イ・ジョンソク“「ハイキック3」で僕の点数は20点”
俳優イ・ジョンソクにとってMBCシットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディドラマ)「ハイキック3~短足の逆襲」(以下「ハイキック3」)はどのような意味を成したのだろうか。
「ハイキック3」はイ・ジョンソクにとって、初めてシットコムに挑戦した作品であり、周りからの期待だけではなく、自身も“シットコムの大家”であるキム・ビョンウク監督の作品に出演するという光栄を味わった。彼は誰かに片思いをしている時に感じる、とても辛くて、寂しい感情を「ハイキック3」を通じて学んだと言う。作品への愛情だけではなく、演技に対する意欲も強かった。また、「ハイキック3」での役に集中すればするほど、思わぬ成長でスランプに陥ったこともある。
約6ヶ月、性格がきつい純愛タイプのアン・ジョンソクとして生きてきた彼が、イ・ジョンソクに戻ってきた。
―「ハイキック3」にキャスティングされた当時の気持ちは?
イ・ジョンソク:本当に嬉しかったです。僕の周りの人はもちろんのこと、新人俳優たちはほとんど「ハイキック3」のオーディションを受けたと思います。後から聞いたのですが、監督が僕から男らしさを感じたとおっしゃってくださいました。そういうところが強みになったらしいです。
―「ハイキック3」キム・ジウォンとの恋愛関係は進まなかった。
イ・ジョンソク:それでも残念だとは思っていません。でも、ロマンチックな部分を表現したら良かったかもしれないとは思います。僕がまだ両思いの愛を演じたことがないんですが、やってみたいです。とても甘い演技を(笑) そうだ。一つ残念なところがありますが、劇中で僕からジウォンに告白すると思ってたんですけど、ジウォンが先に『先輩、私のこと好き?』と気づいてしまったんです。たとえ、二人の恋が始まらなくても、男らしく告白をしてみたいと思ったんですが、そうすることができなくて、なぜか情けない男になった気がしました。
―アン・ジョンソクのキャラクターに満足したか。
イ・ジョンソク:アン・ジョンソクが、「ハイキック3」で他のキャラクターと比べて、一番最初に成長をした気がするし、その成長の幅が最も大きかったと思います。一番先に逆襲をしたキャラクターではないかと思います。はっきり何かを成し遂げたということよりは、今まさに成人となったばかりの人としての悟りが多かったようです。
―恋愛模様が絡まっていたが、実際に微妙な雰囲気はなかったか。
イ・ジョンソク:微妙な雰囲気ですか? なかったです。7ヶ月近く一緒に過ごしてきて、いつも和気藹々とした雰囲気でした。凄く親しい仲間だからか、そんな段階はすでに過ぎたと思います。きっかけということもなく、普通のセットでの撮影で、24時間一緒にいたら自然に親しくなりました。一番最初に(カン)スンユンがスジョン(クリスタル)と親しくなりました。
―「ハイキック3」でキム・ジウォンに片思いしながら、実際に感情の動揺を感じたことがあるか
イ・ジョンソク:たまにそういう時があります。急に、役に没頭する時があるのですが、カッとなりました。一度こんなことがありました。ゲサンとジウォンが一緒にいるところをジョンソクが眺めるというシーンの撮影を控えて、ぼうっとしていたんですが、撮影に入ると、なぜかカッとなってしまったんです(笑)
―自ら思うジウォンとのエピソードの中で記憶に残るシーンは何か?
イ・ジョンソク:ジョンソクの卒業式でのエピソードです。ジウォンを連れて海に行ってまたスクーターに乗ってソウルに戻る時にナレーションで『自分の弱い心と他人に対する競争、嫉妬から卒業する』という台詞を言いました。そのシーンがとても心に響きました。
―イ・ジョンソクが描いた結末は?
イ・ジョンソク:アン・ジョンソクが南極に旅立つことです(笑) 冗談です。特に考えたことはないです。皆さんは前作が悲しい結末を迎えたので「ハイキック3」もそうなることを予想したと思うのですが、どんな結末であれ、それなりの意味があると思います。
―反応が前作ほどではなかった。何が原因だと思うか。
イ・ジョンソク:僕は作品に出演をする時、あまり多くのことを考えたりしません。今十分に満足しており、たとえ前作より人気が無かったとしても、僕はあまり関係なかったと思います。もちろん多くの方が愛して下さればと思う時もありますが、それは僕の領域ではないでしょう。僕は単に作品と台本に最善を尽くすだけです。あえて理由を探そうとするなら、前作に比べて少し重い内容で演技をするからじゃないかな? エピソードごとにテーマが明確にあったし、教訓を含んでいました。韓国の人々はシットコムを視聴しながら笑いたいのに、そういう面で満足できなかったのだと思います。
―「ハイキック3」のほとんどの出演俳優の知名度が高まり、人気を得たと思う。誰が一番恩恵を受けたと思うか?
