「七日の王妃」イ・ドンゴン“今回だけはイタズラをしている余裕はなかった(笑)”
※このインタビューにはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
パク・ミニョン×ヨン・ウジン×イ・ドンゴンの3大スター豪華共演で話題となった、2018年No.1王宮ロマンス大作「七日の王妃」DVD-SET1が好評リリース中! 8月2日(木)には待望のDVD-SET2がリリースされる。
日本にも多くのファンを持つイ・ドンゴンは本作で、“稀代の暴君”燕山君=イ・ユンを熱演。初の本格派時代劇と悪役への挑戦で、狂気の裏に孤独を抱えた王を演じ上げ、2017年 KBS演技大賞優秀賞を獲得した。
今回、DVDリリースを記念してイ・ドンゴンのインタビューが到着! 自身のキャラクターの魅力や共演者の印象について、日本ファンへのメッセージまでたっぷりと語ってくれた。
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イ・ドンゴン:今回僕が演じた燕山君イ・ユンという役は、僕がこれまで演じてきたタイプの役ではなかったんです。だから好奇心が湧いたし、興味深く感じましたね。でも配役を僕に決めた理由が気になったので、イ・ジョンソプ監督にお会いしました。そして監督と話をして出演を決心しました。新たな僕を引き出したいという監督の期待と欲求を感じ取ることができましたから。それで監督を信じ、新たな役に挑戦しようと決めたんです。
――デビューして19年ですが今作が初の時代劇ですね。初めて時代劇に出演した感想は?
イ・ドンゴン:今まで時代劇には、これと言って興味がありませんでした。だから僕には時代劇についての常識がないんです。でも時代劇もドラマには変わりないので、大差はないはずだ。現代劇と違うのは衣装やメイクぐらいで、あとは一緒だと思っていました。ですが、いざ出演をしてみて大違いだと言うことに気付いたんです。時代劇に出演してきた先輩俳優たちの苦労が分かりましたね。特に撮影時期が夏だったので大変でした。時代劇はひげもつけるしカツラもつける、衣装も重い。体力的にもつらいことが分かりましたね。
――時代劇の魅力はどこにあると思いますか?
イ・ドンゴン:撮影して最初に感じたのが、集中度が違うということですね。現代劇の場合は日常的な環境で撮影が行われます。普段自分の行きそうなカフェ、レストラン、ストリート、そんなところで撮影することが多いですね。それでどうしても撮影していくうちに、カメラの前にいるのが演じているキャラクターなのか、自分自身なのか、混乱することがあります。でも時代劇の場合は現代とかけ離れた環境で撮ります。現代の人物や建物が映ってはいけないですからね。だから自然と自分を時代劇の世界に閉じ込める形になります。それからメイクも独特で衣装も着たことのないものばかり。環境が違うだけで、おのずと役柄や状況に入り込めるんです。完璧に環境を作って撮影するので、現代劇よりもはるかに集中できましたね。
――今作で演じられた燕山君イ・ユンは、よく知られた実在の人物です。演じるにあたってプレッシャーはなかったですか?
