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「監視者たち」チョ・ウィソク&キム・ビョンソ監督:SPECIAL INTERVIEW 

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家を出ると、あらゆるところにカメラがある。半日間防犯カメラやブラックボックスのカメラに映った自身の姿を集めたら、一本の映画を作れるかもしれない。「監視者たち」は、現代人にはすでに慣れきった“視線の刑務所”を、ソウルの大通りと裏通りを縦横する犯罪専門家と警察監視班の追撃戦でダイナミックに表現したスリラー映画だ。監視班のファン班長(ソル・ギョング)と才能ある新米のハ・ユンジュ(ハン・ヒョジュ)、ベールに包まれた犯罪専門家のジェームズ(チョン・ウソン)が映画をリードしていく。もともと見たり、見られたりする行為だけで作られるスリルと感情は、映画が与える根本的な快楽でもある。「監視者たち」は追う者と追われる者の対面を映画の中盤以降に猶予しながらも、効果的な撮影と編集で楽しさと緊張感を維持する。「監視者たち」は、情報課の刑事たちと犯罪組織の対決を描いた香港のスリラー映画「天使の眼、野獣の街」(2007)のリメイク作だ。韓国芸術総合学校映像院の先輩、後輩であるチョ・ウィソク監督(「ひとまず走れ!」「静かな世の中」)と「彼とわたしの漂流日記」「きみに微笑む雨」など10本以上の映画を撮ったキム・ビョンソ撮影監督が共同演出した。

原作より30分ほど上映時間の長い「監視者たち」は、犯罪とアクションの規模を拡大しキャラクターの魅力を強調した。警察という映画に頻繁に登場する職業を持った監視班を、はっきりとした個性があり、好感を与えるプロチームと解釈し、犯罪映画を好まない観客にも訴えられると思う。ソウルの地理をできる限り誠実に生かしたアクションのルーツからも観客の興味は倍増する(プロデューサーと制作部のサポートが目立つ部分だ)犯罪者は餌を注視し、現場を走る監視班は彼をじっと見守り、この状況を再び統制室の人たちが見たり聞いたりする。そして、観客がそのすべてを概括する重層の視野が「監視者たち」の観覧を立体的な経験にする。

「監視者たち」は何を加えるかの問題のみならず、何も外すかに関する選択においても賢い方だ。人物が背負った過去の話や、話の展開を妨害するだけでドラマに響きを与えない不必要なラブストーリーが「監視者たち」にはない。追って追われる行為にも憎しみはそれほど介入しない。職業と立場が衝突するだけだ。観客は両側の人物の性格を把握し、親近感を感じるが、いざ映画に登場する犯罪者と警察は、感情的にかかわらない。重いテーマを語る負担から、中身のない無理手を打つこともしない。

「エネミー・オブ・アメリカ」「24 -TWENTY FOUR-」「ボーンシリーズ」など、情報収集活動を描写した数々のハリウッド映画とテレビシリーズは人々が権力期間から常に監視され、盗聴される可能性があるという事実に鈍感になるようにした。「監視者たち」にも同じ危険性が秘められている。映画を見ている間、私たちは防犯カメラのレンズや盗聴マイクの後ろにいる監視者たちと自身をよく同一視する。しかし、現実で私たちのほとんどは、情報を収集される側になるだろう。いくつかの欠点はあるが、「監視者たち」はすっきりとした娯楽映画だ。「諸君は有能なチームなのか?(Are you an effective team?)」映画「オブルリビオン」で繰り返される質問を「監視者たち」の人物と制作陣が受けるのなら、堂々と「そうだ」と答えるだろう。チョ・ウィソク、キム・ビョンソ監督に会って気になることを聞いてみた。

※以下のインタビュー(特にQ4とQ12以降の回答)には「監視者たち」の内容と人物に関する情報が含まれています。

Q1.「監視者たち」が撮影に入った頃、ベン・アフレック監督の「アルゴ」試写会で制作陣と出会った覚えがある。もし「監視者たち」に「アルゴ」の長所を参考にした部分があるのか?

