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映画「ユンヒへ」イム・デヒョン監督が来日!キム・ヒエからのビデオメッセージも…キャストとの再会に感動

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(c)2019 FILM RUN and LITTLE BIG PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
2019年の「第24回釜山国際映画祭」のクロージングを飾り、2020年には韓国のアカデミー賞ともいえる「青龍映画賞」で最優秀監督賞と脚本賞をW受賞し、今年1月に日本劇場公開され、ロングランを記録した韓国映画「ユンヒへ」のBlu-ray&DVDが11月4日(金)に発売されることが決定した。

本作は、韓国の地方都市で暮らすシングルマザーのユンヒが、長い間、連絡を絶っていた初恋の女性から一通の手紙を受け取ったことから始まるラブストーリー。母の手紙を盗み見てしまった高校生の娘セボムは、自分の知らない母の姿をそこに見つけ、手紙の差出人である日本人女性ジュンに会わせようと決心をする。セボムに強引に誘われるかたちで、ジュンが暮らす北海道・小樽へ旅立つユンヒ。一方、小樽で伯母とささやかに暮らすジュンは、ユンヒが自分の書いた手紙を受け取り、小樽に来ていることを知らずにいた。東アジアにおける中年女性たちの同性愛と、彼女たちが経験してきた抑圧を真摯に描き出し、多くの映画ファンや評論家たちから高い評価を受けた注目作だ。

7月2日(土)、Blu-ray&DVD発売決定を記念して、イム・デヒョン監督とプロデューサーのコウ・キョンランが来日。シネマート新宿での1回限定の「ユンヒへ」特別上映後、ジュン役の中村優子、マサコ役の木野花、リョウコ役の瀧内公美、リュウスケ役の薬丸翔といった日本人キャストも登壇し、舞台挨拶を行った。

イム・デヒョン監督は日本公開時も来日を強く希望していたが、これまでコロナ禍により実現できず、今回が念願の来日イベントとなぅた。また、韓国で撮影中のため登壇が叶わなかったユンヒ役のキム・ヒエからは、この舞台挨拶のためにビデオメッセージも届いた。

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この日を待ち望んでいたファンに対して、イム・デヒョン監督が「初めまして。僕は、映画『ユンヒへ』の監督です」と日本語で挨拶すると、会場は大きな拍手に包まれた。続いてプロデューサーのコウ・キョンランは「今回、とても長い時間を経て監督とご挨拶することができました」、中村は「イム・デヒョン監督とコウさん、そしてキャストの皆さんとこうして再会する日を迎えることができました。この時間を共有してくださって本当にありがとうございます」、木野は「こういう日がきたらいいな、来るんだろうか、と思いながら、ようやくここに立ち、監督を迎えることができて感無量な気持ちです」、瀧内は「皆さんと一緒にこうして舞台挨拶に立つことができて、本当に嬉しく思います」、薬丸は「監督や韓国のスタッフの方々も来ていて、僕らもとても特別な気持ちで今日を迎えています」と挨拶を述べた。

撮影当時の思い出について、監督は「日本で『ユンヒへ』が公開された時、早く日本へ行き、皆さんにご挨拶をしたいと思っていましたが、なかなか叶わず、ずっとずっと後になってしまいました。そして今日、撮影を終えてから約3年ぶりに俳優の方々とお会いして、本当に夢のよう、奇跡のようだと思っています。記憶に残っていることは沢山ありますが、俳優の方々と今日お話しをしていたら、撮影当時のことを思い出し、現場のスタッフの声が聞こえてくるような気がしました。例えば、ラインプロデューサーの方の『行きましょうか』と言う声や、助監督の方と一緒に雪を丸めて野球ボールのように投げ合ったりしたことを思い出しました」と振り返った。

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コウ・キョンランは「韓国では2019年11月14日にこの作品を公開したのですが、翌年にはコロナ禍になってしまいました。早く日本の皆さんにお見せしたいと、2年半ほどずっと準備を繰り返していました。そしてついに監督と日本に来て、皆さんとお会いできて、とても光栄で嬉しく思っています。久しぶりに俳優の方々ともお会いして、この暑い東京で、なおさら寒かった小樽のこと、日本のスタッフの方々と苦労して撮影したことを思い出し、本当に感無量です」と振り返った。

