「トレーサー」イム・シワン、長期間の撮影が終わって燃え尽き症候群に“ゾンビのように過ごした”
俳優のイム・シワンが「トレーサー」を通じて、“実力が認められた俳優”として地位を固めた。
彼は最近、OSENとのインタビューで韓国で放送が終了したMBC金土ドラマ「トレーサー」に対する思いとファン・ドンジュ役を演じた感想などを語った。
「トレーサー」は、誰かにとっては裁判官や検事よりも恐ろしいところである、国税庁のいわゆる“ごみ置場”と呼ばれる租税5局に転がり込んだ主人公のなりふり構わぬ活躍を描く痛快な追跡劇だ。韓国で放送された「トレーサー」の最終回は、1分当たりの最高視聴率が12.5%まで上昇した。首都圏世帯の視聴率は9.8%まで上がり、自己最高視聴率を記録、全国視聴率は9.0%を記録した。
2017年に韓国で放送された「王は愛する」以来、約5年ぶりにMBCドラマに復帰することになったイム・シワンは、主人公ファン・ドンジュ役を演じた。劇中でファン・ドンジュは過去に大手企業の裏金を管理していた業界トップの会計士で、今は国税庁中央支庁租税5局のチーム長だ。業界を牛耳る優れた実力はもちろん、持ち前の図々しく堂々とした姿で痛快なシーンを届けてくれた。
2010年、アイドルグループZE:Aのメンバーとしてデビューしたイム・シワンは、俳優に転向し、実力派俳優として認められている。ドラマ「太陽を抱く月」「赤道の男」「トライアングル」「ミセン-未生-」「王は愛する」「他人は地獄だ」「それでも僕らは走り続ける」、映画「弁護人」「戦場のメロディ」「ワンライン/5人の詐欺師たち」「名もなき野良犬の輪舞」などに出演した。特に、映画「名もなき野良犬の輪舞」と「非常宣言」ではカンヌ国際映画祭を2回も訪れるなど、俳優として強い印象を残した。
除隊後さらに飛躍しているイム・シワンは、「トレーサー」を通じてもう一度“実力が認められた俳優”として地位を固めた。「トレーサー」に出演した彼は「ご覧になった方々に楽しく見たと言われて安心しました」と、放送終了の感想を伝えた。
「トレーサー」の撮影を終えたイム・シワンは、「今回のドラマを半年以上撮影していました。準備期間を含めるとさらに長い時間を『トレーサー』と一緒に過ごしました。そして時間が経って緊張がほぐれたようです。燃え尽き症候群なのか、何もせず数日間ゆっくり休みました。ずっとゾンビのように過ごしていました」と近況を伝えた。
「燃え尽き症候群」について尋ねると、彼は「燃え尽き症候群になるのは当然かもしれないです。考えてみたら、除隊した後、3年ほど休まず作品に出演してきました。やっと休めるようになったので、緊張感がほぐれて燃え尽き症候群になったのではないかと思います」と説明した。
イム・シワンを休ませなかった「トレーサー」。それほど魅力的だったという意味だ。彼は「『トレーサー』の第一印象は、企画意図から台詞まで、文字がぎっしり詰まっていて、数冊ありました。俳優としては苦労するだろうと思って、面白くないドラマであってくれと思いながら台本を見ました。でも、脚本家さんの文章への愛情と丁寧さ、数年間を凝縮した努力の跡が見えてきました。このようにできのよい台本を選ばなければ、俳優として問題のある行為だと思ったので、出演するしかありませんでした。なので『トレーサー』の台詞の沼に落ちてしまいました」と笑った。
イム・シワンは「慣れない職業で、他の作品に登場したよくある題材ではなかったので、最初は『国税庁で働く人々の姿と行動とは何なのか』を、たくさん考えました。国税庁で働いていた方を訪ねて意見を求めたり、見学もしましたが、結局は『国税庁もみんな、人がいる場所』という結論に達しました。それがヒントになって、この状況に直面している人を表現しなければならないと思いました」と話した。
これと共に、彼は「税金はきちんと納めています。本当にしっかり払っています。この上なく、よく払っています」と笑った。
こうして「トレーサー」のファン・ドンジュになったイム・シワン。彼は「あらかじめ決まっていたスタイルではありませんでしたが、特徴として考えたのは『おじさんたちに立ち向かう若造』でした。おじさんたちに立ち向かうMZ世代(ミレニアル世代+Z世代)。おじさんたちというのは、国税庁の高官です。スマートだけど、悪い人々です。おじさんたちが言わないような言葉を使って、若い子と喧嘩をしているように見せるなど、幼稚に見せようとしました」と話した。