キム・ビョンソ:最後のシーケンスの一気に追いかけ、追いかけられるリズムがいいとソン・デチャンプロデューサーが推薦した。

チョ・ウィソク:「アルゴ」も良かったが、アフレック監督の前作「ザ・タウン」に強盗シーンが出るので参考になった。

Q2.面白い映画でもリメイクが無意味でこのままで十分だと思われる映画もあるし、再解釈して新しい面白さを作ってみてもいいと判断されるケースもある。「天使の眼、野獣の街」を見ながらどの部分に着目したのか?

チョ・ウィソク:警察監視班の活動の詳細をもっと沢山見せる余地があると思ったし、香港という密度の高い都市からソウルに舞台を移すことでアクションの規模を大きくし、また違う緊張感を演出できると思った。ソウルという空間をそのまま生かすと観客が「あれだけ監視されればひやりとするだろう」と実感するのではないかと思った。

Q3.ジャンルは犯罪スリラーだが、監視班という任務の特性上、見守る過程がほとんどだ。直接対決などのアクションなしに長時間緊張を維持しなければならないことが難しかったと思う。

キム・ビョンソ:主人公たちが中盤から後半になって対面するという弱点があり、その時点まで構造をよく作って呼吸を維持するため努力した。序盤には警察と犯罪者が正体を現わさず、一つの空間で混ざって作り出す緊張感があり、その次はチョン・ウソンが演じたジェームズが片方の軸として存在感を発揮する一方、警察監視班の働き方を見せる二つのストーリーが並行される。それから二つが合わさり本格的に爆発する。

チョ・ウィソク:“監視”というモチーフとして一番先に浮かぶ要素が視線だが、キム・ビョンソ監督はクローズアップの鬼才であるため、視線の交差から出る効果を最大化することができると信じた。そして、映画で大きな割合を占める徒歩追撃シーンのリズムも成否を左右すると見た。人物たちの動きが無数に交差する中、2台のカメラ、つまり重力から逃れたヨ・ギョンボ撮影技師のステディカム(ハンドヘルドの振動を抑えたカメラ)と重力を受けながらクローズアップするキム・ビョンソ監督のハンドヘルド撮影が衝突し、妙なリズムを作った。

Q4.逆に言ってみれば、本格的なアクションシーンを見ると監視に関するスリラーとしては銃撃のアクションが過度ではなかったのかとも思った。窃盗の容疑者なのにいくら相手が武器を持っていることを確認したとしても発砲したり、監視が任務なのに銃を実際に使ったり…。

チョ・ウィソク:最初はアクションの規模がそれほど大きくなかった。そして、キム・ビョンソ監督とソン・デチャンプロデューサーが実はマッチョだった(笑) 「おい、テヘラン街でこんなことしたらダメだよ!」と止めれば「止めたら後で後悔するでしょう?」と言うので僕は悩んで結局そのままにしたり…。監視班員のうち、一人は武装してもいいという前提が序盤に少し言及されることはあった。ファン班長が銃器を使用する部分は、実は彼が内偵捜査を受け停職になった状況だったが、編集の結果説明が足りなくなった。かつてスパイ団操作事件を振り返る台詞が暗示する通り、ファン班長は警察の違法な政治介入を内部告発したことがある。その事件後、イ室長とファン班長が法の枠内で行動規則を遵守する監視班を新たに創設したという設定だった。映画が描いている監視活動に内在された危険性についての、それなりの言い訳でもある。

キム・ビョンソ:どっちみちアクションシーケンスがあるのなら、その味を十分に生かす方が良いと見た。香港の原作は低い建物で事件現場を見下ろし、窃盗の規模も小さいが、ビルが並んでいるソウルの大通りで事件が起きる「監視者たち」は、注視する対象になる犯罪の規模も大きくすることが適切だと見た。

Q5.先端のスパイテクノロジーが映画はもちろん、現実にも数多く存在する状況で「監視者たち」は、それでも人間の感覚だけが観察して取ることのできる情報があると暗に前提する話だ。それは何だろうか?

