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『MASTER/マスター』カン・ドンウォン“首にガラスがつき刺さって、僕はここまでだなと思いました(笑)”

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2017年11月6日(月)、クライムアクション『MASTER/マスター』の舞台挨拶のために7年ぶりに日本のファンの前に姿を現したカン・ドンウォン。その前にインタビューにも答えてくれた。「よろしくお願いします」ときれいな日本語で言いながらスタジオに登場すると映画の撮影裏話から、共演者との爆笑エピソード、気になる怪我の話、仕事観、結婚観まで。笑いがたえなかった楽しいインタビューの様子を、まるごとお届けする。

――今回は『MASTER/マスター』の舞台挨拶のために来日されましたが、ご感想は?

カン・ドンウォン:久しぶりに日本の皆さんにお会いして舞台挨拶することができてとても嬉しいです。このような機会がたくさんあるといいんですが、そのためには韓国映画がもっと人気にならないといけませんよね(笑)。でもとても嬉しいことだと思っています。

――日本に来るときの楽しみは?

カン・ドンウォン:一番は美味しいものを食べることです。毎回それが楽しみです。僕は日本食だとそばが大好物です。あとは寿司、とんかつ、てんぷら、カレーうどん、ラーメンも好きです。たくさんありすぎますね(笑)。
 

先輩イ・ビョンホンと後輩キム・ウビンから受けた刺激

――『MASTER/マスター』では先輩のイ・ビョンホンさんと後輩のキム・ウビンさんの架け橋的な位置にいらっしゃいましたが、共演された感想は?

カン・ドンウォン:ハハハ、架け橋的な位置というより、ウビンさんとは歳が近いということもありよく遊んでいました。僕たちは精神年齢が同じくらいなんです(笑)。一緒にごはんを食べたり、お酒を飲んだり、運動したりしていました。ビョンホン先輩はそこにときどき現れて、僕たちにごはんをごちそうしてくれましたね。そんなとき、僕がツッコミを入れてウビンさんに止められたことがあって……(笑)

――そのお話をぜひ詳しく。

カン・ドンウォン:あくまでも冗談で、の話なんですけど。英語の勉強について話していたとき、ビョンホン先輩が「英語っていうのは、本土に行って現地の人から発音を習わないといけないね。アメリカだよ。」とおっしゃったんです。で僕が「いや、英語の本場っていったらイギリスじゃないですか?」って返したらウビンさんに「その辺にして」と言われました(爆笑)。

――おふたりに演技的な面で刺激を受けたことは?

カン・ドンウォン:ふたりとも口が大きいし、発声もすごくいいし、演技も上手。なによりも声がよくて声量がありますよね。新鮮な刺激をたくさん受けました。
 

「首にガラスがつき刺さって…あ、僕はここまでだなと(笑)」

――キム・ジェミョン刑事役は、今まで演じた中でもっとも難しい役だったと話していらっしゃいましたが、どんな部分が難しかったのでしょう。

カン・ドンウォン:明確なモチーフがあるキャラクターでなかったところですね。たとえば個人が誰かに復讐するとか、悪い奴らに酷いことをされたことをバネに前進する、とかいうキャラだとわかりやすいのですが、そうではない。だからこそ、感情のラインをつかむのが難しかったんです。もちろん、彼には社会的な正義を実践するという動機はありましたが、なかなか掴みどころのないキャラでした。僕自身はマッチョ的なところがほとんどないですし、普段も静かにゆっくり話すほうなんですね。でも、今回ははきはきと早口で話す設定にしました。

――初の刑事役ということで、特に準備されたことは?

カン・ドンウォン:まずはフィジカル面を鍛えないといけませんでした。監督さんからも体を大きくしてくれといわれたので、たくさん運動をしました。あと、アクションチームからの要請でボクシングの準備もしましたね。もう一つ、個人的にはテンポをよくしてリズム感を出したかったので、セリフのテンポに気をつけました。重要なポイントはその3つでしたね。