イ・ドンゴン:燕山君は何度もドラマで扱われてきた人物です。それが一番のプレッシャーでした。このドラマが放送される1、2週前にも、燕山君を扱った作品が好評のうちに放送を終了しました。実は僕の親友が燕山君を演じてたんですよ※。なので重圧はありましたね。僕ならではの燕山君にしないと意味がないと思いました。だけど僕の中で、気負って意識して演じなくてもいいんだという確信がありました。それは僕なりの個性というものがあるからです。個性を生かして燕山君を演じれば、おのずと既存の燕山君とは異なるはずだと。だから燕山君に関する作品は1つも観ませんでした。まったく別の人物にしたかったからです。常識で知っている程度の知識で撮影に臨みました。「歴史上、最も残忍で極悪な暴君」、その程度の知識です。あとは台本に頼ってましたね。それと監督の演出力、そして僕の個性。これだけを基に新たな燕山君を作り出しました。
※2017年「逆賊‐民の英雄ホン・ギルドン」で燕山君を演じたキム・ジソク。
「これまでのイメージと真逆の役柄は快感だった」
――監督や脚本家から何かアドバイスはありましたか?イ・ドンゴン:もちろん。まず撮影前に監督と2回も台本の読み合わせをしました。その時、監督に言われたのは「好きなように演じろ」ということでした。これは最近のドラマ業界ではほとんど聞かれない言葉です。韓国ドラマは常に時間との戦いで、厳しい環境でも最善の演技を求められます。見方によっては劣悪な作業環境だと言えますね。例えば大幅に内容をカットしたり、スケジュールに合わせて、カメラアングルに合わせて演じるように言われるのが普通です。でも監督は僕に「好きなように演じろ」と言う。その言葉が、これまでの僕の芝居の枠を破るきっかけになりましたね。自由に動いて叫んで好きに演じても、すべて受け止めてやるというのが彼の演出方針でした。監督のおかげで、まず台本を読んだ時に何を想像するかから変わりました。今までは「カメラの位置がここだから」「動いたらフレームから外れる」など、長く俳優をやってきたので悪い習慣が身についていました。そんな僕に監督は、枠を破って自由に芝居していいんだと教えてくれたんです。監督の気遣いと信頼が、僕には大きな力になりましたね。脚本家の先生はひと言、「イ・ユンは火だ」とおっしゃいました。それからイ・ユンのライバルであるイ・ヨクは水だと。「火と水の戦い」です。
――その他にも印象的なアドバイスはありましたか?
イ・ドンゴン:あとは……短すぎるアドバイスなので、うまくここでは説明できません。でも、ひと言「火」だと言われたことで、イ・ユンを演じる道しるべができました。じっと動かない演技でも、火を感じさせる芝居を心がけましたね。先生のアドバイスも大きな助けになりました。
――これまでのドンゴンさんのイメージとは真逆の役柄でしたが、不安はなかったですか?
イ・ドンゴン:不安はまったくなく、逆に快感でした。ドラマの撮影が進みセリフを言うたびに、この19年間やってきたものとは違う俳優に自分がなっていくのが分かりました。僕自身が表現方法を1つずつ変えていったからです。ゾクゾクしました。これまでやってきた芝居とは、まったく違う芝居ですからね。もちろん、1話と2話の放送を控えた2日間ほどは、僕の芝居を観る視聴者の反応が怖かったですよ。どう感じてもらえるかわからないですから。でもカメラの前で演じている時は、幸せを感じていました。
――燕山君を演じるにあたり、最も気を使った点は?
イ・ドンゴン:個人的な感想ですが、僕が感じた燕山君イ・ユンは、心や社会生活に問題を抱えており、深刻な心的ストレス障害(PTSD)を患っていると思いました。それが燕山君を演じてみて僕の下した診断です。そのことを念頭に置いて芝居をしました。彼は他人のことは眼中にないし誰にも心を開かない。そして自分の行動に一切迷いがないんです。燕山君はそういう男なので、先ほどの診断を下したわけです。平気で人殺しもするし、また信頼している忠臣に、自分が信頼していることを絶対に悟られまいとする。第1話から、そういう点に気を使って演じました。ですので、共演した先輩たちは戸惑っているようでした。芝居をしていると、先輩が、「今、燕山君は怒っているのか?」と聞くんです。僕は「いいえ。彼はいつもこんな感じだと思います」と答えました。いわゆる常に不機嫌な状態です。親しげで優しい雰囲気のほうがよさそうなシーンでも、僕のイメージする燕山君には、それはあり得ないと思いました。彼はいつも不安を感じ、気が立っていたからです。
――誰にも愛されない悪役を演じるのは、精神的に大変だったと思います。今回の撮影で、つらかったことは何ですか?