チョ・ウィソク:もともと防犯カメラも排除し、目だけで監視しようかとも思った。カメラで撮影されたことはどうしても証拠が残るが、目の記憶は問題になると知らないと言えばいいから。戦争に喩えればミサイルを打ち上げ爆撃をしても、旗を立てるのは歩兵と言うじゃないか。同じ脈絡で監視班が働く空間も、イ室長(ジンギョン)が指揮するハイテク統制室とファン班長が現場を指揮するワゴン車のアナログ的な雰囲気がバランスを取るよう気を使った。

Q6.人間の目の観察力の話が出たので言うことだが、監視班の末端で主人公のユンジュを演じたハン・ヒョジュは働く女性だが、“キャリアウーマン“ではなく、現場で走りながらしっかり働く女性のイメージがあり、それは聡明に見える目の影響が大きいと思う。「ただ君だけ」では目の不自由な人物を演じた彼女が全てを見る女として登場したことも面白かった。正反対の役の目つきに妙に通じるところがある。

チョ・ウィソク:ドラマ「トンイ」「華麗なる遺産」でハン・ヒョジュのある種の元気なところを見て「監視者たち」のハ・ユンジュ役として念頭に置いた。とても綺麗な女優だが、素敵なお転婆に作れば男性だけでなく、女性観客も好きになるだろうと思った。僕は女性のことがよく分からないので、男だと思ってハ・ユンジュのキャラクターを書いて撮った(笑) ハン・ヒョジュさんに初めて会ったときは、無口で鋭く見えて緊張したが「今思春期だ」と言ってきた(笑) その感じが組織に入ったばかりで緊張したハ・ユンジュのキャラクターをもっと鋭くすることができると思った。

キム・ビョンソ:黙って僕を緊張させながら座っていたが、窓の外から雨が降ってくると突然「私たち、焼酎の匂いだけ嗅いで行きましょうか?」と言った(笑) 撮影の見地から言えば、人見知りながらも「これは何だ?」という面もあって立体感のある女優だ。初めて出勤した監視班の事務所でボーッとして立っているシーンが良い例だ。ユンジュがなぜそれだけ優れた記憶力を持っており、なぜ警察になったのかが映画では表現されていないが、俳優には必要な内容だったのでハン・ヒョジュさんの意見も沢山聞いた(笑)

Q7.ファン班長は、江東(カンドン)警察署のカン・チョルジュン刑事以来、ソル・ギョングが久しぶりに会ったラブリーなキャラクターだと思う(笑) 年輪のある冗談やシーンを軽快に締めくくる面白い台詞の処理が絶妙だし、墜落シーンで突然見られる後頭部の白髪が年輪を見せて良かった。

チョ・ウィソク:追撃アクションで撮れた白髪はギョング兄さんのアイデアだ。頭をたくさん使う職業だから、白髪も沢山あるだろうと言った。シーンによって眼鏡を変えて印象に変化を与えることもソル・ギョングの提案だった。

Q8.チョン・ウソンのジェームズは、「天使の眼、野獣の街」でレオン・カーフェイ が演じた同一のキャラクターよりもっとジャンル的で格好良い人物だ。俳優が確定してからキャラクターが変わった部分があるのか?文房具で購入できる武器を使うことも目についた(笑)

チョ・ウィソク:チョン・ウソン先輩は合流するやいなや「僕で何かをしようとしないで欲しい」と言った。「そうしたら僕だけ目立つ。出番も増やさないでほしい」と。普段から僕たちにも“優雅な”態度を見せるが、そんな印象が良かった。優雅に歩く男、優雅に犯罪を犯す男。40歳の風貌が感じられた(笑) そんなにのろのろ動いてもジェームズは仕事をするときは、秒単位で機敏に動く。小物も性格と関係がある。香港の原作でレオン・カーフェイは鉛筆で数独パズルを解くが、ジェームズは万年筆を使う。消せない筆記具を使うところが、選択を後悔しない緻密なキャラクターと合うと思った。

Q9.「監視者たち」は、チョン・ウソンの肉体とアクションをアピールしない映画でもある。後姿も多い。キム・ビョンソ監督は撮影監督としてチョン・ウソンと「サッド・ムービー」「きみに微笑む雨」を一緒に撮ったが「監視者たち」ではどんな方法で違うように見ようとしたのか?

