「ハイクッキー」ナム・ジヒョン“30代になったらもっと様々なジャンルができると思う”
女優ナム・ジヒョンのチャレンジ精神が輝いた。彼女は「ハイクッキー」を通じて演技スペクトルを広げ、自身のフィルモグラフィーに新しいカラーを追加した。
ナム・ジヒョンは、U+モバイルTVオリジナルドラマ「ハイクッキー」で、妹を救うためにクッキーの沼に飛び込んだ少女チェ・スヨンを演じた。
「ハイクッキー」は、一口かじるだけで夢を叶えてくれる謎の手作りクッキーが、エリート高校を飲み込むことから繰り広げられる物語を描く。同作は人間の欲望を叶えてくれるクッキーというユニークな題材と立体的なキャラクター、予測不可能なストーリー、俳優たちの熱演を通じて、クッキーが作った沼の中でそれぞれの欲望にもがく人間を描いた。
ドラマ「シスターズ」を通じて強烈なキャラクターを披露して、ジャンル物まで演じこなし、“信頼できる女優”と評価されている彼女は、複雑な人物の感情と心をそのまま伝えて共感を呼び、自身の存在価値を証明した。
「ハイクッキー」は、ナム・ジヒョンに運命的にやってきた作品だ。2022年「シスターズ」に出演し、ジャンル物への出演が多すぎるのではないかと思っていた彼女は、ドラマチックなものより生活に密着した、負担感のない作品を中心に検討していた。その時にオファーが入った作品が「ハイクッキー」だった。彼女は「前作のキャラクターとは反対の状況にあるキャラクターなので、この作品までは良いと思っていただけるんじゃないかと思いましたし、個人的な欲もあって選択しました」と明かした。
ナム・ジヒョンは「ハイクッキー」を選択する前にエンディングについて尋ねたという。彼女は「ハッピーエンドであってほしくなかったので聞いてみたんですけど、ハッピーエンドなのかサッドエンドなのかは言えませんが、クッキーを売ったのは悪いことなので、罪は償うと聞きました」とし、「悪いことをしたのなら責任を取るべきだと思います。ホス(チェ・ヒョヌク)もそうだし、スヨンもミニョン(チョン・ダビン)も、作品の中のキャラクターはみんなヴィランだと言えます。それぞれの事情はありますが、間違ったことを選択した人物なので、それに対する責任は取らなければならないと思います。だから、出演する前に間違ったことに対する責任を取るかどうかを尋ねたのです。悪いことに対する責任はすべてのキャラクターが負うので、心配しなくていいと言われました」と語った。
「ハイクッキー」でナム・ジヒョンは、今まで私たちが知っていた彼女のイメージを完全に打ち破る。これがまさに「ハイクッキー」を通じたナム・ジヒョンの最初の挑戦だった。彼女は、「見せたいものをお見せすることで終わるのではなく、見ていただく方にそのように受け止めてもらってこそ完成だと思います。『シスターズ』で演じたインギョンが正義感にあふれていて、他の人は見られない真実を追っていく、大きくて芯のあるキャラクターだとしたら、『ハイクッキー』のスヨンは個人的な欲望に偏っています。そんなキャラクターは今までやったことがなかったので、やりたいと思いました。その過程で劇的な状況を迎えます。叔母さんの殺人まで考えて刃物を持っていく姿や、クッキーを売りながら学校生活に染まっていく姿、妹に見せる二面性などがあります。極めて個人的な欲望にこだわる人はどんな感じなんだろうと思いました。ジェットコースターのように極と極を行き来して、そういうことが納得できました。表現する時は、見ていただく方々が違和感を持ってはいけないので、どれくらいのギャップがあるべきか、感情のズレがあるべきかを話し合いながら撮影しました。新鮮に思っていただいた方が多くて、とても感謝しています」と語った。
2つ目の挑戦は、演技の方法を変えたことだ。デビュー20周年を前にしたナム・ジヒョンにとっては新しい挑戦であり、大きな挑戦だった。彼女は「これまでは、まず理解してから演技をしてきたんですけど、『ハイクッキー』では違いました。まずはその状況に集中して、『スヨンが行ったり来たりするのはおかしくないから、その瞬間と状況に集中しよう』と思いました。論理を突き詰めていくと矛盾することが多いので、状況ごとに変えていったら全体として見たら立体的に出来上がると思い、難しいというよりは、その状況に集中しました。どこかにはスヨンほど大変ではなくても、このような生き方をしている人もいると思うので、違和感を持ったり、共感できないとは思いませんでした」と説明した。
ナム・ジヒョンは「『ハイクッキー』を通じて挑戦したことが多かったです。キャラクターが直面した状況を演じたこと以外では、演技の仕方、表現の仕方にも、今までしていなかったものがありました。だから、モニタリングするために待っていたドラマです」と明かした。