イ・ドンゴン:この作品は、いいシーンがとても多かったと思います。特にイ・ユンについていえば、脚本家の先生に神が降りたのかと思うほど、いいシーンがありました。燕山君イ・ユンのキャラを最大限に生かしたシーンばかりでしたね。その素晴らしい脚本を、いかに100パーセント表現するかにストレスを感じていたとも言えます。例えば、怒り狂うシーンがある。これをどう表現しようか、悩みます。己の境遇を嘆き悲しむシーン、無実の人を殺すシーン、これらをどう表現しようか。本当に頭を悩ませるシーンが多かったですね。すばらしい台本をどう消化するかが課題であり、自分の芝居に多少なりとも満足できた時は、やりがいを感じたし、快感を覚えました。でもそれを準備する過程はつらくて、ストレスでした。
――ドンゴンさんの中で一番記憶に残っているシーンは?
イ・ドンゴン:まずは、序盤にあった大人の僕と子役たちとのシーンですね。あれは燕山君がどんな人間なのか、よく分かるシーンでした。親友と遊んでいるヨクに突然、「馬に乗って自分より先に王宮へ到着しないと皆を殺す」と言います。また、そのシーンにはこんなセリフもありました。「余が怖くないのか」。つまり、皆が自分を恐れるべきだし恐れない人間はあり得ないと。「余が怖くないのか」は予告で何度も流れました。あれは燕山君を表すセリフだったと言えますね。僕が思うに、あのひと言は燕山君そのものだと思います。それ以外は衝撃的なシーンばかりなので……。一番好きなシーンでよければ、チャン・ノクスが死ぬ場面ですね。歴史書には、チャン・ノクスという女性は燕山君を意のままに操っていたと記されています。しかし「七日の王妃」のノクスは燕山君を恐れてはいるけれども、燕山君にとってはただ一人の話し友達だったと思うんです。ノクスとの関係は、最初からそう設定して始めたわけではありません。台本を見ると、僕(燕山君)はいつも1人で悩み悲しんでいます。その心に思うことを話せる相手は彼女しかいませんでした。だから撮影が進むうちに、ノクスは燕山君の唯一の話し友達だと、僕にはそう思えたんです。だけど彼女に感謝を示すシーンはありませんでしたね。いつも冷たくし、道具としか見ていなかった。
「パク・ミニョンさんは本当に強い人」
――衝撃的なシーンが多いと話されましたが具体的には?イ・ドンゴン:僕が衝撃を受けたのが、ノクスが死ぬシーンです。燕山君の廃位が決定的となった時、臣下は皆裏切るのに、ノクスだけは戻ってくるんです。「燕山君が王でない世の中で、私は生きたくありません」。そう言って自ら死を選ぶシーンを台本で読んだ時は、本当に感動しました。だからそのシーンを、必ず美しいものにしようと心に決めたんです。ノクスが死ぬシーンが後半の中では一番記憶に残る、僕にとって大切な場面でしたね。
――燕山君にとって、チェギョンとはどんな存在ですか?
イ・ドンゴン:チェギョンは、燕山君が受け入れたり心を開いたりしたのではなく、自然と彼女のほうから燕山君の心に入り込んできました。皆が恐れている極悪な彼の心に自然と入り込めた唯一の人物です。チェギョンは家族であり友であり、最終的には燕山君も女性として見ていたと思います。ドラマでも描かれていますが、運命的に出会い、思いもよらず心の奥深くまで彼女が入り込んできた。燕山君はチェギョンにおぼれたとも言えますね。それが愛だったのか、それとも別の何かだったのかは分かりません。でもとても大事な存在だし、彼の心の奥深くまで入り込んでいたのは間違いない。演じていて「これは愛だ」と確信したのではなく、「愛かもしれない」、あるいは「別の何か」かもしれないと……。愛を表現するシーンはなかったですね。2人の関係においても、イ・ユンは最後までイ・ユンでした。つまり、「自分が欲する女性は、すべて自分のものでなければならない」。それ以外は重要ではないと考えていたと思います。しかし、唯一思いどおりにならないのがチェギョンだった。だから余計に執着したのでしょう。何が何でもチェギョンを手に入れたいと。
――チェギョンを演じたパク・ミニョンさんとの共演はいかがでしたか?