――フィリピンでのアクションシーンで大きな怪我をされたそうですが。

カン・ドンウォン:そうなんです。車を走らせながら銃を撃ち合うカーチェイスの撮影で、どちらもガラス窓が割れるという設定でした。最初のテイクはうまくいったけど、監督から「顔が見えなかった」と言われて撮り直したんです。ただ、窓ガラスを全部変えている時間がなかったので、相手のガラスだけ変えて、僕の車のほうは割れたまま、足りない部分はCGで補うということで撮影を再スタートしたんです。僕は顔が見えないといけないと思ったので、カメラに顔を向けて銃を撃っていたら、突然バーンという音がして、ガラスの塊が飛んできました。それが頭に当たって、破片が飛び散って顔に刺さってしまったんですね。でも撮影中だったので僕はそのまま運転を続けました。ようやくアクションが終わったので車を止めて、車の中の鏡を見ようとしたらすでに鏡が割れていて。それで外のウインドーを見たら…顔全体から血がだらだら流れていたんです。しかも首にはガラスがつき刺さっていました。それを見たとき「あ、僕はここまでだな」と思いました(笑)。死ぬ覚悟をした、という意味ではなく、俳優として、これからの活動に支障が出るんじゃないかと思ったんです。そのあと血を拭いてみたら、思ったほどの怪我ではなかったんですが、大きいガラスは首に刺さったままだし、顔中に小さい破片がついていて。やっぱり顔なので、刺さるとかなり血が出るんですよね。スタッフも驚愕していました。首にガラスがつき刺さっていたら、それは驚きますよね(笑)。

――よくぞご無事で。

カン・ドンウォン:実は僕はいま日本のアニメーションが原作の『人狼 JIN-ROH(原題)』という映画の撮影中なんです。これも爆発シーンが多い映画なんですが、『MASTER/マスター』と同じ特殊効果チームなんですよ。その人たちが「心配しなくていいですよ」と言うんですが、同時に「心配しないわけにはいかないですよね」とも言っていました(爆笑)。

――日本の映画ファンに『MASTER/マスター』のアクションシーンのおすすめポイントを教えてください。

カン・ドンウォン:のちのちDVDを買っていただくと、削除されたシーンが入ってると思うんですが、実はそれが一番よかったんです(笑)。僕はシナリオの段階から、このシーンは曖昧な感じがするからいらないんじゃないかと言っていて。でも監督が絶対に必要だというから撮ったんですが、監督は編集室で見たときに初めて「このシーンはいらない」と思ったようです。ある日、監督から「一杯飲もう、話がある」と誘われて行ったら「申し訳なかった。最初から君のいうことを聞いておけばよかった。正式に謝罪する」と言われました(笑)。あんなに苦労して、落下シーンなども撮ったのに…。ちなみに僕と監督は同世代なので、なんでも気楽に話せる仲なんです。

――いま見られる中ではどこが見どころですか?

カン・ドンウォン:やはりどこのシーンで、僕の首にガラスの破片が刺さったか? ですかね(笑)。そこに注目していただければ、それがお楽しみポイントになると思います(笑)。

――カーチェイスはご自分でやられたのでしょうか?

カン・ドンウォン:ほぼ自分でやりました。大きな車をぼんぼんぶつけるような感じで、本当に楽しかったです。もちろん、ジャンプしたり、フルショットで映るようなところは、アクションの専門家がやってくれましたが、顔が映るところは、僕自身が演じました。
 

カン・ドンウォンが考える“韓国映画のパワーの源”

――カン・ドンウォンさんが好きなクライムアクション映画は?

カン・ドンウォン:最近、『ベイビー・ドライバー』を見たんですが、すごく面白かったです! あまりによすぎて面白くて、腹が立つほどでした(笑)。カーチェイスシーンも見事でした。

――クライムアクション以外の好きな映画を教えてください。

カン・ドンウォン:今まで見た映画の中で一番よかったのは、『エターナル・サンシャイン』と『ブレイブハート』。『ブレイブハート』は中学生のときに見て「フリーダム」というセリフのところで泣いちゃいました(笑)。日本映画では『嫌われ松子の一生』や是枝監督の作品が好きです。『南極料理人』も見ましたし、(僕が韓国リメイク版で主演した)『ゴールデンスランバー』の日本版もすごくよかったです。ただ最近は日本映画があまり韓国に入ってこないので見る機会が減ってしまって…。韓国映画だと『殺人の追憶』『グエムル-漢江の怪物-』が好きですね。

――いま、韓国映画の評価が高まって、世界的にもパワーを持ち始めていますが、その実感はありますか?

カン・ドンウォン:たしかに海外の映画祭に行って関係者に会うと、自分の予想以上に韓国映画を高く評価してくださいます。僕も「韓国映画が認められている」という記事は読んだことがあったのですが、これを鵜呑みにしていいものか、そこはちょっと疑っていました。というのも、韓国映画の海外での興行成績は突出していいわけでもないでしょう?「認められているというわりに、みんななんで韓国映画を見ないんだろう」と思っていました(笑)。でも、実際に海外で関係者の方々が「韓国映画はいいですね」と言ってくださるのを聞くと「あ、僕たちはいま、上手にしっかりとやれているんだな」という気持ちになりますね。

――そんな韓国映画のパワーの源は何でしょう?

