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「コーヒープリンス」から「ボイス」まで…キム・ジェウクにとって“人生の作品”とは?

OSEN
写真=Better Ent
「モ・テグ。長い間待ってきた友達です」

笑顔だが、なんだか背筋が凍りつくような感じもある。落ち着いた雰囲気と冷たい雰囲気が共存し、妙にセクシーだ。本人は意図したわけではないと言っているが、生まれつきセクシーなのだ。最近放送が終了したOCNドラマ「ボイス」で稀代の悪役モ・テグを演じた俳優キム・ジェウクの演技に対する率直な想いを聞いた。

キム・ジェウクは最近、江南(カンナム) 区駅三洞(ヨクサムドン) にあるカフェで「ボイス」放送終了のインタビューに出席し、取材陣に出会った。バーバリーのコートを着て登場した彼は、穏やかな笑顔を見せていたがどこか冷たい感じがした。まだモ・テグ役から100%抜け出せずにいる彼だった。

「『ボイス』が終了してから少し時間が経ちましたが、放送終了のインタビューをしながら自ら決着をつけなければならないと思いました。モ・テグから抜け出せなくて、引きずられているような気がしました。元々悪役に好奇心があって経験してみたいと思っていましたが、やっと会えました。長い間会えないでいましたが、しっかりした人物モ・テグに出会えて気持ちよかったです。こんなに愛されるとは思いませんでした」

典型的なサイコパスであるモ・テグは、刑事ム・ジンヒョク(チャン・ヒョク) の妻と119ゴールデンタイムセンター長カン・グォンジュ(イ・ハナ) の父親など多数の人物を殺した真犯人としてドラマの中盤から登場した。キム・ジェウクが描くモ・テグに視聴者らは真夏のホラー映画を見るように背筋が凍りつくような寒さを感じた。

「モ・テグが本格的に登場する前まで、僕も視聴者と共に『ボイス』を見てモニタリングしていました。すでに他の俳優、監督、スタッフの方々が完璧な世界を作ってくれていました。自由に遊べばよいだろうと、一緒にする人々への信頼がありました。僕がやったことは半分にも及びません。モ・テグがどんな人物か視聴者に伝えるために、すでに『ボイス』は多くのものを作っておいてくれた状態でした。演出、台本、カメラ、音楽、照明など、皆がテグがどんな人物か正確に作ってくれました。非常に有能でよい方々と撮影できたと思っています」

モ・テグはキム・ジェウクが演じたため、より相乗効果が発揮された。しかし、キム・ジェウクは功績を他のスタッフや俳優らに譲った。「モ・テグは悪役なのに、セクシーで応援したくなる」というコメントを見て嬉しかったと言いながらも、「意図したわけではないです」と恥ずかしそうに笑った。

「演技が好評っていうことですか。10年目にして再発見しました(笑) それでもありがたいです、良く評価していただいて。こうしたらセクシーで優雅に見えるだろうと計算して演じたわけではありません。ただモ・テグが社会的には完璧で隙のない人物だから、どう演技すれば良いか考えた末にスーツを着ましたが、それがカッコよくなったと思います。『スーツ姿がカッコよくて犯人を応援したくなる』というコメントを見ましたが、『モ・テグがキム・ジェウクのようだ』というコメントが1番ありがたかったです」

モ・テグの正体はドラマの後半に明かされなければならない真犯人である上、史上最高の悪役だったため、キム・ジェウクは撮影現場でも他の俳優たちとプライベートな会話は控え、役に入り込んだ。そのおかげで爆走するモ・テグが最後までドラマの中心になり、視聴者を圧倒することができた。特に精神病院に閉じ込められ、別のサイコパス医師に残酷に殺されるエンディングシーンは圧巻だった。

「コ・ドンチョルをガラスの破片の上に立たせていたずらをしてからハンマーで殺すシーンがありました。その前までとは違う感じがしたんです。実際に手が震えたのは喜びと罪悪感が混ざった複雑な感情だったと思います。呼吸も速くなりました。モ・テグよりもっと悪い人間も存在し、もっと強い人にやられるという状況を表現したかったのではないかと思います」

そして、キム・ジェウクに“人生の作品”について質問した。これまで彼にはドラマ「コーヒープリンス1号店」の中のキャラクターが10年間ついてきたためだ。しかし、キム・ジェウクはあえて「コーヒープリンス1号店」や「ボイス」、あるいは別の作品について答えを控えた。すべてを自分の意思で選び、演技した作品とキャラクターであるためだ。

「『ボイス』が僕の“人生の作品”になるかは僕が評価すべきではないと思います。それでも特別です。これまでやったことのない人物ですので。そして、今キム・ジェウクを知った人にオススメしたい作品を選ぶなら『コーヒープリンス1号店』でしょう。幸せに見られるドラマですので。でも、僕にとってモ・テグは長い間待ってきた友達です」
元記事配信日時 : 
記者 : 
パク・ソヨン
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