ビジュアルにも変化を与えた。まず、パーマをかけたヘアスタイルが印象的だった。イム・シワンは「髪型で頑固なイメージを強調したいと思いませんでした。しかし、そういうふうに見て頂いたのならそれでよかったと思います。数日間、洗わなくても目立たない髪型、映像で見ても臭いが漂ってくる感じを演出しようと思いました。スーツを着込んだ既成世代とは違う姿で、痛快さを与えようとしました」と話した。
イム・シワンは、「ファン・ドンジュというキャラクターが特に大変だったというよりも、台詞の量が圧倒的に多かったことと、どうすればウィットを加えて、ユーモラスに見せることができるか、そしてしきりに醜いことを言う姿をどうすれば魅力的に見せることができるのかを悩みました」とし、「演技をしながらすっきりして、僕もカタルシスを感じました。痛快なシーンを撮るときはすっきりしましたし、大人たちが威圧的な態度で脅すことに一つ一つ反論する姿が、僕自身が演じていながらも痛快でした」と話した。
続けて、彼は会計士のファン・ドンジュと国税庁のファン・ドンジュの違いについて「役柄を演じるとき、一番はっきり見せられるのが、その人の行動と衣装だと思って悩みました。会計士のファン・ドンジュは、本人が成功していることを知っていますし、能力に自信があります。正義感より、本人が仕事で成功することが重要で、これ見よがしにもっと成功することを願う人でした。言い方や行動そのものに自信があって堂々としています。国税庁に入ったファン・ドンジュは正反対で、もっぱら復讐のために生きる人のように見えないで欲しいと思いました。そのような性格をそのまま表現すれば、本当に復讐にこだわる姿がばれるかもしれないと、今までの姿と同じように演じなければならないと思いました。会計士が本来の性格なら、国税庁はそれを演じるドンジュの姿を見せようとしました」と話した。
イム・シワンは、「どんな結末であれ、ファン・ドンジュというキャラクターが持っている性格が変わらないで欲しいと思いました。ファン・ドンジュという人物が、堂々として図々しい部分があったとすれば、それが大きい事件を経験したことで変わらないでほしかったんです。ハンマーで打つシーンでファン・ドンジュの性格が出ていますが、田舎に行っても持っていると思います。その姿が特典映像にも出てきますが、ファン・ドンジュの性格がしっかり出ているようで満足しています」と話した。
イム・シワンは、映画「戦場のメロディ」で共演したコ・アソンと「トレーサー」で再会した。約6年ぶりに共演したコ・アソンに対し、彼は「あの時も、今も清らかな人だと思いました。それを維持するのは簡単ではありません。女優として作品にたくさん出演すれば、たくさんの人と出会うと思いますし、本人が怪我しないために防御する技術を身につけている可能性も高いですが、それを置いておいたとしても、本当に清らかな人です」と話した。
続けて「きれいな心を守ろうとする姿を見ました。そういった部分が、僕にとっては感動的でした。それでコ・アソンさんが演技をする時、本人の姿が投影されていると思いました。僕も、自分自身の純粋さを守りながら演技するのが理想です。そんな先輩であり、俳優仲間です」と付け加えた。
イム・シワンは「一緒にとても楽しく撮影しました。仲良くなりましたし、たくさん喋りました。くだらない話をたくさんしました。演技の話だけでなく、食事のメニューなど、日常の話もします。初めに何分かは面白く聞いて返事もしますが、すぐに疲れて逃げて行くんです。そうしたら僕もついて行って、話しかけてお喋りします。そんなふうに楽しく撮影しました」と話した。
「トレーサー」を成功裏に終えた彼は、「ドラマというのは、教育用でも教科書でもありません。徹底して国税庁という難しい題材を描くドラマですが、だからといってそこでどんな仕事をするのか、あるいは用語などを教える難しいドラマになってはならないと思いました。退勤後に楽しむ娯楽ドラマだと思って作品に接しました。そのために、国税庁の業務を知ろうという努力もあまりしませんでした。劇的に描写した部分もあると思います。そもそも存在しないチームであり、メンバーです。劇的なものを作るため租税5局がたくさん働いたはずです。ドラマと現実は違うと思います」と話した。
彼は、「ファン・ドンジュという人物そのものが勧善懲悪だと言われましたが、ダークヒーローだと思っていました。彼も欠点のない完璧な人ではないと思います。どの部分でご覧になっている方々が歓声を上げたのか、カタルシスを感じたか、僕がなぜ出演を決めたのかを振り返ってみると、僕にできないこと、悪に厳しく接することに躊躇しないファン・ドンジュを見ると、ある種の代償行為だと思います。なのでこのドラマを通じて教訓やメッセージを得るという義務感は持たない方がいいと思います」と付け加えた。
