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キム・ジュリョン「カジノ」でチェ・ミンシクと共演“生きた演技を傍で見れただけでも意味があった”【ネタバレあり】

TVレポート
※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
写真=Justエンターテインメント
Netflix「イカゲーム」でハン・ミニョ役を演じ、強烈な印象を残したキム・ジュリョン。彼女は今回、「カジノ」で韓国人社会でゴシップを言いまくるコリアタウンの焼肉屋の社長を演じた。

彼女はソウル江南(カンナム)区のあるカフェでインタビューを行った。キム・ジュリョンはチャ・ムシクの人生に渦巻きを起こす事件の火種になるチン・ヨンヒ役を務め、もう一つ女優人生を代表するキャラクターを追加した。以下はキム・ジュリョンの一問一答である。

――「カジノ」出演のきっかけは何ですか?

キム・ジュリョン:チン・ヨンヒ役のオファーを受けました。台本が面白かったんです。初対面の席でカン・ユンソン監督に「やりましょう」と言われました。台本がよかったですし、本物っぽいと思いました。実際に存在していそうな人物なので、興味深く思えました。「カジノ」に登場する人物が170人くらいだと聞きました。これがどう具現化されるのかも気になりました。またカン・ユンソン監督、チェ・ミンシク先輩と一緒に仕事がしたいと思いました。特にチェ・ミンシク先輩との共演は全ての俳優が望んでいることではないでしょうか、同じフレームの中で演技するのは。彼は私の学校の先輩で、彼が主演を務めた「ザ・メイヤー」で私は代弁人役を演じました。当時はセリフなしでただ追い回すくらいの水準だったけれど、私が出世して今回はチェ・ミンシク先輩と同じシーンの中で対話をしました。もっと多くのシーンを一緒にやりたくて、監督にシーンを増やしてほしいとおねだりもしましたが、個人的な望みでした。今度は先輩ともっと長く会える作品に出演したいです。

最近チェ・ミンシク先輩とのプライベートな食事の席で、「演劇がしたいけれど、僕が誘ったら君もやるか」と聞かれました。私は「すごくやりたいです」と答えました。いつになるかは分からないけれど、そんなことを真剣に考えているようです。媒体ではなく、舞台の上で会えれると考えるともっとワクワクします。チェ・ミンシク先輩は現場でチャ・ムシクそのものとして存在し、一緒に演技をしたシーンは多くはないものの、傍で彼の演技を見ていると、思わず口が開いてしまいます。これだからチェ・ミンシク、チェ・ミンシクと言われているんだなと。本当に生きた演技を傍で見れただけでも意味があります。

――「カジノ」が海外でも好評を受けています。

キム・ジュリョン:感謝しています。たくさん見ていただいて、楽しんでいただくと、俳優としてそれほど嬉しいことはありません。170人のキャラクターが、みんな上手くやってくれました。全ての俳優たちに拍手を送りたいです。普通にいそうな人物を全て表現してくれて、俳優を見るのも面白かったです。世界の多くの方々に見ていただいて嬉しいです。ファンの方々が多く関心を持ってくださったり、アメリカの知人にも面白かったと言われました。

――OTTのジャンル物にとりわけたくさん出演されていますね。

キム・ジュリョン:どうしてでしょうか。私もよく分かりません。私は小心者で、涙も多くて、情が厚いタイプです。私も安らかな演技をしたいのですが……。まだ公開されてないけれど、今までとは異なる雰囲気の演技をやりました。どのように見ていただけるかは分かりません。それもキム・ジュリョンだろうけれど。実は以前も強い役をたくさんやりました。ファン・ドンヒョク監督のせいだと思います。彼が私をそんなふうに使いましたから。「カジノ」は「イカゲーム」の出演後に一番最初にオファーを受けた作品でした。ハン・ミニョを思い出してチン・ヨンヒ役を提案したわけではないと言われました。でも影響は受けたと思います。刻印されたでしょうし。「『イカゲーム』を楽しく見た。一緒に仕事をしてみたい」と提案してくれました。

――「イカゲーム」がヒットした後、浮かれてしまうことはありませんでしたか?

