8/19(土)待望の日本公開!「隠された時間」カン・ドンウォン“僕の中にまだ少年らしさが残っているとすれば…”
いまや韓国映画界を代表するスターになったカン・ドンウォンが、主演映画「隠された時間」のPRのため来日。“時間が止まった異世界に捕らわれたまま大人になってしまった少年”という難役を演じた裏話などを語ってくれた。驚いたのは、かなり日本語が話せるようになっていたこと! これまでカン・ドンウォンというとスタイリッシュな外見に目がいきがちで、隙がないイメージがあったが、インタビュー冒頭日本語で「お久しぶりです」と笑顔を見せると、そのままフレンドリーな受け応えで、笑いの絶えないインタビューとなった。
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カン・ドンウォン:「チョンウチ 時空道士」や「超能力者」もあり、ファンタジーは初めてじゃないけど、韓国の多くの俳優の中では、たくさんファンタジーに出ているほうだと思います。(以上、日本語で) 今回僕が演じたソンミンというキャラクターは、たやすい役ではありませんでした。15年もの間、閉ざされた世界から戻ってきた少年の感性を表現しなければならなかったのは大変でした。と同時に、撮影現場の環境がとてもタイトだったんです。日程的にもう少し余裕があったらもっとうまく演じられたのに、と撮影が終わってから思いました。次にまたこのようなキャラクターを演じる機会があれば、もっとしっかり準備したいです。でも、撮影そのものは楽しくできました。
――日本語が上手になっていますね!
カン・ドンウォン:僕の友だちが英語ができないから、僕が日本語がんばってますが、まだ全然です(笑いながら日本語で)
「時間が止まったら、歩いてヨーロッパまで行ってみたい」
――映画の中で印象に残っているシーンは?カン・ドンウォン:時間が止まったシーンは、実際の撮影では、CGがない状態で撮っていたので、出来上がった映像で、水玉が浮かんでいるシーンや猫が空中に浮かんでいるシーンを見たときは、とても新鮮に感じました。CGの映像が綺麗でしたね。
――ご自身は時間が止まったら何をしたいですか?
カン・ドンウォン:もし僕が離島ではなく韓国にいるときに時間が止まったのなら、歩いてヨーロッパまで行ってみたいです。数年かければ行けるんじゃないでしょうか(笑) あちこち全部回ってみたいです。
――ソンミンが髪を切ったあとのヘアスタイルがとても素敵で、日本語の“萌え”という言葉がぴったりでした。髪型について事前の打ち合わせなどはあったのでしょうか?
カン・ドンウォン:“萌え”ですか?(笑) 髪を切ったあとのヘアスタイルは、少年時代のソンミンに最大限似ているようにしないといけなかったので、監督さんから長さの指示がありました。逆に切る前の長髪は、できるだけホームレスっぽくしよう、ということでああなりました。それから皆さん、見逃しがちだと思いますが、スリンと海を見ているときの僕と、こども時代のソンミンは同じ服を着ています。気づかないかもしれませんが、これはスリンの心の中の想像なので、服が同じなんです。
「30代半ばになって、20代に比べるとずいぶん変わったと感じる」
――それは気づきませんでした。監督がソンミン役を選ぶとき、少年のような俳優は誰だろうと考え、一番先に思い浮かんだのがカン・ドンウォンさんだったそうです。ご自身の中に少年らしさがあるとしたらどんな部分だと思いますか?カン・ドンウォン:僕の中にまだ少年らしさが残っているとすれば、子ども時代に学んだ正義に関することや常識ではないかと思います。以前好きだった遊びは、好みや趣味が変わって全然やらなくなってしまったし、昔はサッカーが大好きだったのに、今は野球のほうが好きでよく見るようになりました。今、僕は30代半ばですが、20代に比べるとずいぶん変わったなと思います。僕ももう、大人になろうとしているんだな、と自分で感じるのです。
――何かきっかけがあったのでしょうか?
カン・ドンウォン:映画「群盗」の撮影がターニングポイントになった気がします。このときに出会った作り手がみな僕と同年代だったんですね。(以下日本語で) スタッフとか、監督とか、友だちとか……。
――ご自身はどんな少年でしたか? この役を演じるにあたって、ご自分の少年時代を参考にしたりしましたか?