中村は「監督とコウさんと最初にお会いした時のことが蘇ってきて、『これはきっと今までとは違う、新しいことが始まる』と、胸が躍ったのを思い出しました」と話した。

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木野は「皆さんにここで打ち明けたいのは、私には韓国映画に出るという野望が長い間あったんです。韓国の映画もドラマも大好きで、韓国語もだいぶ前に習ったまま諦めていたのですが、そんな頃にこの作品のお話を頂き、『来た!』と。『しまった、今からじゃ韓国語が間に合わないか……』と思って脚本を見たら日本語だったので、『しめた』と思いました(笑)。これは私にとっての記念すべき第1作と思いたいです。これから2作3作、何作と続くはずなんです。第1作となったということだけではなく、このとてもいい作品に出会えて心からよかったなと思います。監督は、『皆と一緒に作っていきたい』『アイデアがあったらどんどん言ってください』ということを仰っていました。そういう風に映画が作られていくことはなかなかありません。私が1番こだわったのは、ジュンを抱きしめてあげる場面です。『日本では簡単にはハグし合わないんです』と、どうやったら日本人として自然にできるのかを監督と話し合い、監督は私の意見を受け入れてくださって、あのシーンになりました。そういったこと1つ1つが、とても新しい体験でもあり、こんな風に韓国映画と出会えたことがとても幸せだったと思います」と明かした。

瀧内は「私は短い撮影期間での参加でしたが、現場で韓国語の『ハンボンドン(日本語で「もう1回」の意味)』という言葉が流行ったくらい、監督がすごくこだわって、何度も何度もねばっていたことが印象的でした。監督は男性ですが、女性を1人の人間として、女性の物語を描いてくれたことがとても魅力的だと思っています。監督の現場での丁寧さ、少しずつ少しずつ距離を縮めていってくださる感じも、この映画らしくて印象的でした」と監督の熱意について語った。

薬丸は「韓国での公開は3年以上前で、日本での公開初日に舞台挨拶をした時からも半年が経ちますが、今日の特別上映で皆さんのこの作品への愛がすごく強いことを感じて、『全ての作品がこうなったらいいのに』と思いました。とても幸せな気分を噛みしめています」と話した。

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これまで韓国でも描かれることが少なかった中年女性の同性愛の物語を映画にしたことについて、監督は「長い間、この物語を描きたいとずっと考えていました。そして小樽という空間との出会いがあり、自然にこの映画が作られていったと言えます。私の中でずっと温めていた物語なんです」と語った。また、作中の韓国と日本という2つの舞台については、「韓国と日本のパートをあえて分けて考えないように努力しました。背景は違いますし、汽車によって2つがつながる印象があるかもしれませんが、むしろ1つの物語だと考えて撮影をしました」と明かした。

コウ・キョンランは、プロデューサーとして韓国と日本のチームをまとめたことについて「もちろん日本と韓国ではシステムが違うこともあるので、最初は苦労もありましたが、両国の素晴らしいスタッフの方々と心を1つにして、現場で力を尽くして作り上げました。撮影当時は雪が降ったり寒かったり、大変なこともありましたが、今振り返ってみると辛くはなかったと思えます」と語った。

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俳優たちがそれぞれの役柄や共演エピソードについて語っていくと、笑いがこぼれるにぎやかな時間となった。中村は木野と瀧内との共演について「お2人ともとても自然体。木野さんはマサコおばさんそのものの空気を纏っていて、とてもチャーミングでその場が温かくなるんです。ホテルでちょっとした女子会を開いてくださったり、さりげなく皆を気遣って支えてくださいました。瀧内さんは、ご本人はリョウコとはまた違うキャラクターですが、ありのままで、いつも『お腹すいた』とラーメンの話をしたりしていました(笑)。演技になると集中力がすごく、スイッチが入る瞬間を目の当たりにして刺激を受けました。おふたりとの共演は私にとって宝になっています」と、笑顔で語った。