キム・ジュリョン:それも事実です。そうなればなるほど落ち着かなければならないとも思いました。次回作はそんなふうに選びたくなかったんです。全てがうまく合って「イカゲーム」が成功しただけで、私がうまかったから成功したわけではありません。今からが始まりだと思っています。自分にできること、自分が上手なことだけをやるという意味ではありません。私には無謀な挑戦意識があるんです。スケジュールが許す限り、多くの作品に出たいです。大衆と業界に“キム・ジュリョン”という俳優を紹介したくらいです。多くの方々に親しく近づきたいですし、たくさんお見せしたいです。「カジノ」の出演もそんなに悩みませんでした。

OTT作品ばかり選んでいるわけではありません。「イカゲーム」でヒットしたからか、オリジナルシリーズで私を求めているのかと少し思ったけれど、私は選ばれる人です。タイミングも合わなければならないし。「私はOTTしかやりません」というわけではありません。

――チン・ヨンヒというキャラクターを演技してみていかがでしたか?

キム・ジュリョン:ミン会長殺人事件の火をおこす役割です。チン・ヨンヒじゃなかったら起きないことです。そういう面で意味がある役割でした。チン・ヨンヒは(事件後)不安に思ったり、苦しんだりするじゃないですか。元々そういう人なんです。計画的な人物ではありません。監督もそこ(フィリピンの韓国人社会)にいそうな、平凡なおばさんであってほしかったと言いました。ドラマチックな演技はやめて、力を抜いてほしかったそうです。「本物のように表現してほしい」と。

シーズン1ではみんな予想できませんでした。「まさか(チン・ヨンヒが)こんな風に終わるわけではありませんよね?」って。シーズン2を最後まで見てほしいです。そんな風に消えてしまう人物ではないと答えました。フィリピンに住んでいる韓国人たちの生活はよく知らないじゃないですか。リアルに表現するためにはどうすればいいか悩んだけれど、最近はフィリピンに住んでいる方々、自営業をしている方々もYouTubeに映像を載せてくれているんです。それをたくさん見ました。その方々の言い方や日常を見ました。監督は撮影前にフィリピンで実際にそこに住んでいる韓国人たちにインタビューをたくさんしてからセリフの作業をしたそうです。

チン・ヨンヒの赤いボブヘアはウィッグです。俳優たちも驚きました。私の髪の毛だと思っていたそうです。最初は脱色した黄色い髪にすることにしてウィッグを作りに行ったけれど、その色は似合わないと思って赤い色を提案し、ウィッグを作る際に色を変えました。現場でもいい選択だったと、何より私に似合うという反応でした。チン・ヨンヒっぽく見えたと思います。

――アメリカ在住の経験はあるものの、英語で演技をするのは初めてです。大変ではありませんでしたか?

キム・ジュリョン:フィリピンの英語はアメリカの英語と違います。フィリピンのイントネーションを生かしたくて、フィリピン人の俳優に教えてもらいたかったです。ところがそこまではできなくて残念でした。努力はしたけれど、思った通りにはいきませんでした。

英語での演技は人生初めてで、シーンの数も少なかったけれどプレッシャーが大きかったです。でも自分なりにたくさん準備をしました。夫にもサポートしてもらいました。夫に「英語を韓国語のように言って」と言われました。チェ・ミンシク先輩の英語がそういう英語です。本当に韓国語のように聞こえるんです。でも基本は演技ですし、異なる音で出るだけであって、それを今回知ったので、次はもっとうまくできると思います。自分なりに学んだことがあるので良い経験でした。「(英語の演技は)2度としたくありません」ではなく、またやってみたいです。(英語のセリフだから)相手のセリフがうまく聞き取れない代わりに、相手の眼差しと息に集中するようになりました。それにより新しいものが仕上がりました。今後は英語をより流暢に話したいです。

韓国ドラマの存在感もだいぶ大きくなりました。以前はひっくるめてアジア俳優と呼ばれていたとすれば、今は韓国俳優を別途に考えます。彼らはすでに私たちがネイティブじゃないと認めています。今は「コリアン式の英語を話して」と注文されていると聞きました。アメリカの俳優たちも国別の英語をそれぞれ違うように表現します。そのため(韓国俳優に)もっと機会が多くなりました。

――キム・ジュリョンさんに気付く人は多かったですか?

