「私の国」ヤン・セジョン、撮影現場でも歌の練習?“誰がそんなことを…(笑)"
ヤン・セジョン×ウ・ドファン×AOA ソリョン、そしてチャン・ヒョクなど若手実力派とカリスマ俳優が共演し、圧倒的映像美で描く韓国時代劇「私の国」のBlu-ray&DVD-BOXが好評発売中。
本作の背景は高麗時代末期から朝鮮建国の初期で、この激動の時代を生きる3人の若者たちにスポットを当てた新しい視点の時代劇となっている。
今回、日本でのDVDリリースを記念して、主演を務めたヤン・セジョンにインタビュー! 撮影中の裏話から、28歳になった心境までたっぷりと語ってくれた。
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ヤン・セジョン:「私の国」の登場人物はそれぞれが“私の国”という信念を持っています。彼らの信念がぶつかり合いながら変わっていったり、守ろうとしたりする部分が大きな見どころです。
――ソ・フィの役づくりにおいて、どんな準備をしましたか?
ヤン・セジョン:これまでの作品でもそうだったように、まずは台本を読むことに集中しました。それから僕だけでなく、共演する先輩方、それからウ・ドファンをはじめとした同年代の俳優みんなと一緒に、撮影が始まる前に3ヶ月ほどアクションスクールと乗馬の練習に通っていました。また、台本を読み込みながらの稽古もしました。
――滝のシーンなどでたくましい体つきを披露されましたが、何か体を鍛えるトレーニングはされていましたか?
ヤン・セジョン:暇さえあればドファンと一緒に常に運動をしていました。あの水中シーンを撮った日は、ドファンと一緒にしっかり筋トレをして、パンピングをしてから撮影に臨んだことを覚えています。
――アクションスクールに通われたとのことですが、実際の実力は?
ヤン・セジョン:えーっと(照れ笑い)、今はわかりませんが……撮影が後半に進むにつれて、実際に自分が当てたいと思う的に矢を当てられるようになりました。カメラのアングル的に映像には写っていませんが、ドファンも僕も「ここに当てたい!」という部分を狙うと、何度か失敗はありましたが、ほとんど当てることができていたように思います。
――弓に挑戦するのは初めてでしたか? 楽しかったですか?
ヤン・セジョン:初めてでした。うーん(笑)、楽しい時もあったし、大変な時もありました。演技をする状況によって違いましたね。
撮影中に使った香水?「今回はいちばん好きな香り」
――「私の国」でのヘアスタイルは長髪でしたが、トリートメントなどの特別なケアはしていましたか?ヤン・セジョン:最初はケアをしていなかったのですが、するようになりました。毛先がしょっちゅう絡まるようになって……。フィのヘア担当をする方に申し訳なくて、時間を見つけて2回ほどヘアトリートメントにも行きました。毛先が全部からまっちゃうんですよね。
それで家でもシャンプー後にリンスをして5分ぐらい置いていたり、ドライヤーできちんと乾かしても、後ろ髪の毛先がからまってしまうんです。時代劇の撮影ですから、地べたを引きずられたりもしますよね。それで僕は髪が傷むとかそういったことは気にならないんですが、ヘア担当の方に申し訳なくて。時間のあるときに美容室に行ってトリートメントをしてもらいました。
――感情を表現するシーンもたくさんありました。感情は前もって作るタイプですか? それともその場で感じることを大切にするタイプですか?
ヤン・セジョン:それはどちらもあるように思います。まずは脚本家さんが書いた登場人物の感情というものがありますよね。そして、その感情は撮影を重ねるたび、俳優の心の中にも自然に情緒として折り重なっていきます。その感情が折り重なった状態で共演者の俳優たちと会ったとき、これはヤン・セジョンとウ・ドファン、あるいはヤン・セジョンとチャン・ヒョク先輩としてではなく、劇中の登場人物として会うわけです。なので答えはあらかじめ決まっているわけではなく、撮影現場でうまれる相手役からの刺激、リアクションによって、感情表現というものは変わっていくものだと思います。
――表情の演技について意識した面はありますか?
ヤン・セジョン:まったく意識しませんでした。こういう表情をしなきゃ、ああいう表情をしなきゃと考えて演技をしたことは一度もありません。
――表情は、自然に生まれるものでしたか?
