「ザ・コール」チョン・ジョンソ、撮影秘話やパク・シネに言及“ここまで喜んでもらえるとは思わなかった”
「すべてをつぎ込んだので、後悔はありません」
イ・チャンドン監督の映画「バーニング」(2018)で、霧の中ににいるように曖昧で不思議な女性ヘミ役で華やかにデビューしたチョン・ジョンソ。2作目となる「ザ・コール」では、極悪非道なキャラクターを演じて存在感を見せつけた。
映画「ザ・コール」(監督:イ・チュンヒョン)に出演したチョン・ジョンソは最近、オンラインで行われたインタビューを通じて、Netflixで映画が公開された感想などを伝えた。
11月27日に公開された映画「ザ・コール」は、一通の電話でつながった異なる時間帯の2人の女性が、お互いの運命を変えながら始まる狂気に満ちた執着を描いたミステリースリラーだ。
チョン・ジョンソが「ザ・コール」で務めたヨンスクは、偶然の電話1本で20年後の同じ家に住んでいるソヨン(パク・シネ)とつながり、予見されている自分の未来を変えようとする人物だ。ソヨンとの通話で自分の惨めな未来を知ったヨンスクは、映画を通して狂気を爆発させる。
「ザ・コール」は当初2020年3月に韓国の劇場で上映する予定だったが、新型コロナウイルスのためNetflixでの公開となった。インタビューを通じてチョン・ジョンソは、「映画の撮影を終えて、公開を楽しみにしていた時点でNetflixで公開されるという話を聞きました。私はNetflixを愛しています。見ていないコンテンツがないほどです。多くの方々が気軽に『ザ・コール』に接する機会があると思って嬉しかったです」と話した。
公開の後、チョン・ジョンソの熱演に対する好評が殺到した。「ここまで喜んでもらえるとは思わなかった」というチョン・ジョンソは、「映画が作られる上で、俳優よりも多くの努力をしてくださった方々をたくさん思い出しました。撮影チーム、衣装チーム、扮装チーム、制作会社、プロデューサーさんなど、現場の雰囲気が本当によかったです。エネルギッシュな状態で撮影に臨むことができるように環境を整えてくださった方々の顔をたくさん思い出しました」と伝えた。
話題作「バーニング」の次作として「ザ・コール」を選択したことについてチョン・ジョンソは、「シナリオのためです。設計が練り込まれているというか。過去と現在を行ったり来たりするのが、スピーディーに行われています。シナリオを読んだだけなのに、まるで映画を見たような気分でした。また、ヨンスクという役は、演技をしながら必ずやってみたかった役の1つだったので、出演することになりました」と明らかにした。
チョン・ジョンソは、ヨンスクについて「悪役だと思いませんでした。むしろアイコンのように作ることができると思いました。映画の中で、“善良な役”と“悪い役”に分けられると思われますが、すべてキャラクターであって、悪役だとか、善役だとか言い切れないと思います」と、自身の考えを打ち明けた。また、「次の瞬間を考えないキャラクターのように思っていましたが、躍動感が加えられたようです。多くのことをつぎ込んだので、後悔はありません」とし、満足感を表した。
ヨンスクは反社会的な人格を持つ殺人鬼だ。「ヨンスクはこのような人物であると定義しませんでした」と繰り返して言うチョン・ジョンソは、「ヨンスクそのものに人間的にアプローチしようとしました。キャラクターを演技するためには自分で納得しなければなりません。(ヨンスクが)どう見てもとんでもない行動をしていると思うのが当然ですが、演技をしている自分はヨンスクをそのように考えてはいけませんでした。状況や行動に対する妥当性を探したし、そうしなければ見る方々を説得できないと思いました」と説明した。
「撮影を始める前に台本を“掘り下げた”」と表現した彼女は、「1ページから最後まで、監督と一日中話しました。意見を合わせて、イメージを作っておいて、撮影に入りました。毎回、シーンに対するシミュレーションを終えてから撮影に臨みました。だから今日は自分がどのような撮影をするかだけ考えればよかったんです」と話した。
ヨンスクは90年代を生きる人物だ。過去のファッションに対しては、「自分の体の2倍ほどある古いズボンを穿いたんですが、衣装が与える影響が大きかったと思います。歩き方も変わりました」と話した。また、荒れた肌の表現についても、「元々頬が赤い方ですし、それをそのまま活かそうとしました。そばかすを入れようというアイディアも出て、毎朝扮装もしました。そのようにして完成したヨンスクを鏡で見ると、自分でも見慣れないほど別人のように見えました。おかげでそれに合う表情を作ることができました」と伝えた。
