クァク・ドンヨン、ドラマ「怪異」アクションシーンの裏話を語る“他人を殴る場面が多くてぎっくり腰になった”

俳優クァク・ドンヨンのクァク・ヨンジュはどうやって誕生したのだろうか。

クァク・ドンヨンは最近行われたTVINGオリジナルシリーズ「怪異」（脚本：ヨン・サンホ、リュ・ヨンジェ、監督：チャン・ゴンジェ）のインタビューで、トラブルメーカーであるクァク・ヨンジュ役に出会い、キャラクターを演じるまでの過程を打ち明けた。

「怪異」は呪われた仏像が現れた村で、心の中の地獄を見るようになった人たちと、その村の奇異な事件を追う超自然スリラーだ。クァク・ドンヨンは作中街を覆った災いもただの面白いネタとして受け入れるクァク・ヨンジュ役を演じた。

クァク・ドンヨンはクァク・ヨンジュというキャラクターに対して「絶対悪に近い人物だと解釈しました。全ての行動に特別な理由や妥当な理由がなくても、持って生まれた悪い性向が作中の状況によって爆発してしまった人物だと思います。ヨンジュは服役囚で荒々しい人にもたくさん会ったはずで、否定的で悔しい感情もたくさん抱えていた状態でした。自身を攻撃する人々を殺したいという気持ちを我慢してきた人物だと思ったんです。修羅場になっていく状況を見て自分勝手にできるだろうと思ったはずですし、凝縮していた暴力性が一度に表出されたんだと思います」と分析した。

クァク・ヨンジュの過去については「監督と話し合ったのは、母子家庭で育ったこと、青少年期と幼少年期に母の新しい愛人たちに家庭内暴力を受け、暴力に対する補償心理を持つようになったことでした。そしてハン・ドギョン（ナム・ダルム）に出会った際に、父親がいないことに対する憐れみや同情を感じたのだと思います。そのような辛い過去が悪行を合理化する理由にはならないと思ったものの、そのようなバックグラウンドを持っていると思いました」と説明した。

他のキャラクターに比べて叙事が不足することで、物足りないと思ったことはないだろうか。彼は「監督と俳優たちが十分に相談して、演技しました。全てのキャラクターの叙事を盛り込むためには物理的な時間が足りないと思います。見る方々が物足りないと思う部分は、ドラマを作った立場として残念だと思いますが、撮影当時は最善を尽くしました」とし「（クァク・ヨンジュに与えた）設定に何かを追加することはありませんでした。悪人だからといってそれっぽい物語を付与したくないというのが全般的にあったんです。当初、間違った人間、歪んだ価値観を持っている人間が自身の悪が制裁されてない状況で、どのように行動するのかという気持ちで演じていました」と答えた。

クァク・ヨンジュが群れを成して行動した理由に対しては「いつも母に、継父に屈服したまま生きてきて、誰かを統制して権力を持っている関係に対する欲求があったのだと思います。だから監獄に行く前にも群れを成して、自身がボス役をすることで欲求を満たしてきたのではないかと思います」とし 「このような人物が共同体にどのような影響を及ぼすか、見せることに集中しました」と話した。

アクション、殴打シーンなどのビハインドストーリーも伝えた。特に体を使うシーンが多かったクァク・ドンヨンは「僕にとって大変だったことは多くはありませんでした。あえて言うならば、あまりにも他の人々を殴るシーンが多く、右手でたくさん殴ったので、右方の腰がぎっくり腰になってしまったことです。棒を振り回したりした時は、相手俳優の安全が気になってより緊張しました。タトゥーは技術がすごく発展していて、肌に貼るシールみたいなものを使いました。しかし、たくさん動くとタトゥーが壊れてしまうんです。極力じっとしていて撮影後に修正するなど、気を付けていた記憶があります」と当時のことを思い浮かべた。

クァク・ヨンジュという人物を準備しながら本人が立てた目標は、最初から最後まで引っ張っていく緊張感だったという。彼は「視聴者の方々にも緊張感を与えたいと思いましたが、100％達成できたかどうかは分かりません。自分から見て物足りないと思うシーンもあります」と謙遜した。

クァク・ヨンジュの地獄を想像してみたりもした。クァク・ドンヨンは「今まで経験したことを拳で解決してきた人物であるはずなので、拳で関係を結んだ数多くの悪役を思い浮かべました。1対300で戦う地獄図が繰り広げられるのではないでしょうか」とし「僕は個人的に蜘蛛が大嫌いです。最後のシーンに大きな蜘蛛が登場した時、目を閉じて刺したかったです。僕にもそのような地獄図が描かれるのではないかと思います」と自身の地獄図を描いたりもした。