるけど、監督の作品はアニメがヒューマンドラマで、実写は爆発するわ、ゾンビは出るわ!(笑)
宇野のコメントに対し監督は「よく『なんでファンタジーじゃないアニメを作るのか』と聞かれます。子供の頃からアニメ、特に今敏監督のリアルな作品が好きでした。本作の前日談はゾンビ映画としてジャンル作品を作ってみたら、配給会社から『大きな予算で実写化しないか』と言われたんです。でも、同じ映画を2回撮る意味はないと思い、その大きな予算を使って続編で、僕の実写一作目になる『新感染』を作りました」と、本作品を制作するにあたっての経緯を話した。「それであんなすごい作品を撮れちゃう監督もすごいけど、それをオファーしちゃうプロデューサーも思い切りましたね! ついでに、今ゾンビって言われていましたが、監督的に今作品は『ゾンビ映画』という認識でいいんですか?」と、宇野が感心しつつ聞くと監督は「これはゾンビ映画です。ただ、韓国で公開された時も、ゾンビ映画はヒットしないから『ゾンビ』という単語はNGになったんです。キャストも僕も、ゾンビが出てるっていうのはみんなわかってるのに“あれ”とか“それ”とか言ってごまかしてました(笑) 今では、韓国ではゾンビブームが起こってます」と楽しそうに話した。
続いて、宇野から最近亡くなったジョージ・A・ロメロについて聞かれると、「当然のことながら、ゾンビジャンルの創始者がロメロ監督で、世界中のゾンビ映画を作っている人はロメロ監督に借りがある。もし僕がゾンビ映画を最初に作ったなら、絶対に著作権を確保します(笑) でも、ロメロ監督が権利を解放してくれたおかげで、ゾンビはただのクリーチャーじゃなくて、ジャンルになりました。そして彼はゾンビの起源は未知のままにしてくれたんです。それによって、後に映画を作る人が想像力で自分の設定を作れるようにしてくれました」と、巨匠の影響について語った。
次に豪華なキャスティングについて質問した宇野。監督は「『新感染』の主人公ぐらいの年齢でこの役を消化できるのはコン・ユしかいないと『トガニ 幼き瞳の告発』を見た時から思っていたから、最初からソグ役には彼しかいなかったんです。コン・ユにオファーをかけて、20分後に彼からOKが来ましたね(観客:お~!) 他に、サンファ役のマ・ドンソクやソンギョン役のチョン・ユミも作品選びが厳しい人だと聞いていたんですが、シナリオを送って少ししてからOKをもらえたから嬉しかったです」とキャストをも虜にしたシナリオについて語った。
「新感染」の魅力について話が盛り上がったところで、観客からの質問タイム。女性客から「駅を使った映画ですが、駅は人が多いのにどうやって撮影したんですか?」との質問に対し監督は「映画で実際に名前が出ている駅では、人が多いのと、高圧電流の通っている電線に機材が当たる可能性があるから撮影できなかったんです。わざわざ閑静な駅に行ってCGで補正しました」と笑顔で語った。ここで宇野が「残念ながらお時間が迫っているようなので、今のが最後の質問でした!」というと、観客からは「え~(笑)」という残念そうな声が。たっぷり30分トークをした後も、観客たちがまだまだ話を聞き足りないと感じるぐらい「新感染」に夢中になっていたことが伺えた。
最後に「子供の頃からアニメ監督になることが夢でした。日本のアニメや映画からたくさん影響を受けてきて、そんな日本で僕の映画を見てもらえるのは感慨深い。日本の観客がこの映画をどう見るのかは気になりますが、楽しんでみてもらえたら嬉しいです」と語たり「新感染 ファイナル・エクスプレス」監督来日記念イベントは興奮冷めやらぬまま、終了した。
ノンストップ・サバイバル・スペクタクル・アクションというジャンルにもかかわらず、ドラマの充実ぶりで試写では号泣者も多数続出する話題の本作。親子、夫婦や若き恋人たちが絶体絶命の極限状況のもとで手を取り合い、愛する者を捨て身の覚悟で守り抜いていく姿に誰もが心打たれるであろう。
早くも2017年一番面白い映画という呼び声高い、興奮と感動の大傑作。乗り遅れなきよう、ご注意を!
■作品情報
「新感染 ファイナル・エクスプレス」
2017年9月1日(金) 新宿ピカデリーほか 全国疾走!
監督:ヨン・サンホ「The King of Pigs」
(2012年カンヌ国際映画祭監督週間正式出品)
出演:コン・ユ(「トガニ 幼き瞳の告発」「サスペクト 哀しき容疑者」)
チョン・ユミ(「ソニはご機嫌ななめ」「三人のアンヌ」)
マ・ドンソク(「殺されたミンジュ」「群盗」)
2016年/韓国/118分/英題:Train to Busan/配給:ツイン
公式ホームページ:http://shin-kansen.com/
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- Kstyle編集部
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