ヨンスクはまた、ソ・テジの熱狂的ファンという設定だ。実際にソ・テジの曲を「欠かさず全部聴いた」というチョン・ジョンソは、「全ての曲の歌詞にストーリーがあったんです。最近の曲にはそのようなものが無いように思います。ソ・テジのすべての歌には感動もあり、ストーリーもありました。まるで作品のようでした。そこから多くのインスピレーションを受けました」と話した。劇中で「Ultramania」が最も多く登場する。チョン・ジョンソは、「歌詞を何度も噛み締めました。誰でもソ・テジの歌を聴いたら、胸が高ぶるんじゃないでしょうか? 眠っている人を起こすような雰囲気に頼りました」と付け加えた。
ソヨン役を務めたパク・シネとは、2人がまるで1つになったようにお互いのエネルギーを合わせなければならなかったという。
チョン・ジョンソは「まだ経験が多くないせいか、パク・シネ先輩が持っている安定感や重量感は真似できない部分でした。それがこの映画で抜けていたら、ストーリーそのものがやや軽くなりがちで危なかったと思います」とし、感謝の気持ちを伝えた。
また、「ヨンスクが無差別的な攻撃をするため、パク・シネ先輩も精神的に大変だったと思います。しかし、演技的には全然出ていないと私は感じました。言い換えれば、最後まで重心を取ってくださったということですが、だからこそヨンスクも一定の速度で進むことができました。パク・シネ先輩から安定性を習いました。自分にもそのような演技的な重量感が出てきてほしいと思います」と話した。
一方、2018年「バーニング」の公開後に徹底的にモニターを行ったというチョン・ジョンソは、「『バーニング』が公開されて、ゆっくりとモニターをしました。レビューやコメントを参考にしながら演技的に発展できる部分を考えました。もう少し補完して成熟した姿を『ザ・コール』を通じてお見せしたいと思いました」と話した。また、「バーニング」を通して習ったことが多いとし、「モニターをする時に、イ・チャンドン監督をたくさん思い出した」と語った。
また、「『バーニング』も『ザ・コール』も、エネルギーをたくさん注ぎ込んだ作品です。キャラクターが強いと思うかもしれませんが、私は全然そのようには思っていません。これから挑戦したいこと、お見せしたい姿がもっとたくさんあります。エネルギーを充電して、新しい姿をお見せしたいです」と話した。
彼女はまた「演技が本当に面白いです。映画と演技を愛しています。これからどんな映画を撮っても、このような気持ちや態度は変わらないと思います」と強調した。
イ・チャンドン監督の映画「バーニング」(2018)で、霧の中ににいるように曖昧で不思議な女性ヘミ役で華やかにデビューしたチョン・ジョンソ。2作目となる「ザ・コール」では、極悪非道なキャラクターを演じて存在感を見せつけた。
映画「ザ・コール」(監督:イ・チュンヒョン)に出演したチョン・ジョンソは最近、オンラインで行われたインタビューを通じて、Netflixで映画が公開された感想などを伝えた。
11月27日に公開された映画「ザ・コール」は、一通の電話でつながった異なる時間帯の2人の女性が、お互いの運命を変えながら始まる狂気に満ちた執着を描いたミステリースリラーだ。
チョン・ジョンソが「ザ・コール」で務めたヨンスクは、偶然の電話1本で20年後の同じ家に住んでいるソヨン(パク・シネ)とつながり、予見されている自分の未来を変えようとする人物だ。ソヨンとの通話で自分の惨めな未来を知ったヨンスクは、映画を通して狂気を爆発させる。
「ザ・コール」は当初2020年3月に韓国の劇場で上映する予定だったが、新型コロナウイルスのためNetflixでの公開となった。インタビューを通じてチョン・ジョンソは、「映画の撮影を終えて、公開を楽しみにしていた時点でNetflixで公開されるという話を聞きました。私はNetflixを愛しています。見ていないコンテンツがないほどです。多くの方々が気軽に『ザ・コール』に接する機会があると思って嬉しかったです」と話した。
公開の後、チョン・ジョンソの熱演に対する好評が殺到した。「ここまで喜んでもらえるとは思わなかった」というチョン・ジョンソは、「映画が作られる上で、俳優よりも多くの努力をしてくださった方々をたくさん思い出しました。撮影チーム、衣装チーム、扮装チーム、制作会社、プロデューサーさんなど、現場の雰囲気が本当によかったです。エネルギッシュな状態で撮影に臨むことができるように環境を整えてくださった方々の顔をたくさん思い出しました」と伝えた。
話題作「バーニング」の次作として「ザ・コール」を選択したことについてチョン・ジョンソは、「シナリオのためです。設計が練り込まれているというか。過去と現在を行ったり来たりするのが、スピーディーに行われています。シナリオを読んだだけなのに、まるで映画を見たような気分でした。また、ヨンスクという役は、演技をしながら必ずやってみたかった役の1つだったので、出演することになりました」と明らかにした。
