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キム・ヒエからのメッセージに感激!中村優子&薬丸翔、映画「ユンヒへ」舞台挨拶に登場…現場で流行った韓国語は?

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「第24回釜山国際映画祭」のクロージングを飾り、2020年には韓国のアカデミー賞ともいえる「青龍映画賞」で最優秀監督賞と脚本賞をW受賞した話題の韓国映画「ユンヒへ」が、1月7日(金)よりシネマート新宿ほか全国で公開中だ。

本作は、韓国の地方都市で暮らすシングルマザーのユンヒが、長い間、連絡を絶っていた初恋の女性から一通の手紙を受け取ったことから始まるラブストーリー。1月8日(土)、日本人女性ジュンを演じた中村優子と、ジュンの親戚であるリュウスケを演じた薬丸翔が舞台挨拶を行った。

映画公開日となった1月7日は中村優子の誕生日。本作を「生涯の一本」と語り、これまで韓国におけるプロモーション活動に積極的に参加してきた中村優子が、日本の観客の前で本作について語るのはこれが初めて。また、この舞台挨拶のためにユンヒ役で共演した韓国のトップ俳優の一人であるキム・ヒエと、本作のイム・デヒョン監督からそれぞれビデオメッセージも寄せられた。

中村優子は、「本日は劇場まで『ユンヒへ』に会いにお越しくださり、本当にありがとうございます」とあいさつ。続けて、声を震わせながら「こうして、ようやくスクリーンを背にして観客の皆さんとお会いできる日を、ずっと待っていました。今こうしてやっと夢の時間にたどり着いて、蘇ってくるのは、撮影でのユンヒとの再会の場面です。あの時は、ジュンとしても役者としても待ち望んだ瞬間でした。同時に、その時間を少しでも長く留めていたくて、“わざとNG出そうかな”と脳裏をかすめたことを思い出しました。今日は時間を引き延ばすことはできないので、この景色を脳裏に焼き付けたいと思います」と想いを打ち明けた。薬丸翔は「今日はお越しいただきありがとうございます。撮影は3年前で、僕らの記憶も少し薄れるぐらいの時間が経ってしまいました。でも、追い風が吹くように一昨日初雪が降って、この映画にとってはいいスタートダッシュを切れる結果になり、感慨深いものがあります」とあいさつ。

本作に出演することになった経緯について、中村優子は「候補の段階で準備稿をいただいたんです。それを拝見してラブレターを読んだような気持ちになりました。こんなに誠実な眼差しの脚本って今まであっただろうか……と。人がその人らしく生きていくことに対する真摯な眼差しに胸を打たれて、私もラブレターの返事を出すように、いてもたってもいられなくて、“ぜひやらせてください、強い情熱を持って挑みたいです”とすぐにお返事させていただきました」と振り返る。薬丸翔は、「僕は撮影の直前にお話しをいただいたんですが、木野花さん(ジュンの伯母マサコ役)のマネージャーさんが、“いい人がいるよ”と僕を推薦してくれたんです。ここまで人と人との繋がりの中で仕事が決まったことが今までなかったので、すごく縁というものを感じました」と明かす。

劇中、親戚であるジュンとリュウスケは、ジュンの父が亡くなった葬式後に一緒にお墓に行った帰りのささいな会話からぎこちない雰囲気になってしまう。演じた役柄について、リュウスケを演じた薬丸翔は「リュウスケってすごく空気を読めないヤツだなぁ…と(笑)」と感じていたことを振り返る。一方、ジュンを演じた中村優子は「環境や経験ゆえに警戒心が強くて繊細で、孤独な人物であると。でも同時に弱い人間ではなく、すごく強く、自立した人間であってほしいと監督に言われていました」と振り返る。さらに「その自立した強さを持っているのが強く出てくるのは、リュウスケと対面した時に格段の違いを見せてほしいと言われていました(笑)」と明かす。

小樽でのロケを振り返り、中村優子は「生まれて初めてホワイトアウトを経験しました。そのお墓参りのシーンです」と振り返る。薬丸翔は、それを受けて「ロケバスで現場まで向かう時に、ホテルから向いの民家が見えないほどだったんです。こんなに雪が降ることってあるんだ…というぐらいでした」と振り返る。