さらなる挑戦もあった。ナム・ジヒョンがメインになってドラマを引っ張っていくのも「ハイクッキー」が初めてだった。彼女は「プレッシャーが全然なかったと言えば嘘になるでしょう。登場シーンがすごく多かったのですが、ありがたかったです。個人的なキャラクターのストーリーが詳しく出てくるという意味なので、問題は体力との戦いでした。でも、ノウハウは多いので、うまく調整しながらやったと思います。終盤に進むにつれて、スヨンによりついていく感じでした。感情の変化がドラマチックな人ですし、状況の転換も早いドラマなので、見てくださる方に、できるだけ自然に受け止めていただけるように工夫しました。公開されるまでは緊張もしました。ストーリーをメインになって引っ張っていくのは初めてだったので、『ハイクッキー』が出発点になってくれました。監督を信じていましたし、ポストプロダクション(撮影後の作業の総称)の方々の力もあるので、信頼してお任せしました」と語った。
「ハイクッキー」を通じて大きく3つの挑戦をしたナム・ジヒョン。「さすがナム・ジヒョン」という好評が多いのはそのためだ。作品を見る目も良いと評判のナム・ジヒョン。彼女の専攻である「心理学」の影響はなかったのだろうか。彼女は「いつも『君はなぜそのように育ったの?』と考えるようにと言われます。卒業する頃に思ったのは、仕事(演技)をするのは他人のことを考えることがほとんどなのに、学校に戻ってきたら、いつも自分に質問をしていることです。自分自身を掘り下げるしかありませんでした。自分自身を理解する上ですごく役に立ちました。自分自身を知らないと、演技も難しいと思いました。自分の性格ともよく合います」と語った。
「簡単に得られたものは簡単に失う」という考えで愚直に歩んでいるナム・ジヒョン。その歩みのスピードは遅くても後戻りはしない。彼女は「個人的な欲望は大きくないんです。役者としても大きくないんですけど、これが小さいというより、ゆっくりだと思っています。この職業は、願うものが多ければ多いほど失望も大きいので、遠い未来を描くより、一歩ずつ踏み出すことが重要だと思います。カンヌ映画祭や大きな舞台に行って何かができたら光栄ではあると思いますが、良いタイミングで来てほしいと思います。純粋に100%喜びとして受け止められるタイミングにそんなことがやって来たらいいなと思います」と語った。
デビュー20周年については「『わあ』とは思いますが、感慨深いという感じではないんです。現場でのニックネームが先生です」と話して笑ったナム・ジヒョンは、「2024年はデビュー20周年でもありますが、30歳になります。20代の頃は渇望するものがありました。30代になると、どうしても20代よりは弱くなると思います。やりたいキャラクター、ジャンルがあるのかと聞かれると、はっきりと答えられなかったんです。自分がやりたいからと言ってできるものではないですから。30代になったら、もっと様々なジャンルができるんじゃないかと思います。人生の経験をもっと豊かにしなければならないと思っています」と語った。
ナム・ジヒョンは、U+モバイルTVオリジナルドラマ「ハイクッキー」で、妹を救うためにクッキーの沼に飛び込んだ少女チェ・スヨンを演じた。
「ハイクッキー」は、一口かじるだけで夢を叶えてくれる謎の手作りクッキーが、エリート高校を飲み込むことから繰り広げられる物語を描く。同作は人間の欲望を叶えてくれるクッキーというユニークな題材と立体的なキャラクター、予測不可能なストーリー、俳優たちの熱演を通じて、クッキーが作った沼の中でそれぞれの欲望にもがく人間を描いた。
ドラマ「シスターズ」を通じて強烈なキャラクターを披露して、ジャンル物まで演じこなし、“信頼できる女優”と評価されている彼女は、複雑な人物の感情と心をそのまま伝えて共感を呼び、自身の存在価値を証明した。
「ハイクッキー」は、ナム・ジヒョンに運命的にやってきた作品だ。2022年「シスターズ」に出演し、ジャンル物への出演が多すぎるのではないかと思っていた彼女は、ドラマチックなものより生活に密着した、負担感のない作品を中心に検討していた。その時にオファーが入った作品が「ハイクッキー」だった。彼女は「前作のキャラクターとは反対の状況にあるキャラクターなので、この作品までは良いと思っていただけるんじゃないかと思いましたし、個人的な欲もあって選択しました」と明かした。
ナム・ジヒョンは「ハイクッキー」を選択する前にエンディングについて尋ねたという。彼女は「ハッピーエンドであってほしくなかったので聞いてみたんですけど、ハッピーエンドなのかサッドエンドなのかは言えませんが、クッキーを売ったのは悪いことなので、罪は償うと聞きました」とし、「悪いことをしたのなら責任を取るべきだと思います。ホス(チェ・ヒョヌク)もそうだし、スヨンもミニョン(チョン・ダビン)も、作品の中のキャラクターはみんなヴィランだと言えます。それぞれの事情はありますが、間違ったことを選択した人物なので、それに対する責任は取らなければならないと思います。だから、出演する前に間違ったことに対する責任を取るかどうかを尋ねたのです。悪いことに対する責任はすべてのキャラクターが負うので、心配しなくていいと言われました」と語った。