カン・ドンウォン:1本の映画を撮るために、関わった全員が、使命感と自負心をもって一生懸命やっているからだと思います。映画作りは本当に大変な作業が多いんですよ。韓国映画が目指すのは、どちらかというと、ハリウッド映画的な、ブロックバスター的な超大作ですが、それは観客の皆さんがそういった作品を好むからですよね。その場合、それなりの絵を撮るためには犠牲がともなう。でも、みんながそれを楽しんでやっている部分があると思います。少しでもいいものを作るためには、何らかの犠牲は当然。だから自分たちが頑張ろう! という基本的な思いがあるんですね。それが韓国映画の大きな力になっているのだと思います。
 

「楽しいことがたくさんあって、つねに刺激を受けている状態」

――先ほどからお話を聞いていると、ドンウォンさんもキム刑事に負けない熱血漢のようですが、仕事観を教えてください。

カン・ドンウォン:僕自身も徹底して正義感にあふれている人間だと自分で思っています。今回のキム刑事は、ただひたすら正義のために仕事していますよね。プライベートな側面がまったく映し出されていません。それで魅力的な人物だといえるのかな? と聞かれたこともありましたが「正義のために尽くすのも、ひとつの大きな魅力といえるでしょう」と答えました。僕もキム刑事と似ていますが、仕事の分野が違うので、僕は俳優としてできることを探しているところです。

――最近、次々と意欲的に仕事をしていらっしゃいますね。

カン・ドンウォン:はい、どんどん楽しくなってきています。まわりに楽しいことがたくさんあって、退屈している暇がないんです(笑)。ちょっと停滞しそうになると、またいろんなお話が舞い込んで来たり、つねに刺激を受けている状態です、楽しいです。

――では、結婚観についてはどうでしょうか?

カン・ドンウォン:僕は自分が結婚できるかわからないんです、性格的に。実は子供のころから両親には「僕は結婚しないよ~」と言っていたんですが、「大きくなったらどうなるかわからないよ」と言われていました。で、いまだにこの問題はわからないです(笑)。
 

「誰よりも得意なものは検索…自分のことも検索します(笑)」

――今回は捜査のマスターという役柄でしたが、ご自身で自分を○○マスターというのなら、何になりますか?

カン・ドンウォン:う~ん。むずかしい質問ですね。趣味にしても仕事にしてもいろいろやってはいますが、全部合わせても、自分で何マスターです、といえるものはないですね…。強いていえば映画なんですが、自分から映画マスターとは、まだいえないです。どういえばいいかな。僕が誰よりも得意なものがあるとしたら、インターネットの検索くらいですかね(爆笑)。それに関しては、周りからしつこいほどやるやつだと言われています。画家などが、本名とは別につける雅号ってあるじゃないですか。僕の雅号は“ダパ”というんですが、ダパには“すべて漁る”という意味があるんです。そういう雅号を周りの人からもらうくらいなんです。ほかのことに関しては自信がないんですが(笑)

――インテリアが趣味とお聞きしていますが。

カン・ドンウォン:趣味ではやってますが、マスターとまではいかない気がします。僕自身が建築ができるわけではないし。家具は作るけど、もっと上手な人はたくさんいますしね。ジョージ・ナカシマさんクラスにならないと、マスターとは言えないんじゃないかな。

――ご自分のことも検索されるのでしょうか?

カン・ドンウォン:自分のことも検索しますよ(笑)。でも、それは仕事でもあると思っています。いま、周りの皆さんが、僕のことをどんなふうに思っているのかを知ることも大切なことなので。もちろん、それが全部ではないですけどね。よくないものを見つけて、元気を出したりもしますよ(笑)「いまに見返してやる~~」という気持ちになることもあります(笑)。

――今日はありがとうございました!

カン・ドンウォン:お疲れさまでした。ありがとうございま~す。また!(すべて日本語で)

ライター:望月美寿

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■公開情報
「MASTER/マスター」
11月10日(金) よりTOHOシネマズ新宿ほか全国ロードショー

出演:イ・ビョンホン、カン・ドンウォン、キム・ウビン ほか
監督・脚本:チョ・ウィソク

2016年/韓国/143分/カラー/スコープサイズ/5,1chデジタル
字幕翻訳:根本理恵
英題:「MASTER」
配給:ツイン
(C) 2016 CJ E&M CORPORATION, ZIP CINEMA. ALL RIGHTS RESERVED

「MASTER/マスター」公式HP:http://master-movie.jp/

【LINE LIVE見逃し配信中!】
韓国トップ俳優カン・ドンウォンの舞台挨拶&SPトーク生配信
配信日時:2017年11月6日(月) 17:45~
配信URL:https://live.line.me/channels/260601/broadcast/5999047
※2017年12月6日(水) 23:59 まで限定公開

元記事配信日時 : 
記者 : 
Kstyle編集部
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