ヤン・セジョン:相手役の俳優さんのおかげでもありますし、台本に書かれている感情的な情緒の流れ、そういったものをしっかり把握すれば、自然に出てくるものだと信じています。
――今回演じられたフィに共感するところ、または共感できないところはどこですか? また共感できない時はどうやって解決しましたか?
ヤン・セジョン:フィという人物を演じながら……今回は解決できないことがあるたびに台本に立ち返っていたように思います。すんなり理解できなかったり壁にぶつかったときは、違う発想をしてみようと努力をしたり、台本に描かれているフィの今の感情はどんなものだろうか、定められている状況や人間関係からもヒントを得ようと努めました。僕はどんなことも答えは台本にあると考えているんです。
――フィの性格面などについて魅力を感じた部分は?
ヤン・セジョン:妥協しないところ。道理に合わないことに対して、決して妥協しないというところが魅力だと思いました。見る人によっては「融通がきかないな」と感じられたりもするとは思いますが、現実に妥協せず、自らの信念に従って、妹や守らなければならないこと、父から学んだこと、そうしたものをたゆまず押し出していく力、それが魅力的だったと思います。
――気力・体力の消耗も激しかったと思いますが、オン、オフはどのように切り替えていましたか?
ヤン・セジョン:よく歩いていました。地方ロケが多くて、山奥で過ごす時間が長かったので、あえてオン・オフを切り離そうとはしていませんでしたね。普段のヤン・セジョンと劇中のソ・フィ、撮影中はこんなふうに完璧に切り離すことはできません。なので息抜きや趣味と言えるのは、歩くことでした。撮影があるときもないときも、いつも歩き続けて散歩しながら考えを整理したり、また別の考えが入ってきたりと、そんなふうに過ごしていました。でもその考え事の99.9%は「私の国」に関することでした。
――散歩みたいな感じですか?
ヤン・セジョン:山の中を歩いたこともありましたし、もしスタジオのようなあまり広くない空間だったら、(立ち上がって椅子の周りを歩きながら)こんな風にぐるぐる歩き回っていました。嘘じゃないですよっ!
――作品ごとに香水を変えることで知られているヤン・セジョンさんですが、「私の国」ではどんな香水を使っていましたか?
ヤン・セジョン:今回は僕がいちばん好きな香りを使いました。ただ時代劇だったので、他の作品のときのように毎日使うことはありませんでした。たまに気分が落ちたとき、あるいは気分が盛り上がっているや使いたいときだけ、自分がいちばん好きな香りを使いました。
共演時のエピソード「ウ・ドファンはとてもジェントルマン」
――“親友でありライバル”ソノ役だったウ・ドファンさんと共演して、いかがでしたか?ヤン・セジョン:ドファン!(にっこり)。とてもジェントルマンで、本当に自己管理が上手です。撮影の間、ずっと楽しかったです。一度もぶつかったこともなく、揉め事なども一切ありませんでした。目を見るだけで自然に演技ができましたし、お互いにいいアイディアを思いついたら共有して、そんなふうに撮影をしていたら、いつの間にか撮影が終わっていたという感じです。
――“運命の相手”ヒジェ役だったソリョンさんと共演はいかがでしたか?
ヤン・セジョン:ソリョンさんはまず、とてもいい人です。とても純粋な心を持った人です。そして一緒に演技をしながら、難しさを感じたこともまったくありませんでした。というのも僕たちだけではなく、本作に登場する全員が監督と一緒に長時間リハーサルをして、たくさんコミュニケーションをしていたからです。
撮影現場に集まって「じゃあリハーサル。はい、アクション!」というのではなく、まずはそのシーンについて話し合って、前の状況とのつながりがうまくいっているかどうかという点についても確認して、コミュニケーションにコミュニケーションを重ねたうえで演技をしていたので、本当にリラックスしながらできたので幸せな撮影現場でした。もちろんその過程は大変なこともありましたが……。それぞれがみんな集中していたので大変だったという意味ですよ! 意思疎通を重ねたので、とても楽しかったです。
――“カリスマ的な独裁者”イ・バンウォン役だったチャン・ヒョクさんとの共演はいかがでしたか?