キム・ビョンソ:先に言った通りチョン・ウソンは、自身が目立つよりは緊張の軸を担当したいと思った。目立たないようにしても目立つしかない俳優だが、最大限映画のトーンに埋もれるよう衣装も大きくて長いコートにして体のラインを隠し、歩き方もゆっくりにした。ヘアスタイルも髪の分け目を9対1にし、太らせて地に足のついた悪役を作ろうとした。「サッド・ムービー」を撮りながらチョン・ウソンから見つけた日常的な面を生かして撮りたいと思った。ソン・ガンホ先輩ほどではないが、チョン・ウソン先輩も左顔と右顔が相当違う。今回の映画では、右顔を沢山使った。

Q10.この映画でチョン・ウソンの難点は「そんな人が目立たないことができるのか?地下鉄でチョン・ウソンを見たのに監視班が覚えていないことがあり得るか?」という反応だと思う(笑)

チョ・ウィソク:それでチョン・ウソンの周辺人物たちの彩度を下げた。清渓川(チョンゲチョン)のシーンでも昼食時間に出てきたスーツ姿のサラリーマンたちの間にコートを着たジェームズを埋めようとした(笑)

Q11.本部で捜査を指揮するイ室長役のチン・ギョンも印象的だ。

チョ・ウィソク:イ室長の統制室のシーンは三日間集中して撮った。まだ撮影していない後半の追撃シーンと無線でやり取りする状況のリアクションを、後からCGを入れるグリーンスクリーンに囲まれ相手なしに演じたが、感情の高低を正確に表現してくれて驚いた。ソル・ギョング先輩もワゴン車セットの中で今車が走っているか止まっているか、イ室長がどう反応したかに合わせ様々な感情を見せてくれた。

Q12.韓国のジャンル映画として「監視者たち」の一番違うところは、人物の過去と恋愛ドラマを大胆に省略したことだ。いつ下された決断なのか?

チョ・ウィソク:シナリオ段階からだ。人物の全てを把握し、「あ、そんなもんだったのか?」と追いかけるよりずっと疑問を残し続ける、少しは不親切な演出が緊張を維持させると思った。僕の前作である「ひとまず走れ!」(2002)と「静かな世の中」(2006)の中間地点を今回見つけたと思う。

Q13.チョ・ウィソク監督の前作「ひとまず走れ!」と「監視者たち」で盗まれたお金はなくなっても探さないお金だ。ところで、「静かな世界」にはいなくなっても通報が入ってこない子供たちが出る。

チョ・ウィソク:時宜に適ったテーマを選ぼうとした。貯蓄銀行の退出や様々な企業が関連していると推定される会計操作事件があったのではないか。

キム・ビョンソ:個人的に母が不健全な貯蓄銀行の被害者だ。映画を見に来たが、少しはストレスが解消したのではないか(一同爆笑)

Q14.「監視者たち」は、映画の中の尾行のルーツがソウルの地理を相当現実的に反映している。それで、ソウル市民にとっては更に面白い映画になると思う。一方で、それだけ少しずれた部分がさらに目立つ。例えば、証券取引所から清渓川に移動するシーンがそうだ。

チョ・ウィソク:シナリオを書きながら一番先にしたのがソウルの詳細な地図を探すことだった。もともとは証券取引所ではなく、中(チュン)区のある製薬会社だった。だが、最後に犯罪規模を大きくするため場所を変えたが、取引所が汝矣島(ヨイド)にあるという事実を知っている観客は気になるだろう(笑) 実際に住所として使われている道の名前も映画に使いたいと思ったが、撮影条件に合わせるうちに監視班員が空間の座標を“48-A”のように表現するようにした。劇中の地図は実際の地図と少し違う。動線に合わせるため山を動かした。もちろん仮想地図の中では一貫性を維持した。

Q15.映画のモチーフが監視や尾行であるため、様々なサイズと解像度のスクリーンが劇中に登場する。この点が撮影方法や装備に及ぼした影響があるのか?