カン・ドンウォン:う~ん。特に自分に置き換えて演じるということはなかったです。ソンミンの場合は、時間は止まっていたけれど、一気に大人になったわけではありません。彼なりの時間の経過の中で成長して大人になったわけです。だから僕の子ども時代を反映させたりはしませんでした。僕の少年時代を振り返ると、かなりのいたずらっこで活発な性格でしたね。でもある瞬間から急に寡黙になりました。それには、男は多くを語るべきじゃないという、韓国の教育が影響していたと思います。大人になってから、そのことに疑問を持つようになると、また言葉数も多くなっていきました。
ニューヨークアジア映画祭でアジアスター賞を受賞「楽しいです!」
――今年のニューヨークアジア映画祭で「隠された時間」でアジアスター賞を受賞するそうですね。韓国の俳優ではソル・ギョングさん、イ・ビョンホンさんに次いで3人目の快挙ですが、感想をどうぞ。カン・ドンウォン:感想? 楽しいです! 超忙しいスケジュールだから……。(以上日本語で) まだ感想を考える暇がなかったのですが、まずは気分がとてもいいです。前に受賞されているお二人も僕の大好きな俳優さん方です。
――映画祭、楽しんで来てください。日本のファンにこの作品を通して伝えたいことは?
カン・ドンウォン:う~ん。これはすべての観客の皆さんに言えることですが、作り手は自分の作品にいろんな世界観やメッセージを込めるものです。ですが僕は見てくださる方に、リラックスして楽しんで見て欲しいんです。特に今回は新鮮な題材の映画なので、皆さんが劇場に足を運んで気軽に楽しんで見てもらえれば嬉しいです。
「僕も今後は何かグローバルなプロジェクトを作っていけたら…」
――今後、活動の場を日本や世界に広げていく予定は?カン・ドンウォン:以前の僕はアジアのマーケットを念頭においていました。常に何かを作ってそこに送り出していかないと、という使命感があったように思います。でも最近、考えが変わってきました。昔は映画はスクリーンで見るものでしたが、デジタル環境の変化や普及がそれを変えました。日本はどうかわからないのですが、今の韓国の家庭のTVは非常に大きいです。劇場で公開される映画が、ストリーミングによって家のTVで同時に見られる時代がきました。だから僕も、もっとワールドワイドに考えるべきだと最近は思っています。アジアで公開されるための作品を作る、ということのみにとらわれるのは、無意味だと思うわけです。僕が日頃よくお会いしてお話をする方々も、物事をグローバルプロジェクトで考えている方たちが多いし、どこの会社も徐々にそっちのほうに向かっています。今はそれが可能になった時代です。昔は西洋と東洋の文化は切り離されていましたが、最近の若い世代の中では2つがどんどんミックスしてきているので、僕も今後は何かグローバルなプロジェクトを作っていけたらいいな、と思っています。
――海外で仕事をするときに意識していることはありますか?
カン・ドンウォン:特にはないですね。海外に出たときは通訳さんがいらっしゃるので、なるべくたくさん伝えられるように早口で話したり、短く区切って伝わりやすいようにするくらいです(笑) ただ、英語圏に行った場合は、最近は自分ができる範囲で、なるべく英語で答えるようにしています。(以下、日本語で) 日本語も一緒です。日本語は下手だから(笑)
――いいえ、ドンウォンさんの日本語、素晴らしいですよ。
カン・ドンウォン:(照れまくる)
「こんなことを言うこと自体が、僕も歳をとった証拠(笑)」
――最後は神秘的なイメージのドンウォンさんにあえてお聞きしますが、ガールズグループに興味はありますか? 最近、日本ではTWICEが日本デビューして話題になりました。カン・ドンウォン:今朝、まさにそのニュースをTVで見ました(笑) ガールズグループは好きなんですが、野球とニュース以外のTV番組をほとんど見ないので、最近のグループの名前を知らないんです。昔はそれでもグループ名ぐらいはわかっていたんですが。TWICEやBLACK PINKは、韓国でデビューしたばかりですけど、すごく人気があるので、僕も名前だけは知っています。こんなことを言うこと自体が、僕も歳をとった証拠だと思います(笑)
――今日はいろんなお話をありがとうございました。
カン・ドンウォン:(以下、日本語で) お疲れ様でした。
ライター:望月美寿
■作品情報
「隠された時間」
2017年8月19日(土) シネマート新宿ほか全国順次公開
出演:カン・ドンウォン「華麗なるリベンジ」「MASTER/マスター」
シン・ウンス、キム・ヒウォン、クォン・ヘヒョ、ムン・ソリ、オム・テグ、イ・ヒョジェ
2016年/韓国/130分/カラー/5.1chデジタル/日本語字幕:金 仁恵/原題:가려진 시간
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配給:ハーク
<STORY>
3人の子どもたちが謎の失踪を遂げた事件。時間と空間が止まった世界に閉じ込められ、大人になって帰ってきたと主張する“心は少年のまま”のソンミン(カン・ドンウォン) と、唯一彼を信じる少女スリン(シン・ウンス)。しかし、周囲の大人たちはスリンが正体不明の謎の大人に振り回されていると心配し、警察がソンミンの後を追う。果たして彼は本当に時間の中に取り残されていたソンミンなのか、もしくはただの不審者なのか―。
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- 記者 :
- Kstyle編集部
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