ヤン・セジョン:チャン・ヒョク先輩からは、たくさんのことを学びました。演技をするときはとても楽しかったです。僕はこの作品で、何かを定めたうえで演じるということはしませんでした。これまで僕がやってきた作品の中でも、何かを決めておいて演技をすべきだと思ったことはありません。撮影現場に行って、相手役からもたらされたものを受け取り、刺激を感じたらリアクションをして、また僕が刺激をもたらして……それもまたアンサンブルだと考えています。
なのでチャン・ヒョク先輩と演技をするときはいつも楽しかったです。何がどんなふうに飛んでくるかわからないんです(笑)。飛んできたものをまっすぐ打ち返すこともあれば、ななめに打ち返すこともあったり、遠まわしに打ち返したり。そんなふうに演技をしていました。見つめ合ってリアクションをして、まさに“応酬”でした。その応酬が本当に重要なものだったと思います。チャン・ヒョク先輩との共演は本当に楽しかったです。
――パク・チド、ムンボク、ジョンボムとのシーンはシリアスな展開が続く中でほっとするひとときでもありました。このメンバーとの感想をお聞かせください。
ヤン・セジョン:笑いが絶えることがありませんでした。そのぶんNGもたくさん出ました。僕だけじゃなく、ヒョン(兄さん)たちもたくさん出したんですよ!(笑)本当に笑いにあふれていました。その笑いは僕たちだけにとどまらず、撮影現場にいるスタッフ全員に広がっていました。僕たちはフィベンジャーズ(フィ+アベンジャーズ)と呼ばれていたのですが、そのメンバーで撮影をするときは台本にないことまでアドリブで演じたりして、ものすごく幸せでした。撮影が終わると、ごはんもよく一緒に食べていましたね。
――撮影現場の全体的な雰囲気は?
ヤン・セジョン:撮影現場の全体的な雰囲気は、まさに嘘偽りなくスタッフと俳優の全員がみんな通じ合っていました。事故も事件も一切なく、楽しく幸せに撮影できました。それからエピソードを一つお話しすると、馬にも俳優との相性があるんです。ちょっといたずらっぽい性格の馬は、いたずらっぽい性格の俳優と相性がよかったりとか(笑)。それぞれの性格に合う馬というのがいて、僕も気の合う馬に出会えましたし、チ・スンヒョン兄さん(パク・チド役)たちも出会えて。それからチャン・ヒョク先輩は本当に乗馬がお上手です! といったような思い出があります。
――約9ヶ月という長期間の撮影でしたが、演じるうえでよかったことや大変だったことなど、どんな影響がありましたか?
ヤン・セジョン:それに関しては、特に意識して考えたことはなかったような気がします。台本がどんどん出て、新しいエピソードが展開して、俳優は演技のために準備をして練習をしていたので、長いからこうだなとか大変だなということはまったく考えなかったように思います。ただ自然に、いつの間にか撮影をしているうちに「私の国」が終わっていました。
撮影現場ではファンミーティングの歌練習も?
――前回のファンミーティングで抜群の歌唱力を披露されていました。撮影現場でも歌の練習をしていたそうですが、みなさんの反応はいかがでしたか?ヤン・セジョン:……。誰がそんなことを言っていたんですか?(笑)誰ですか!? スタッフの方や他の方々がいる場所で練習はしませんでした。ただ僕がふんふん口ずさんでいるのをスタッフのどなたかが見たのだと思うのですが、大勢の前で練習をしたわけではありません(笑)。
――劇中のフィは平凡な暮らしこそが自分にとっての“国”でしたが、ヤン・セジョンさんにとってこれが自分にとっての国だと言えるものは?
ヤン・セジョン:人です。まわりにいる人々。特定の誰かだと言うこともできますが、結局は僕が愛している周囲の人々だと思います。このドラマに出演しながら、とても強く感じた点です。自分の身近にいる人々を今以上に大切にしなきゃいけないと、もっともっと大切にしたいなと思いました。
――ヤン・セジョンさんの信念とは?
ヤン・セジョン:与えられたものをしっかりこなそう。あるものが与えられたら、その都度しっかりこなしていこう。与えられたものを頑張ってこなしていこう。この信念は今も変わっていません、みなさん!