「ハイクッキー」でナム・ジヒョンは、今まで私たちが知っていた彼女のイメージを完全に打ち破る。これがまさに「ハイクッキー」を通じたナム・ジヒョンの最初の挑戦だった。彼女は、「見せたいものをお見せすることで終わるのではなく、見ていただく方にそのように受け止めてもらってこそ完成だと思います。『シスターズ』で演じたインギョンが正義感にあふれていて、他の人は見られない真実を追っていく、大きくて芯のあるキャラクターだとしたら、『ハイクッキー』のスヨンは個人的な欲望に偏っています。そんなキャラクターは今までやったことがなかったので、やりたいと思いました。その過程で劇的な状況を迎えます。叔母さんの殺人まで考えて刃物を持っていく姿や、クッキーを売りながら学校生活に染まっていく姿、妹に見せる二面性などがあります。極めて個人的な欲望にこだわる人はどんな感じなんだろうと思いました。ジェットコースターのように極と極を行き来して、そういうことが納得できました。表現する時は、見ていただく方々が違和感を持ってはいけないので、どれくらいのギャップがあるべきか、感情のズレがあるべきかを話し合いながら撮影しました。新鮮に思っていただいた方が多くて、とても感謝しています」と語った。
2つ目の挑戦は、演技の方法を変えたことだ。デビュー20周年を前にしたナム・ジヒョンにとっては新しい挑戦であり、大きな挑戦だった。彼女は「これまでは、まず理解してから演技をしてきたんですけど、『ハイクッキー』では違いました。まずはその状況に集中して、『スヨンが行ったり来たりするのはおかしくないから、その瞬間と状況に集中しよう』と思いました。論理を突き詰めていくと矛盾することが多いので、状況ごとに変えていったら全体として見たら立体的に出来上がると思い、難しいというよりは、その状況に集中しました。どこかにはスヨンほど大変ではなくても、このような生き方をしている人もいると思うので、違和感を持ったり、共感できないとは思いませんでした」と説明した。
ナム・ジヒョンは「『ハイクッキー』を通じて挑戦したことが多かったです。キャラクターが直面した状況を演じたこと以外では、演技の仕方、表現の仕方にも、今までしていなかったものがありました。だから、モニタリングするために待っていたドラマです」と明かした。
さらなる挑戦もあった。ナム・ジヒョンがメインになってドラマを引っ張っていくのも「ハイクッキー」が初めてだった。彼女は「プレッシャーが全然なかったと言えば嘘になるでしょう。登場シーンがすごく多かったのですが、ありがたかったです。個人的なキャラクターのストーリーが詳しく出てくるという意味なので、問題は体力との戦いでした。でも、ノウハウは多いので、うまく調整しながらやったと思います。終盤に進むにつれて、スヨンによりついていく感じでした。感情の変化がドラマチックな人ですし、状況の転換も早いドラマなので、見てくださる方に、できるだけ自然に受け止めていただけるように工夫しました。公開されるまでは緊張もしました。ストーリーをメインになって引っ張っていくのは初めてだったので、『ハイクッキー』が出発点になってくれました。監督を信じていましたし、ポストプロダクション(撮影後の作業の総称)の方々の力もあるので、信頼してお任せしました」と語った。
「ハイクッキー」を通じて大きく3つの挑戦をしたナム・ジヒョン。「さすがナム・ジヒョン」という好評が多いのはそのためだ。作品を見る目も良いと評判のナム・ジヒョン。彼女の専攻である「心理学」の影響はなかったのだろうか。彼女は「いつも『君はなぜそのように育ったの?』と考えるようにと言われます。卒業する頃に思ったのは、仕事(演技)をするのは他人のことを考えることがほとんどなのに、学校に戻ってきたら、いつも自分に質問をしていることです。自分自身を掘り下げるしかありませんでした。自分自身を理解する上ですごく役に立ちました。自分自身を知らないと、演技も難しいと思いました。自分の性格ともよく合います」と語った。
「簡単に得られたものは簡単に失う」という考えで愚直に歩んでいるナム・ジヒョン。その歩みのスピードは遅くても後戻りはしない。彼女は「個人的な欲望は大きくないんです。役者としても大きくないんですけど、これが小さいというより、ゆっくりだと思っています。この職業は、願うものが多ければ多いほど失望も大きいので、遠い未来を描くより、一歩ずつ踏み出すことが重要だと思います。カンヌ映画祭や大きな舞台に行って何かができたら光栄ではあると思いますが、良いタイミングで来てほしいと思います。純粋に100%喜びとして受け止められるタイミングにそんなことがやって来たらいいなと思います」と語った。
デビュー20周年については「『わあ』とは思いますが、感慨深いという感じではないんです。現場でのニックネームが先生です」と話して笑ったナム・ジヒョンは、「2024年はデビュー20周年でもありますが、30歳になります。20代の頃は渇望するものがありました。30代になると、どうしても20代よりは弱くなると思います。やりたいキャラクター、ジャンルがあるのかと聞かれると、はっきりと答えられなかったんです。自分がやりたいからと言ってできるものではないですから。30代になったら、もっと様々なジャンルができるんじゃないかと思います。人生の経験をもっと豊かにしなければならないと思っています」と語った。
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- チャン・ウヨン
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