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ペ・ドゥナ、実話をモチーフにした映画「あしたの少女」に出演…涙目で語る“同じことが起きてほしくない”

マイデイリー
写真=ツインプラスパートナーズ(株)
女優のペ・ドゥナが映画「あしたの少女」に込めた想いについて語った。

最近、ソウル鍾路(ジョンロ)区小格洞(ソギョクドン)のあるカフェで、映画「あしたの少女」の主演を務めたペ・ドゥナと会った。

同作は、コールセンターに現場実習へ行くことになった女子高生のソヒが体験する事件と、これを調査する刑事ユジンが同じ空間、違う時間の中で体験する強烈な物語を描く。2017年、全州(チョンジュ)の大手企業の通信会社のコールセンターの現場実習に行った高校生が、その後約3ヶ月で極端な選択をした事件をモチーフにしている。

彼女はソヒの最後の数ヶ月間の足跡を調べる刑事ユジン役を演じる。以前、ダンスの練習室で偶然ソヒに出会ったユジンは、学校、コールセンター、教育庁を訪れ、ソヒの死は明確な社会問題だと主張し、捜査拡大のために勇敢に戦う。

映画「私の少女」以来、チョン・ジュリ監督と再会したペ・ドゥナは「監督から連絡がなくて、元気に過ごしているのか、わかりませんでした。相変わらず私を覚えて呼んでくださったので、毎日連絡する間柄よりも感動しました。ありがたかったです」と出演を決めることになった過程を振り返った。

彼女はチョン・ジュリ監督に「仲間愛を感じました」とし「映画を撮る際、俳優は自分の撮影だけをして帰る場合が多いのですが、今作は最初から最後まで仲間のように見守りました。商業映画界から多額の投資を受けたり、期待作ではありません。なので、私たちが乗り越えていかなければならないことがたくさんありました。それでも“折れない心”がありました。監督がすごく頼もしかったです。妥協をしませんでした。『私の少女』の時よりも、リーダーシップが高く見えました。8年前の監督は恥ずかしがり屋でしたが、今は引っ張っていかなければならないというリーダーとしての責任感が強くなっていました。素早く、ストレートに指示してくださいました」と話した。

映画「私の少女」(2014年)からドラマ「秘密の森~深い闇の向こうに~」(2017年)、映画「ベイビー・ブローカー」(2022年)、「あしたの少女」まで、相次いで刑事役に扮したペ・ドゥナは 「ポジティブに考えています。監督が伝えたいことがある時、公職に就いている役柄を作ると思います。実際、刑事は主人公というより、事件を眺める第三者の役柄の場合が多いです。20代から主に“観察者”の役柄を演じてきました」と話した。

続けて「オファーを受けたものの中から選ぶのですが、なんとなく受け入れるようになりました。あえて刑事役だからと言って断ったり、異なる演技をしなければならないとは思いませんでした。職業というだけで、どんなキャラクターなのかが重要だと思っています」と強調した。

劇中のユジンについては「社会にあまり馴染めない人でした。『私の少女』のヨンナムより、遥かに寂しかったと思います。世の中に母と2人きりで、10年間も母の看病をしていました。警察本庁に居ましたが、社会生活をあまりしてこなかった人物です」と紹介した。

彼女は先日、マスコミ向け試写会で「わざと映画を観ませんでした」と話した。「スケジュール表を見たら、試写会の次に記者懇談会とフォトタイムが予定されていました。映画を観たら泣きそうだったので。写真は一生残ってしまいますから」という理由からだった。

映画のモチーフになった全州コールセンター実習生死亡事件は、SBS「それが知りたい」でも扱われた。しかし、ペ・ドゥナは「今作の撮影を終えたからその放送を見ました」とし「映画が実話をモチーフにしているとしても、ある程度フィクションが含まれているので、固定観念にとらわれるのを恐れてわざと見ないようにしていました」と付け加えた。

また「監督が取材記者が書いた本を読んで、インスピレーションを受けたと言っていました。監督の文章を読んで、感情的にソヒとユジンの行動に納得することができました。理解できない部分はありませんでした」と伝えた。

映画の前半ではソヒの話に集中し、後半はユジンがリードする。彼女はこのような展開が「プレッシャーでしたし、心配でもありました。観客の皆さんが私が出てきた地点から感情面でついて来なければならないんです。リアルな演技で、私が感じたことをそのまま観客に伝えようとしました。なので、ユジンが最初から出てくるよりも、はるかに斬新で良かったです」と話した。

同作は、韓国映画としては初めて「カンヌ国際映画祭」批評家週間の閉幕作選定をはじめ、「第42回アミアン国際映画祭」で3冠、「第26回ファンタジア国際映画祭」で2冠、「第23回東京フィルメックス」の審査委員特別賞を受賞、「第59回台北金馬影展」の公式招待などで注目を集めている。ペ・ドゥナは「韓国国内での公開が一番緊張しています。海外の映画祭で良い評価を受けるのももちろん嬉しいですが、韓国の観客からの評価が残っています」と打ち明けた。

彼女はソヒ役を演じる新人女優キム・シウンについて「自分の演技はモニタリングしなくても、シウンの演技はモニタリングしました。本当にびっくりしました。初めての映画であんなに演技が上手なんて。堂々としていて良かったです」と絶賛した。

また「シウンを通じて、ソヒの純粋で一生懸命戦おうとする覇気が伝わってきました。上手でした。彼女の演技を見て確信しました。この映画は本当に良い映画になると。監督に早く編集して映画祭に出してみるよう話しました」と満足げに語った。

依然として社会と大人から保護されずにいる現場実習生たちに伝えたい言葉はあるかと尋ねると「“次”のソヒが出てほしくないという気持ちで作った作品です」とし、慎重に切り出した。彼女は「撮影後に思ったのが、ソヒと同じ境遇にいても、そのような選択をしなかった人がいるはずです。『耐えてくれてありがとう』と思いました。この映画が、そんな耐えている人々の慰めになれば嬉しいです」と目頭を赤くした。

元記事配信日時 : 
記者 : 
ヤン・ユジン
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