キム・ジュリョン:フィリピンには2週間いたのですが、本当にたくさんの方々が私を知っていました。マスクをしていても「イカゲーム」だと言って気づいていました。食堂に行っても私を見るために皆さんが立っていたりして、私なんかのために。俳優生活の中でこんな経験はしたことがありませんでした。チェ・ミンシク先輩に「写真でも一緒に撮ってあげなさいよ」と言われました。むしろ韓国よりフィリピンでもっと実感しました。私を見て喜んでいる方々を見て身の置き所がない感じがしました。今でも(気づかれることに)慣れていません。最近でも地下鉄によく乗るのですが、韓国では配慮をしてくれるのか、気楽に歩いています。主に2号線に乗っています。運転が下手なので。

――「イカゲーム」「エージェントなお仕事」に続いて「カジノ」まで。ホ・ソンテさんとの3回目の共演でしたね。

キム・ジュリョン:監督がわざと(そのシーンを)入れたようですが、私は特別聞きませんでした。チン・ヨンヒがいなくてもいい席だったじゃないですか。会った時にただ「来たの?」と言いました。ホ・ソンテさんも(フィリピンで)たくさん気づかれたと言っていました。「エージェントなお仕事」でホ・ソンテさんに会ったのは意図されたことでした。視聴者のための一種のサービスだったんです。

――170人のキャラクターが登場しますが、女性のキャラクターはあまりいませんでしたね。

キム・ジュリョン:どの作品であれ、目立とうとしてはいけないと思っています。「カジノ」はチャ・ムシク中心のストーリーだということを知ってから取り組んだ作品です。作品自体が私を引きつけました。監督によってやり方が異なるので、経験が大事だと思います。カン・ユンソン監督は現場でセリフもたくさん変えたり、俳優たちに好きにやってみてと許してくれるタイプです。本人が思う骨格に触らない限りオープンです。私にも俳優としての収穫がありました。柔軟になれるということ。今回の作品でたくさん学びました。

俳優の欲としては、女性のキャラクターであることはともかく、チン・ヨンヒのストーリーに加えたいものがあったので、最初に監督に話したことはありますね、カットされましたけど。監督は全ての役があまりにもドラマチックに見えるのを避けたいと思っていたからです。自分にできる役をうまく表現し、見せなければと思いました。この平凡な女がどうやって殺人事件に巻き込まれたのか、突拍子もなく映し出されるようなことがなければいいと思っていたので、どうすれば(視聴者が)自然に受け入れるだろうかと考えました。人間の馬鹿馬鹿しい面をチン・ヨンヒが見せてくれたと思います。もちろん絶対に平凡な女ではありません。マフィアのボスと付き合っている女ですから。

――チン・ヨンヒと実際のキム・ジュリョンさん、似ているところはありますか?

キム・ジュリョン:だいぶ違います。私は臆病で涙もろくて。夫が死んでも、マフィアのボスと付き合ったりはしないと思います。もちろん理解はできます。他国で女ひとり生きるのは大変だろうから、自分なりの方法だったと思います。でもキム・ジュリョンなら、夫が死んだら全て整理して韓国に戻ったと思います。もちろん大きなことに対しては大胆なタイプです。細かいことはなかなか決定できないけれど、大きなことは大胆に決定するタイプです。

――海外ロケの経験はどうでしたか?

キム・ジュリョン:よかったです。海外に仕事で行きたいと思っていたけれど、その夢を初めて実現させてくれた作品が「カジノ」です。フィリピンの現地スタッフがとても親切で、仕事も上手でした。現場の進行をうまくやってくれました。暑さに強いタイプなので他のスタッフたちは暑さで苦しんでいたけれど、私はフィリピンでの生活を楽しみました。同じ時期に「代理リベンジ」の撮影にも参加していたのですが、ありがたいことに私のシーンをまとめてくれたのでフィリピンに2週間いられました。海外ロケにはまた行きたいです。

元記事配信日時 : 
記者 : 
パク・ソリ
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