チョン・ジョンソは、ヨンスクについて「悪役だと思いませんでした。むしろアイコンのように作ることができると思いました。映画の中で、“善良な役”と“悪い役”に分けられると思われますが、すべてキャラクターであって、悪役だとか、善役だとか言い切れないと思います」と、自身の考えを打ち明けた。また、「次の瞬間を考えないキャラクターのように思っていましたが、躍動感が加えられたようです。多くのことをつぎ込んだので、後悔はありません」とし、満足感を表した。
ヨンスクは反社会的な人格を持つ殺人鬼だ。「ヨンスクはこのような人物であると定義しませんでした」と繰り返して言うチョン・ジョンソは、「ヨンスクそのものに人間的にアプローチしようとしました。キャラクターを演技するためには自分で納得しなければなりません。(ヨンスクが)どう見てもとんでもない行動をしていると思うのが当然ですが、演技をしている自分はヨンスクをそのように考えてはいけませんでした。状況や行動に対する妥当性を探したし、そうしなければ見る方々を説得できないと思いました」と説明した。
「撮影を始める前に台本を“掘り下げた”」と表現した彼女は、「1ページから最後まで、監督と一日中話しました。意見を合わせて、イメージを作っておいて、撮影に入りました。毎回、シーンに対するシミュレーションを終えてから撮影に臨みました。だから今日は自分がどのような撮影をするかだけ考えればよかったんです」と話した。
ヨンスクは90年代を生きる人物だ。過去のファッションに対しては、「自分の体の2倍ほどある古いズボンを穿いたんですが、衣装が与える影響が大きかったと思います。歩き方も変わりました」と話した。また、荒れた肌の表現についても、「元々頬が赤い方ですし、それをそのまま活かそうとしました。そばかすを入れようというアイディアも出て、毎朝扮装もしました。そのようにして完成したヨンスクを鏡で見ると、自分でも見慣れないほど別人のように見えました。おかげでそれに合う表情を作ることができました」と伝えた。
ヨンスクはまた、ソ・テジの熱狂的ファンという設定だ。実際にソ・テジの曲を「欠かさず全部聴いた」というチョン・ジョンソは、「全ての曲の歌詞にストーリーがあったんです。最近の曲にはそのようなものが無いように思います。ソ・テジのすべての歌には感動もあり、ストーリーもありました。まるで作品のようでした。そこから多くのインスピレーションを受けました」と話した。劇中で「Ultramania」が最も多く登場する。チョン・ジョンソは、「歌詞を何度も噛み締めました。誰でもソ・テジの歌を聴いたら、胸が高ぶるんじゃないでしょうか? 眠っている人を起こすような雰囲気に頼りました」と付け加えた。
ソヨン役を務めたパク・シネとは、2人がまるで1つになったようにお互いのエネルギーを合わせなければならなかったという。
チョン・ジョンソは「まだ経験が多くないせいか、パク・シネ先輩が持っている安定感や重量感は真似できない部分でした。それがこの映画で抜けていたら、ストーリーそのものがやや軽くなりがちで危なかったと思います」とし、感謝の気持ちを伝えた。
また、「ヨンスクが無差別的な攻撃をするため、パク・シネ先輩も精神的に大変だったと思います。しかし、演技的には全然出ていないと私は感じました。言い換えれば、最後まで重心を取ってくださったということですが、だからこそヨンスクも一定の速度で進むことができました。パク・シネ先輩から安定性を習いました。自分にもそのような演技的な重量感が出てきてほしいと思います」と話した。
一方、2018年「バーニング」の公開後に徹底的にモニターを行ったというチョン・ジョンソは、「『バーニング』が公開されて、ゆっくりとモニターをしました。レビューやコメントを参考にしながら演技的に発展できる部分を考えました。もう少し補完して成熟した姿を『ザ・コール』を通じてお見せしたいと思いました」と話した。また、「バーニング」を通して習ったことが多いとし、「モニターをする時に、イ・チャンドン監督をたくさん思い出した」と語った。
また、「『バーニング』も『ザ・コール』も、エネルギーをたくさん注ぎ込んだ作品です。キャラクターが強いと思うかもしれませんが、私は全然そのようには思っていません。これから挑戦したいこと、お見せしたい姿がもっとたくさんあります。エネルギーを充電して、新しい姿をお見せしたいです」と話した。
彼女はまた「演技が本当に面白いです。映画と演技を愛しています。これからどんな映画を撮っても、このような気持ちや態度は変わらないと思います」と強調した。
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- ペ・ヒョジュ
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