――「私の国」で、みなさんに一番見てほしいおすすめのシーンを教えてください。
ヤン・セジョン:視聴者のみなさんにおすすめしたいシーンというよりも、フィ、ソノ、ヨン、ヒジェ、イ・バンウォン、ムンボク、ジョンボム、チド。それぞれが事情を抱えています。なので「どれか一ヶ所に集中して見てください」というのではなく、それぞれが抱えている深いエピソードを楽しくご覧いただける作品になっているとと思います。
――「私の国」はヤン・セジョンさんにとって、どんな作品になりましたか?
ヤン・セジョン:「私の国」は僕にとって、僕という人間“ヤン・セジョン”にとって、いい意味でとても大きな経験をもたらしてくれた作品、「私の国」はそんな作品です。
――「私の国」はまた一段と役者としての幅が広がる作品になったと思います。今後はどのような役にチャレンジしてみたいですか?
ヤン・セジョン:制限を設けないようにしています。なぜなら僕がどれだけ長く生きたとしても、神様だけがご存じのことですが……。例えば80歳まで生きると仮定しても、この世の中には数多くの職業と数多くの人々がいますよね? その役を死ぬ前にすべて演じきることはできないので、制限は設けていません。こんな役がやりたい、あんな役がやりたい、そういう風に限定はしていません。ただ台本を読んだときに「あ、心臓が高鳴り始めたぞ」「来た……! これだ!」というような感覚は確実に今もあります。「私の国」もそうで、心臓が高鳴りました。
28歳の誕生日を迎えて変わったことは?
――ワインがお好きだそうですが、赤と白どちらが好きですか? また、どんな味が好みですか?ヤン・セジョン:僕は赤ワインのほうが好きです。フランスのワインについて詳しくなりたいのですが、ちょっと中断しているところなんです。すごく幅広くて……。だから最近は以前と同じく、アメリカのワインを好んで飲んでいます。オーク樽の香りがするワインが好きで、撮影が終わってから一度飲みました。
――2019年12月に(韓国の年齢で)28歳の誕生日を迎えて、変わったことはありますか?
ヤン・セジョン:僕はまったく変わっていません。一歳ずつ年をとっていくというのが怖いとか恐ろしいということはありません。昔は、高校生や中学生のときは「早く20歳になりたいな」とか「早く20何歳になりたいな」とか、そういうことを思ったりしていましたが、今は全然考えません。その歳になれば、その年齢に合うような、その歳だからこそ享受できる部分が出てくると考えるようになりました。だから僕は今の自分の年齢に満足していますし、来年は29歳、再来年になれば30歳、とても楽しみです。40歳、50歳、60歳になるのがものすごく楽しみです。
――28歳になって、デビュー当時と比べて違いを感じることはありますか?
ヤン・セジョン:違いを感じるのは……僕は落ち着きを手に入れたくて、敢えてそうなろうと努力しようと努めてきた部分があります。そういう部分が必要だと感じたので、今でも意識するように心がけていますが、詳しい理由はお話しできません(笑)。
――2020年の抱負を聞かせてください。
ヤン・セジョン:2020年は僕のまわりにいる人々に恩返しができる一年にしたいです。こうしてずっと撮影を続けながら素晴らしい方々と出会ってきましたが、僕が仕事では会うことのできない人がたくさんいますよね。幼い頃の恩師や愛している先輩、母、父にきちんと恩返しや孝行がしたいです。
――最後に、DVDをご覧になるみなさんにメッセージをお願いします。
ヤン・セジョン:「私の国」を愛してくださっているみなさん! 心からお礼を申し上げます。スタッフのみなさん、先輩俳優のみなさん、同年代の俳優のみんなで一緒にベストを尽くして撮影した作品です。たくさんの愛を注いでいただき、本当に感謝しています。
■リリース情報
「私の国」
【DVDレンタル&デジタル配信】
○第1巻~第8巻:好評配信&レンタル中
○第9巻~第16巻:2020年7月1日スタート
日本編集版/全16巻/全32話
【DVD-BOX/Blu-ray BOX】
○DVD/Blu-ray BOX1:2020年6月17日発売
○DVD/Blu-ray BOX2:2020年7月15日発売
各¥16,000(本体)+税
韓国放送版/全2BOX/全16話
発売元:ポニーキャニオン
2019年/韓国/JTBC
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