木野は、マサコの人物像について「マサコおばさんはねえ……(笑)」と笑顔ながらも、少し考え込むような表情を見せ、「結婚していないということが1つのポイントかなと思っています。マサコを演じるにあたって、それはなぜなのかを考えました。彼女は独身主義者なわけではなく、マイペースでSF小説が好きだったり、ちょっと謎なところがあったりして、きっと自分の時間を楽しく過ごせていて、気が付いたら独り身だったという生き方をしている人かなと思いました。ジュンとの暮らしでも自分なりのペースを守りながら、ジュンがいることを自然に受け入れて、それがジュンもすごく気楽だったのかな、と思っています」と語った。

瀧内は、リョウコの役柄について「リョウコがジュンにかける『今日は月が綺麗ですね』という言葉がありますが、これがリョウコを表していると思います。監督の詩的なところや美的センスを感じて、直接的でもあり間接的でもある、これを大切にして演じていこうと思いました」と語った。そして、中村との共演については「私は夜中の撮影が多かったのですが、韓国からカップラーメンが大量に届いていたことに興奮して、撮影場所のバーでお湯を沸かしてもらったりして(笑)。中村さんは、『撮影が始まったら麺が伸びちゃう!』と私が言っていたのも許してくれた先輩です(笑)」と明かし、木野が「何しに行ったのよ(笑)」とつっこみを入れ、客席の笑いを誘った。

薬丸は、中村と木野との共演について「自分が十代のころから見ているおふたりなので、撮影前はとても緊張しました。でもおふたりはとてもフラットで威圧感なんて全く無く、親戚という役柄には距離感が大事だと思っていたので、おふたりが広い器で受け入れてくれて安心しました」と振り返った。

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今回は、撮影中のため惜しくも来日が叶わなかった韓国のトップ俳優の1人である、ユンヒ役のキム・ヒエから、ビデオメッセージも到着。場内で紹介され、「日本で多くの皆さんが『ユンヒへ』を愛して下さったと聞きました。とても感謝していますし、幸せです。私も東京の上映に本当に行きたかったのですが、撮影中でご一緒できずとても残念です。いつか美しい小樽で上映会が開かれたら、ぜひ一度皆さんにお会いしたいです。今日は遠く韓国からいらっしゃったイム・デヒョン監督をはじめ俳優の皆さんと楽しい時間を過ごしてください。『ユンヒへ』を愛して下さった観客の皆さん、本当に感謝しています! ありがとうございます」とのメッセージに、登壇者一同も嬉しそうな表情を浮かべ、スクリーンを見つめた。

最後に、監督は「日本は暑いという言葉では表現できないくらい本当に暑いですが、そんな中で皆さんが映画を観に来てくださって胸がいっぱいです。私は『ユンヒへ』の監督であるということがとても幸せです。今日は俳優の方々とプロデューサーと一緒にご挨拶ができて光栄に思っています。皆さんどうかお元気で。今、沢山の準備をして作品をまた作ろうと思っていますので、皆さんにお見せできる機会があれば嬉しいです。本当にありがとうございます」と、感謝にあふれた言葉で締めくくった。

■商品情報
「ユンヒへ」Blu-ray&DVD
2022年11月4日(金)リリース
※レンタルDVDも同日リリース

封入特典:オリジナルポストカードセット、アウタースリーブ(Blu-ray限定)
映像特典:オーディオ・コメンタリー2種、削除シーン、NGシーン、インタビュー映像、メイキング映像、ミュージックビデオ他

監督・脚本:イム・デヒョン
出演:キム・ヒエ(「密会」「夫婦の世界」)、中村優子(「ストロベリーショートケイクス」「野火」)、I.O.I出身キム・ソへ、ソン・ユビン、木野花、瀧内公美、薬丸翔、ユ・ジェミョン(特別出演)ほか

2019年/韓国/シネスコ/カラー/105分/5.1ch/原題:윤희에게/日本語字幕:キム・ヨンヒ、チョ・ミンジョン、根本理恵

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<あらすじ>
高校生の娘を持つシングルマザーのユンヒのもとに、いまは韓国を離れて北海道・小樽で暮らす友人から1通の手紙が届いた。もう20年以上も連絡を絶っていた2人には、互いの家族にも打ち明けていない秘密があった……。

■関連リンク
映画「ユンヒへ」日本公式サイト:transformer.co.jp/m/dearyunhee

元記事配信日時 : 
記者 : 
Kstyle編集部
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