韓国のスタッフと日本のスタッフが入り混じっての撮影となった。韓国の撮影スタイルの感想について、薬丸翔は、「一番驚いたのは、台本とは別に、絵コンテの本が配られたことです。最初から最後まで全部こういうカットで撮りますという、まさに絵コンテ本です。日本ではそんなことないし、絵コンテ自体俳優に渡されることがないのが主なので……」と振り返る。中村優子は「韓国と日本それぞれのスタッフさんたちが、それぞれ逆の言葉を使うのが流行ったんです。日本側で流行ったのは、監督の“ハンボンド(日本語で「もう一回」の意味)”です。監督の口癖だったんです。ニコニコしながら“もう一回、もう一回”って(笑)」と語り、韓国側では日本語の挨拶などが流行ったという。さらに、撮影中のエピソードとして中村優子はキム・ヒエから「カイロ何個貼ってるの?」と聞かれたそうで、6個であると答えたところ、「6個? 私は10個よ!」と言われたことを明かす。このエピソードには、思わず会場から笑いがこぼれた。

(C)2019 FILM RUN and LITTLE BIG PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
イム・デヒョン監督は、本作の日本公開に向けてインタビューを精力的にこなし、来日を切望していたが、コロナのために断然。そんな監督からビデオメッセージが到着し、場内で紹介された。「本当は日本での公開を記念して直接会ってご挨拶をしたかったのですが、コロナのため日本へ行くことができません。このような時期に劇場に来てくださって心から感謝します。もうすぐ訪れる春が皆さんにとって良い季節になることを遠くから祈っています」などとメッセージを寄せた。

そんな監督との思い出について、中村優子は「日本の撮影に入る前に、小樽の神社で成功祈願の昇殿参拝をしたんですが、すごい雪が降り積もっていて、神社の前の狛犬も笑えるぐらいに雪が被っていました。これはあんまりだな…と思って雪を払いのけたんです。そしたらいつの間にか監督が横にいて、“なぜそういうことをやったんですか?”と聞かれて。私は“見えなそうだから”という感じで答えたんですが、後日、撮影の時にマサコ伯母さんがお墓の雪を払うという演出をさりげなく加えていて。狛犬にせよお墓にせよそれを”冷たくないかな”とかそういう想いで守るという意味があると思うんです。監督は、その私の一言と行動だけを見て、すぐにマサコ伯母さんが雪深い自然に対する畏怖をもって生活している動作としてすぐ取り入れる凄さを目の当たりにして、ものすごく印象深かったです」と振り返った。

(C)2019 FILM RUN and LITTLE BIG PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
さらに、主人公ユンヒを演じた韓国のトップ俳優の一人であるキム・ヒエさんのビデオメッセージも紹介された。「日本で『ユンヒへ』が公開されて嬉しいです。美しい小樽での撮影は昨日のことのように心の中に大切な思い出として残っています。ジュンとユンヒの物語はどこかで続いていると思います。『ユンヒへ』が皆さんの心に響くことを願っています。いつかジュンに再会できる日を待ちながら」などとコメントを寄せた。

最後に、昨日誕生日ということでスタッフから大きな花束が贈られた中村優子は、「久しぶりにユンヒの顔を見て胸がいっぱいで、本当に忘れがたい時間をありがとうございます。この作品、ジュンの視点を通して私は、彼女たちの愛がいかに自然なものであるかということを体感しました。それは、役者としても人間としてもいただけた、かけがえのないギフトであると確信しています。マイノリティと呼ばれる方々、全ての方が自分を偽ることのない世界になっていくことを祈ります。私は私である、あなたはあなたである……そのことを体の真ん中に置いて生きていきたいと思います。今日は本当にありがとうございました」と締めくくった。

■作品情報
映画「ユンヒへ」
2022年1月7日(金)シネマート新宿ほか全国ロードショー

<あらすじ>
高校生の娘を持つシングルマザーのユンヒのもとに、いまは韓国を離れて北海道・小樽で暮らす友人から1通の手紙が届いた。もう20年以上も連絡を絶っていた2人には、互いの家族にも打ち明けていない秘密があった……。

監督・脚本:イム・デヒョン
出演:キム・ヒエ(「密会」「夫婦の世界」)、中村優子(「ストロベリーショートケイクス」「野火」)、キム・ソヘ(元I.O.I)、ソン・ユビン、木野花、瀧内公美、薬丸翔、ユ・ジェミョン(特別出演)ほか

2019年/韓国/シネスコ/カラー/105分/5.1ch/原題:윤희에게/日本語字幕:キム・ヨンヒ、チョ・ミンジョン、根本理恵
協力:loneliness books
配給・宣伝:トランスフォーマー
(C)2019 FILM RUN and LITTLE BIG PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

■関連リンク
「ユンヒへ」公式サイト:https://transformer.co.jp/m/dearyunhee/

元記事配信日時 : 
記者 : 
Kstyle編集部
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