イ・ドンゴン:チェギョンとイ・ユンは、最初から出会うべくして出会ったと思いますね。子供時代のチェギョンとの出会いは、見方によっては突飛すぎるかもしれない。その後、大人になったチェギョンとの再会も、出し抜けだったと言えます。思いがけない設定でしたから。でも、チェギョンが自然にイ・ユンの心に入り込んだように、突然の再会という設定も、撮影していてまったく違和感はありませんでした。それはミニョンさんの演技力のおかげだと思います。彼女とのシーンは演じやすかったですね。いつも思ってました。彼女はタフな女優さんです。体力的にきつい状況なのに、それを表に出さない女優は初めてじゃないかと思うほどでした。「少し眠った?」と聞いたら、「3日寝てませんね」と、それが当たり前のことのように平然と言ってのけるんです。本当に強い人ですよ。彼女が現場にいるだけで、みんなが元気になりますね。
――ドンゴンさんが感じた燕山君の魅力とは何でしょうか?
イ・ドンゴン:僕が何を感じたかは重要じゃないと思いますよ。魅力的に描かなければ、彼は皆が知っているただの暴君でしかありません。「美化しすぎだ」「史実を歪曲している」と、そういう意見があったのは確かです。だけど僕は、それは褒め言葉だと思っています。それにドラマではそもそも、燕山君を美化なんてしていません。むしろ史実より残忍で極悪、邪悪な男、それが「七日の王妃」の燕山君です。本当に極端ともいえる悪役ですよね。「美化しすぎだ」と言われるのは、魅力的に演じることができた証拠、燕山君の存在意義を表現できた証拠だと思います。だから褒め言葉だととらえているんです。
「今回だけは、イタズラする余裕はありませんでした」
――馬に乗ったり剣術を披露したりと、体を張ったアクションシーンもたくさんありました。準備期間はどのくらいありましたか?イ・ドンゴン:今作は準備期間が本当に短くて。だから武術の練習は一度もできませんでした。時代劇は初出演だったので剣術も初めて。あと乗馬も人生で初めてでしたね。乗馬は撮影が始まる前に2回ほど練習する機会がありました。今回は本当に準備に余裕がありませんでしたね。そんな中で滞りなく撮影できたのは、監督のおかげです。アクションがあるシーンは体が覚えるまでちゃんと時間をくださったんですよ。そのせいでスタッフは徹夜続きになってしまいました。でも監督はせきたてることもなく、できるまで待ってくれましたね。あと、こんなに素晴らしい、美しいアクションシーンに仕上がったのは、武術チームのおかげです。僕はあまり怖がる方じゃないので、乗馬も平気でした。練習の時にはただ乗るだけで、一度も馬を走らせることなく撮影に入ったんです。撮影で初めて馬を駆ったら走ってくれました(笑)。馬に指示を出せば馬は言うことを聞いてくれたし、僕もうまく適応できたと思います。もし恐怖を感じて危ないと思っていたら、事故が起きて撮影ができなかったでしょうね。とにかく何事もなく無事に撮影を終えられたのは幸いでした。
――イ・ヨク役を演じたヨン・ウジンさんとの共演はどうでしたか?