イ・ジョンソク:どうしても(パク)ハソンさんです(笑)
―誰が一番シットコムでのキャラクターに似ていているか。
イ・ジョンソク:劇中のキャラクターと実際の姿が似た人は全くいない気がします。強いて言えば僕が一番劇中のキャラクターに似ていると思います。僕も劇中のアン・ジョンソクのように腹が立つと大騒ぎします。ハハ。
―「ハイキック3」で物凄く存在感のある人は誰だと思うか。
イ・ジョンソク:ユン・ユソン先輩です。常に後輩たちの面倒を見てくれるし、最初から今まで本当に天使のように優しい方です。
―“プインプイン”(かわいこぶって愛嬌を振りまく様子を表す新造語)という流行語が誕生した。多くの反応を得て、もう一つの流行語を作ってみたいという欲はなかったか。
イ・ジョンソク:流行語に対する欲はなかったです。後半にそれ(プインプイン)をしていたら、こんなにたくさんの反応を得ることができなかったと思っていますが。僕が前作SBSのドラマ「シークレット・ガーデン」で演じたイメージが劇の初盤に残っていたからこそ、大きな反応を得られたんだと思います。キャラクターが持っているイメージから少し外れただけでも面白くなります。スジョンが“清純スジョン”の演技を披露した時もとても面白かったので。
―自ら見て笑った「ハイキック3」のエピソードは?
イ・ジョンソク:この前、撮影したドロドロ系ドラマです。その当時、撮影しながらもとても笑えました。みんなスジョンと僕がお似合いだと言って“出生の秘密でも作れ”というコメントがたびたび上がってきたんですが、面白く描かれたと思います。
―初めてのシットコムへの挑戦、点数を与えれば?
イ・ジョンソク:20点です。(“点数があまりに低いのではないのか”という記者の問いに) 本当にそうでした。シットコムの中盤を過ぎると、深いスランプに陥って、自分の演技をチェックすることもできませんでした。疲れていたせいもあったけど、きちんと役になりきっていないという感じがして、演技が下手だなと感じるようになり大変でした。何が足りないか全部見えました。一週間ずっと撮影するのも大変だったけど、そんな思いがなにより辛かったです。それで自分の中で、妥協をしてしまったんです。“僕はまだこの程度だから、この範囲で演技しよう”と。
「代替することのできない俳優になりたい」という大きな抱負を持つイ・ジョンソクにとって「ハイキック3」は、彼の演技への壁を自ら実感した作品であるだけでも、意味のある作品として記憶に残るだろう。
「ハイキック3」はイ・ジョンソクにとって、初めてシットコムに挑戦した作品であり、周りからの期待だけではなく、自身も“シットコムの大家”であるキム・ビョンウク監督の作品に出演するという光栄を味わった。彼は誰かに片思いをしている時に感じる、とても辛くて、寂しい感情を「ハイキック3」を通じて学んだと言う。作品への愛情だけではなく、演技に対する意欲も強かった。また、「ハイキック3」での役に集中すればするほど、思わぬ成長でスランプに陥ったこともある。
約6ヶ月、性格がきつい純愛タイプのアン・ジョンソクとして生きてきた彼が、イ・ジョンソクに戻ってきた。
―「ハイキック3」にキャスティングされた当時の気持ちは?
イ・ジョンソク:本当に嬉しかったです。僕の周りの人はもちろんのこと、新人俳優たちはほとんど「ハイキック3」のオーディションを受けたと思います。後から聞いたのですが、監督が僕から男らしさを感じたとおっしゃってくださいました。そういうところが強みになったらしいです。
―「ハイキック3」キム・ジウォンとの恋愛関係は進まなかった。
イ・ジョンソク:それでも残念だとは思っていません。でも、ロマンチックな部分を表現したら良かったかもしれないとは思います。僕がまだ両思いの愛を演じたことがないんですが、やってみたいです。とても甘い演技を(笑) そうだ。一つ残念なところがありますが、劇中で僕からジウォンに告白すると思ってたんですけど、ジウォンが先に『先輩、私のこと好き?』と気づいてしまったんです。たとえ、二人の恋が始まらなくても、男らしく告白をしてみたいと思ったんですが、そうすることができなくて、なぜか情けない男になった気がしました。
―アン・ジョンソクのキャラクターに満足したか。
イ・ジョンソク:アン・ジョンソクが、「ハイキック3」で他のキャラクターと比べて、一番最初に成長をした気がするし、その成長の幅が最も大きかったと思います。一番先に逆襲をしたキャラクターではないかと思います。はっきり何かを成し遂げたということよりは、今まさに成人となったばかりの人としての悟りが多かったようです。
―恋愛模様が絡まっていたが、実際に微妙な雰囲気はなかったか。
イ・ジョンソク:微妙な雰囲気ですか? なかったです。7ヶ月近く一緒に過ごしてきて、いつも和気藹々とした雰囲気でした。凄く親しい仲間だからか、そんな段階はすでに過ぎたと思います。きっかけということもなく、普通のセットでの撮影で、24時間一緒にいたら自然に親しくなりました。一番最初に(カン)スンユンがスジョン(クリスタル)と親しくなりました。
―「ハイキック3」でキム・ジウォンに片思いしながら、実際に感情の動揺を感じたことがあるか
イ・ジョンソク:たまにそういう時があります。急に、役に没頭する時があるのですが、カッとなりました。一度こんなことがありました。ゲサンとジウォンが一緒にいるところをジョンソクが眺めるというシーンの撮影を控えて、ぼうっとしていたんですが、撮影に入ると、なぜかカッとなってしまったんです(笑)
―自ら思うジウォンとのエピソードの中で記憶に残るシーンは何か?
