「非常宣言」ソン・ガンホ、ハン・ジェリム監督と3度目のタッグに“芯が強い芸術家…努力と情熱が込められている”
写真=SHOWBOX
俳優のソン・ガンホが、映画「非常宣言」の裏話を虚心坦懐に話した。最近、同作でベテラン刑事を演じるソン・ガンホにオンラインインタービューを行った。
「観相師-かんそうし-」「ザ・キング」を手掛けたハン・ジェリム監督が演出した同作は、未曾有の航空テロで、無条件着陸を宣言した飛行機と災難に立ち向かう人々の物語だ。「カンヌ国際映画祭」のワールドプレミアを通じて初披露され、早くから熱い関心を集めている。
ソン・ガンホは、災難を防ぐために孤軍奮闘する刑事のインホに変身する。警察署に出勤して1本のテロ予告映像の情報提供を受けたインホは、妻とテロ容疑者が同じ飛行機に乗ったことを知り、全身を投げ出すことになる。
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彼は「生きていると、起きてはならない大小様々な災難に遭います。生きているから、十分起こりうると思います。どのように受け入れて収めるのかが非常に重要で、今作は他の災難映画と“異なる領域”にあります」と、自信を持って話した。続けて「ハン監督が災難を乗り越えていく多くの人々の話を、本当に落ち着いて淡々と映画に収めたと思います。当時は、新型コロナウイルスの感染が拡大していた時期ではありませんでした。新型コロナウイルスという単語自体がなかったけれど、それにもかかわらず、とても興味深く感じました」と明かした。
また「船や汽車は、途中に港や駅にしばらく泊まることができますが、飛行機はいかなる接触もできません。地上にいる人々の心理的ジレンマがあります。早く救いたくても、できることに限界があります。なので、地上の人々のジレンマに重点を置きました。悲しく感情的にしたり、理性的になりすぎてもいけませんでした。適切に表現しようと、ハン監督とよく話を交わしていました」と話した。
「宇宙+人」「ハンサン ―龍の出現―」から「非常宣言」「ハント」まで、韓国の映画大作が相次いで劇場街に出撃している。ソン・ガンホは“夏の映画大戦”に合流した感想を聞くと、「韓国映画界に恵みの雨のような作品が紹介されています。空言ではなく、すべての作品が観客に愛されて認められることを心から願っています。想いのこもった多くの作品が、新型コロナウイルスの感染拡大による暗い雰囲気の中で公開され、光を浴びることがなかったです。競争というより、すべての努力が無駄にならないことを心から願っています」と語った。
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インホは、地上で間接的に災難を克服するために頑張る。「最初は飛行機に乗りたいと思いました」と、打ち明けたソン・ガンホは「イ・ビョンホンを見て『羨ましい』と話しました。一度も外に出ることなく、セット会場で楽に演じることができて、羨ましかったです」と話した。「しかし、実際に飛行機の中を見ると、本当に怖かったです。地上にいて幸せだと思いました。僕も地上で結構苦労しました。追撃戦も繰り広げ、雨にも降られました」と笑った。実際、追撃戦で足を負傷した彼は「塀を越える過程で、足にけがをしました。塀から落ちて足を引きずりながら再び追いかけましたが、実際足を負傷した状態でした。真夏だったにもかかわらず、皆が情熱的に、一生懸命やってくれて、良いシーンに仕上がりました」と、苦労を振り返った。
また、「韓国映画の撮影現場は、安全面に対して非常に敏感です。少しでも危険要素があれば、何度も実験を通じて、(安全であることを確認してから)撮影します。今回のシーンも安全が確保された状態で撮影しました。いつも意図せず、大したことではないことで、負傷することになります。塀を越える時も、高い塀ではなかったです。後ろにマットレスが数枚も敷かれていました。簡単に超えられると思ったから、けがをしました」と話した。
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今作には、娘と一緒に飛行機に乗ったジェヒョク役を演じるイ・ビョンホン、国土部長官のスクヒ役を演じる女優のチョン・ドヨン、テロ犯のジンソクとして強烈なイメージチェンジを果たすイム・シワンなど、超豪華俳優陣が出演する。ソン・ガンホは、映画「弁護人」で共演したイム・シワンとの再会について「映画『犯罪都市 THE ROUNDUP』に、ソン・ソックさんがいらっしゃるのならば、『非常宣言』にはイム・シワンさんがいます。あまりにも素晴らしく、強烈に演じてくれたので称賛しました。尋常でない演技力を披露してくれました」と絶賛した。続けて「チョン・ドヨンについては“韓国の最高の女優”です。いつも演技に哲学が込められていると思いました。演技に先立って、人物に対する哲学的な理解が深いです。他の作品に比べて役割は大きくないですが、国土部長官としての適切な演技のラインを見つけて、立派に演じてくれました」と付け加えた。
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ハン監督とは3度目の作品だが、彼は「監督としての姿勢や態度に根気があります。映画「優雅な世界」の時から、とても好きでした。芸術家としての敏感な感覚、粘り強い情熱があります。若いのにもかかわらず、普段から学ぶことが多いですし、尊敬しています」と話した。また「ハン監督の熾烈な努力と情熱がそのまま込められています。イ・ビョンホン、チョン・ドヨン、イム・シワンをはじめ、共演する俳優たちとスタッフみんなの驚くべき能力は、どの映画よりも自信を持って紹介できます。皆の努力と情熱が、絶対に無駄な時間にはならないはずです。普段気付いていなかった大切な価値とは何なのかを感じて頂けますと、それほど大きな喜びはないと思います」と述べた。
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- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- ヤン・ユジン
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