彼は最近、OSENとのインタビューで韓国で放送が終了したMBC金土ドラマ「トレーサー」に対する思いとファン・ドンジュ役を演じた感想などを語った。
「トレーサー」は、誰かにとっては裁判官や検事よりも恐ろしいところである、国税庁のいわゆる“ごみ置場”と呼ばれる租税5局に転がり込んだ主人公のなりふり構わぬ活躍を描く痛快な追跡劇だ。韓国で放送された「トレーサー」の最終回は、1分当たりの最高視聴率が12.5%まで上昇した。首都圏世帯の視聴率は9.8%まで上がり、自己最高視聴率を記録、全国視聴率は9.0%を記録した。
2017年に韓国で放送された「王は愛する」以来、約5年ぶりにMBCドラマに復帰することになったイム・シワンは、主人公ファン・ドンジュ役を演じた。劇中でファン・ドンジュは過去に大手企業の裏金を管理していた業界トップの会計士で、今は国税庁中央支庁租税5局のチーム長だ。業界を牛耳る優れた実力はもちろん、持ち前の図々しく堂々とした姿で痛快なシーンを届けてくれた。
2010年、アイドルグループZE:Aのメンバーとしてデビューしたイム・シワンは、俳優に転向し、実力派俳優として認められている。ドラマ「太陽を抱く月」「赤道の男」「トライアングル」「ミセン-未生-」「王は愛する」「他人は地獄だ」「それでも僕らは走り続ける」、映画「弁護人」「戦場のメロディ」「ワンライン/5人の詐欺師たち」「名もなき野良犬の輪舞」などに出演した。特に、映画「名もなき野良犬の輪舞」と「非常宣言」ではカンヌ国際映画祭を2回も訪れるなど、俳優として強い印象を残した。
除隊後さらに飛躍しているイム・シワンは、「トレーサー」を通じてもう一度“実力が認められた俳優”として地位を固めた。「トレーサー」に出演した彼は「ご覧になった方々に楽しく見たと言われて安心しました」と、放送終了の感想を伝えた。
「トレーサー」の撮影を終えたイム・シワンは、「今回のドラマを半年以上撮影していました。準備期間を含めるとさらに長い時間を『トレーサー』と一緒に過ごしました。そして時間が経って緊張がほぐれたようです。燃え尽き症候群なのか、何もせず数日間ゆっくり休みました。ずっとゾンビのように過ごしていました」と近況を伝えた。
「燃え尽き症候群」について尋ねると、彼は「燃え尽き症候群になるのは当然かもしれないです。考えてみたら、除隊した後、3年ほど休まず作品に出演してきました。やっと休めるようになったので、緊張感がほぐれて燃え尽き症候群になったのではないかと思います」と説明した。
イム・シワンを休ませなかった「トレーサー」。それほど魅力的だったという意味だ。彼は「『トレーサー』の第一印象は、企画意図から台詞まで、文字がぎっしり詰まっていて、数冊ありました。俳優としては苦労するだろうと思って、面白くないドラマであってくれと思いながら台本を見ました。でも、脚本家さんの文章への愛情と丁寧さ、数年間を凝縮した努力の跡が見えてきました。このようにできのよい台本を選ばなければ、俳優として問題のある行為だと思ったので、出演するしかありませんでした。なので『トレーサー』の台詞の沼に落ちてしまいました」と笑った。
イム・シワンは「慣れない職業で、他の作品に登場したよくある題材ではなかったので、最初は『国税庁で働く人々の姿と行動とは何なのか』を、たくさん考えました。国税庁で働いていた方を訪ねて意見を求めたり、見学もしましたが、結局は『国税庁もみんな、人がいる場所』という結論に達しました。それがヒントになって、この状況に直面している人を表現しなければならないと思いました」と話した。
これと共に、彼は「税金はきちんと納めています。本当にしっかり払っています。この上なく、よく払っています」と笑った。
こうして「トレーサー」のファン・ドンジュになったイム・シワン。彼は「あらかじめ決まっていたスタイルではありませんでしたが、特徴として考えたのは『おじさんたちに立ち向かう若造』でした。おじさんたちに立ち向かうMZ世代(ミレニアル世代+Z世代)。おじさんたちというのは、国税庁の高官です。スマートだけど、悪い人々です。おじさんたちが言わないような言葉を使って、若い子と喧嘩をしているように見せるなど、幼稚に見せようとしました」と話した。
ビジュアルにも変化を与えた。まず、パーマをかけたヘアスタイルが印象的だった。イム・シワンは「髪型で頑固なイメージを強調したいと思いませんでした。しかし、そういうふうに見て頂いたのならそれでよかったと思います。数日間、洗わなくても目立たない髪型、映像で見ても臭いが漂ってくる感じを演出しようと思いました。スーツを着込んだ既成世代とは違う姿で、痛快さを与えようとしました」と話した。