イ・ジョンソク:ジョンソクの卒業式でのエピソードです。ジウォンを連れて海に行ってまたスクーターに乗ってソウルに戻る時にナレーションで『自分の弱い心と他人に対する競争、嫉妬から卒業する』という台詞を言いました。そのシーンがとても心に響きました。
―イ・ジョンソクが描いた結末は?
イ・ジョンソク:アン・ジョンソクが南極に旅立つことです(笑) 冗談です。特に考えたことはないです。皆さんは前作が悲しい結末を迎えたので「ハイキック3」もそうなることを予想したと思うのですが、どんな結末であれ、それなりの意味があると思います。
―反応が前作ほどではなかった。何が原因だと思うか。
イ・ジョンソク:僕は作品に出演をする時、あまり多くのことを考えたりしません。今十分に満足しており、たとえ前作より人気が無かったとしても、僕はあまり関係なかったと思います。もちろん多くの方が愛して下さればと思う時もありますが、それは僕の領域ではないでしょう。僕は単に作品と台本に最善を尽くすだけです。あえて理由を探そうとするなら、前作に比べて少し重い内容で演技をするからじゃないかな? エピソードごとにテーマが明確にあったし、教訓を含んでいました。韓国の人々はシットコムを視聴しながら笑いたいのに、そういう面で満足できなかったのだと思います。
―「ハイキック3」のほとんどの出演俳優の知名度が高まり、人気を得たと思う。誰が一番恩恵を受けたと思うか?
イ・ジョンソク:どうしても(パク)ハソンさんです(笑)
―誰が一番シットコムでのキャラクターに似ていているか。
イ・ジョンソク:劇中のキャラクターと実際の姿が似た人は全くいない気がします。強いて言えば僕が一番劇中のキャラクターに似ていると思います。僕も劇中のアン・ジョンソクのように腹が立つと大騒ぎします。ハハ。
―「ハイキック3」で物凄く存在感のある人は誰だと思うか。
イ・ジョンソク:ユン・ユソン先輩です。常に後輩たちの面倒を見てくれるし、最初から今まで本当に天使のように優しい方です。
―“プインプイン”(かわいこぶって愛嬌を振りまく様子を表す新造語)という流行語が誕生した。多くの反応を得て、もう一つの流行語を作ってみたいという欲はなかったか。
イ・ジョンソク:流行語に対する欲はなかったです。後半にそれ(プインプイン)をしていたら、こんなにたくさんの反応を得ることができなかったと思っていますが。僕が前作SBSのドラマ「シークレット・ガーデン」で演じたイメージが劇の初盤に残っていたからこそ、大きな反応を得られたんだと思います。キャラクターが持っているイメージから少し外れただけでも面白くなります。スジョンが“清純スジョン”の演技を披露した時もとても面白かったので。
―自ら見て笑った「ハイキック3」のエピソードは?
イ・ジョンソク:この前、撮影したドロドロ系ドラマです。その当時、撮影しながらもとても笑えました。みんなスジョンと僕がお似合いだと言って“出生の秘密でも作れ”というコメントがたびたび上がってきたんですが、面白く描かれたと思います。
―初めてのシットコムへの挑戦、点数を与えれば?
イ・ジョンソク:20点です。(“点数があまりに低いのではないのか”という記者の問いに) 本当にそうでした。シットコムの中盤を過ぎると、深いスランプに陥って、自分の演技をチェックすることもできませんでした。疲れていたせいもあったけど、きちんと役になりきっていないという感じがして、演技が下手だなと感じるようになり大変でした。何が足りないか全部見えました。一週間ずっと撮影するのも大変だったけど、そんな思いがなにより辛かったです。それで自分の中で、妥協をしてしまったんです。“僕はまだこの程度だから、この範囲で演技しよう”と。
「代替することのできない俳優になりたい」という大きな抱負を持つイ・ジョンソクにとって「ハイキック3」は、彼の演技への壁を自ら実感した作品であるだけでも、意味のある作品として記憶に残るだろう。
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- ソ・ヒョンジン、翻訳:キム・ミソン
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