イ・ドンゴン:ウジンさんとはいろんな話をしました。そばで彼を見ていて思ったのが、本当に純粋な人なんだなということでした。すごく純粋で、共演者の芝居にも柔軟に対応できる。純粋だけど情熱的な人です。僕たちのように、お互い対立する役を演じる場合、争うシーンが多いのでセリフ回しもきつくなる。それでお互いにピリピリし始めると、すごく気まずくなります。そのせいでいいシーンが撮れないこともあります。だけどウジンさんとはお互いに芝居がやりやすいように気遣うことができたと、そう思ってます。それだけウジンさんが気遣ってくれたおかげですね。劇中でもそうでしたが、敵対すべき相手であるのに愛情を傾けてしまう。そんな存在でした。一緒のシーンがある時は気分がよくなるし、彼の芝居が楽しみでした。
――ドンゴンさんはイタズラ好きだとか。今回の現場でもイタズラを?
イ・ドンゴン:今回だけは、イタズラをしている余裕はありませんでした。ええ、まったく(笑)。目の前のことに必死でした。大変な役だったので余裕がなかったんですね。
――ウジンさん、ミニョンさん、ドンゴンさんの中で、役の性格と一番似ていたのは?
イ・ドンゴン:3人とも過激なキャラなので答えにくいですね。まず僕は違います。僕はサイコパスじゃないから(笑)。最も近い人はウジンさんかな。幼い頃のヨクは天真爛漫でとても明るい子です。純粋だけど意志が強い面があるので、ウジンさんと似ているかと思いますね。
――残忍なシーンの撮影では、現場で何かエピソードはありますか?
イ・ドンゴン:拷問シーンや人を殺すシーンは本当に楽しかったですよ(笑)。それが芝居にも出ていたと思います。残忍なシーンを撮る時、普通ならためらうはずですよね。でも僕は楽しんだ。こうすればもっと残忍になり、こうすればもっと怖く見えるはずだと、いつもこんなことばかり考えていました。台本に単に「刺す」と書いてあったら、深く刺してみたり、「軽くたたく」だったら強くたたいたり。燕山君の残忍さを見せるために、常に頭を悩ませていました。エピソードといえば、先王だった父親の幻覚と間違えて、内官を刺してしまうシーンがありました。台本には「間違えて刺したことにショックを受ける」と書かれています。でも僕は笑ったんです。監督はショックを受けたようでした。そこで僕が、「違う人が死んでるって笑えませんか?」と言うと、驚いた監督はひと言「そ、そうか……」と(笑)。それで笑っている場面が長めに編集されていました。僕も監督も残忍なシーンを楽しんで撮っていたようです。
――ほとんどNGが出ない現場だったと聞いています。現場の雰囲気はどうでしたか?
イ・ドンゴン:ほぼNGが出なかったのは、イ監督が徹底的にリハーサルをするスタイルだったからです。NGになりそうな場面はリハーサルで解決していました。動線や感情表現など何度もリハーサルで確認してから本番に入っていたので、NGは当然少なくなります。例えば、走り出すシーンの時に、足元に物が落ちていて危ないなんてことは、絶対にありませんでした。監督は演出家として完璧な人だなと思いましたね。だからこの作品には、笑えるNGシーンというのが、残念ながら無いんです。現場の雰囲気はというと、僕はこう思いました。「全員がプロフェッショナルだった」「ふざけて騒ぎ立てる雰囲気は微塵もなかった」。僕はこんな現場にいられて幸福でした。全員が集中していてNGを出すまいと努力したから、いいシーンが撮れたんだと思います。
――「七日の王妃」でドンゴンさんが演じた燕山君と、これまで演じられた燕山君とは、何が違うのでしょう?
イ・ドンゴン:さきほども言いましたが、僕は他の人が演じた燕山君を見ていないので、何が違うのかは分からないんです。しかし、燕山君が歴史上最悪の暴君になったのには、必ず理由があったはずだと思いました。そこに焦点を置いたんです。だから極悪で暴政を敷いた彼の悲しみと苦しみ、独りで思い悩む燕山君、そういう姿をしっかり表現しようと努力しました。なので「なぜ彼が暴君となりイカれた行動をしたのか理解できた」「極悪な奴だけど胸が痛む」。僕の燕山君を観てそう思ってもらえればいいなと思います。
――撮影中、ドンゴンさんを癒やしてくれたものは何でしたか?