イム・シワンは、「ファン・ドンジュというキャラクターが特に大変だったというよりも、台詞の量が圧倒的に多かったことと、どうすればウィットを加えて、ユーモラスに見せることができるか、そしてしきりに醜いことを言う姿をどうすれば魅力的に見せることができるのかを悩みました」とし、「演技をしながらすっきりして、僕もカタルシスを感じました。痛快なシーンを撮るときはすっきりしましたし、大人たちが威圧的な態度で脅すことに一つ一つ反論する姿が、僕自身が演じていながらも痛快でした」と話した。
続けて、彼は会計士のファン・ドンジュと国税庁のファン・ドンジュの違いについて「役柄を演じるとき、一番はっきり見せられるのが、その人の行動と衣装だと思って悩みました。会計士のファン・ドンジュは、本人が成功していることを知っていますし、能力に自信があります。正義感より、本人が仕事で成功することが重要で、これ見よがしにもっと成功することを願う人でした。言い方や行動そのものに自信があって堂々としています。国税庁に入ったファン・ドンジュは正反対で、もっぱら復讐のために生きる人のように見えないで欲しいと思いました。そのような性格をそのまま表現すれば、本当に復讐にこだわる姿がばれるかもしれないと、今までの姿と同じように演じなければならないと思いました。会計士が本来の性格なら、国税庁はそれを演じるドンジュの姿を見せようとしました」と話した。
イム・シワンは、「どんな結末であれ、ファン・ドンジュというキャラクターが持っている性格が変わらないで欲しいと思いました。ファン・ドンジュという人物が、堂々として図々しい部分があったとすれば、それが大きい事件を経験したことで変わらないでほしかったんです。ハンマーで打つシーンでファン・ドンジュの性格が出ていますが、田舎に行っても持っていると思います。その姿が特典映像にも出てきますが、ファン・ドンジュの性格がしっかり出ているようで満足しています」と話した。
イム・シワンは、映画「戦場のメロディ」で共演したコ・アソンと「トレーサー」で再会した。約6年ぶりに共演したコ・アソンに対し、彼は「あの時も、今も清らかな人だと思いました。それを維持するのは簡単ではありません。女優として作品にたくさん出演すれば、たくさんの人と出会うと思いますし、本人が怪我しないために防御する技術を身につけている可能性も高いですが、それを置いておいたとしても、本当に清らかな人です」と話した。
続けて「きれいな心を守ろうとする姿を見ました。そういった部分が、僕にとっては感動的でした。それでコ・アソンさんが演技をする時、本人の姿が投影されていると思いました。僕も、自分自身の純粋さを守りながら演技するのが理想です。そんな先輩であり、俳優仲間です」と付け加えた。
イム・シワンは「一緒にとても楽しく撮影しました。仲良くなりましたし、たくさん喋りました。くだらない話をたくさんしました。演技の話だけでなく、食事のメニューなど、日常の話もします。初めに何分かは面白く聞いて返事もしますが、すぐに疲れて逃げて行くんです。そうしたら僕もついて行って、話しかけてお喋りします。そんなふうに楽しく撮影しました」と話した。
「トレーサー」を成功裏に終えた彼は、「ドラマというのは、教育用でも教科書でもありません。徹底して国税庁という難しい題材を描くドラマですが、だからといってそこでどんな仕事をするのか、あるいは用語などを教える難しいドラマになってはならないと思いました。退勤後に楽しむ娯楽ドラマだと思って作品に接しました。そのために、国税庁の業務を知ろうという努力もあまりしませんでした。劇的に描写した部分もあると思います。そもそも存在しないチームであり、メンバーです。劇的なものを作るため租税5局がたくさん働いたはずです。ドラマと現実は違うと思います」と話した。
彼は、「ファン・ドンジュという人物そのものが勧善懲悪だと言われましたが、ダークヒーローだと思っていました。彼も欠点のない完璧な人ではないと思います。どの部分でご覧になっている方々が歓声を上げたのか、カタルシスを感じたか、僕がなぜ出演を決めたのかを振り返ってみると、僕にできないこと、悪に厳しく接することに躊躇しないファン・ドンジュを見ると、ある種の代償行為だと思います。なのでこのドラマを通じて教訓やメッセージを得るという義務感は持たない方がいいと思います」と付け加えた。
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- チャン・ウヨン
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