イ・ドンゴン:当然ですが、我が家と妻に癒やされていた気がします。この作品は、僕が妻という存在を得て初めて演じるものでした。僕は家を一歩出た瞬間から、歴史上最も極悪な男を演じなければなりませんでした。だから、撮影が始まる前に自分自身に約束したんです。燕山君の感情を絶対に家には持ち込まないと。自分では約束を守れたと思ってます。家で僕の帰りを待ち、僕を応援してくれた妻が、僕を癒やしてくれました。あと、彼女の反応が一番気になっていました。「僕の燕山君をどう見ただろうか」と。彼女の応援のおかげで頑張れたと思います。彼女から送られてくる励ましのメールと、彼女の「お疲れさま」のひと言で元気になれました。
――もし今回の作品で、燕山君ではなく別の役を演じられるとしたら、誰を選びますか?
イ・ドンゴン:序盤ですごく心惹かれた役が、王の護衛官のギリョンでした。いつもそばで僕を守ってくれる役ですね。そして、いつも僕の代わりに何かをやったり、僕の身代わりとしてやられているギリョンの役に、とても愛着が湧きました。だからギリョンを演じたユ・ミンギュさんとも親しくなったんです。なので次に時代劇に出演するなら、護衛官がいいと思っています。今回は守ってもらう立場だったので、次は僕が誰かを守ってあげるんです。「次は護衛官がいい」とミンギュさんにも言いました。
「『七日の王妃』は本当に壮絶で強烈なドラマ」
――本作品のタイトルでもある「7日」がもし与えられたとしたら、何をしますか?イ・ドンゴン:撮影が終わって、僕は7日以上の時間をすでにもらいました。撮影が終わったら旅行をしたいと思ってましたね。日常から離れることで自分自身に戻れますし、それが休息にも充電にもなる。なので約1週間ほど、妻と一緒に旅行へ行きました。撮影しながら考えていた7日間の休暇は、妻との旅行でした。
――燕山君を演じられて、何か学んだことはありましたか?
イ・ドンゴン:悪役であろうと、時代劇であろうと、僕が演じたらどうなるのか。これまでは想像もできない未知の領域でしたが、今回の作品への出演で自信がつきました。これからは時代劇であれ悪役であれ、オファーがあれば自信を持って演じられると思います。むしろ積極的に演じていきたいですね。未知の世界をのぞいてきたような、そんな気分です。いい経験だったと思いますね。
――日本のみなさんへメッセージをお願いします。
イ・ドンゴン:「月桂樹洋服店の紳士たち」を終えたすぐあとに、「七日の王妃」でみなさんにお会いできて、本当にうれしいです。今回は時代劇です。韓国ドラマを観てくださっている日本のみなさんには、時代劇はなじみのあるジャンルだと思います。しかし見方によっては、本作品は他の時代劇とは違うトーンを持っているかもしれません。あの時代の美しい色や風景、そして恋愛模様が描かれている点では同じです。しかし、「七日の王妃」は本当に壮絶であり、衝撃的で強烈なドラマだと思っています。俳優たちはこれまで以上に、感情も愛情もすべてを出しきって演じました。なので、これまで韓国ドラマの時代劇をよく観ていた方でも、新たな魅力を感じていただけると思います。「七日の王妃、」をぜひ観てください。これからも応援をお願いします。
■「七日の王妃」リリース情報
●DVD-SET1 好評リリース中
¥19,000+税 レンタルDVD Vol.1~8 好評レンタル中
●DVD-SET2 8月2日(木)リリース
¥19,000+税 レンタルDVD Vol.9~16 同時リリース
Blu-ray・DVD リリース日よりU-NEXT にて独占先行配信開始
https://bit.ly/2t44ivE
発売・販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント
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- Kstyle編集部
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