キム・ビョンソ:撮影の質感より動きで話を伝えようとした。動線の交差があまりにも多くて一コマの中で複数の編集点を置いて撮った。同じ光景が統制室のモニターに映るりズムも考慮しなければならなかった。画面の質感はほとんどソフトウェアと後半作業で整理した。最初は「ダークナイト」がシカゴをゴダムシティに作ったようにテヘラン街をジャンル的イメージで撮ろうとしたが、リアリティを生かす方向にコンセプトを変えた。制作会社のイ・ユジン代表の言葉を借りれば「ホ・ジノ監督の、ソウルで発生するジャンル映画」のように見られればと思った。D.I(デジタルの色補正)を担当したパク・ジニョンカラーリストが立派に整理してくれた。ハイテク機器がいっぱいある統制室のシーンは兩水里(ヤンスリ)のセット場で撮った。チョ・ウィソク監督と僕は、統制室を一番よく撮る監督はトニー・スコット(「エネミー・オブ・アメリカ 」)と学んだ。

Q16.意義あり。ボーンシリーズのポール・グリーングラス監督が最高峰ではないか?(笑)

キム・ビョンソ:グリーングラス監督の統制室は補助出演者の動きを演出するときに沢山参考にした。トニー・スコットの統制室は、緊迫した状況でも多くの交差を表現する。一応カメラが回る。僕たちも半円トラックを敷いて撮ってみたら、俳優たちの多様な表情を撮ることができた。

チョ・ウィソク:警察は隠れて監視する立場だから、彼らを撮るときは建物や人などで視野を遮断し、逆に監視される泥棒は周辺に何もないように気を使って撮った。

Q17.全体の状況を観客が概括することが重要であるため、俯瞰ショットが特に多い映画でもある(笑)

チョ・ウィソク:限定された予算の中で大規模な映画に見せるため必要なシーンに集中して投資し、残りは節約して撮った。俯瞰もほとんど周辺の建物の屋上でやったし、テヘラン街と西小門(ソソムン)高架道路シーンではフライングカムを使った。映画で終始ジェームズは高い場所で事件を眺め、監視班は地上で状況を見守るが、終盤の清渓川に至ると二人の目線が逆転する。

Q18.どうやって撮ったのか気になるシーンがある。ジェームスとファン班長が次々とガラスを割って飛び降りるシーンと「オールド・ボーイ」のハンマーシーンを連想させる路地の格闘シーンだ。

キム・ビョンソ:飛び降りる姿からも二人のキャラクターの違いを見せなければならなかたった。ファン班長は武術チームの体にボディカムをつけて撮り、ジェームズはホ・ミョンヘン武術監督がワイヤーにしがみついてカメラを持って俳優と一緒に飛び降りながら撮った。車の屋根に落ちてすぐに転がって起きて走るが、俳優の表情が撮れた。チョン・ウソンだから可能なショットだった。チョン・ウソンの市場での格闘シーンは、「ビート」のミンが40代になってそのときと同様に再び路地である地点を眺めながら突進するアクションを観客に見せてあげるという感じだった。俳優の背後にあったカメラがワイヤーに乗って空中に上がってから再び俳優の前に戻り、喧嘩する人の周りを一周してから着地するロングテイクとなった。「オールド・ボーイ」は水平、「ベルリンファイル」は垂直のアクションを見せたので、僕たちは両方ともやってみようと思って(笑) チェ・ボンロク武術チーム長がカメラを持ってワイヤーに乗った。

Q19.自動車の追撃シーンや衝突シーンがチョ・ウィソク監督の映画にはいつも出てくるが、このようなシーンで特別な映画的快感を感じるか?

チョ・ウィソク:不思議にも交通事故に沢山遭った。いつも被害者だったが、前回の事故の示談金を全て遣ったと思えばまた事故に遭う(爆笑)

キム・ビョンソ:一緒に車に乗っていたとき、3台の玉突き事故に遭いましたが直ちに現場を撮影しろと言われ、どうしてそんなことが言えるのかと怒ったこともある(笑) 当時、示談金で短編映画を撮った。

Q20.「監視者たち」はどうしても基本権侵害という問題に触れるしかない。「やりたい放題だったら違法査察になるよ」という監視班の台詞も出るし、逮捕状を発行する前は密かに撮影したり、傍受することができないという言及もある。事件が発生した地域でもないところで民間の防犯カメラの映像を収集したり、決済の内訳を確認するシーンを見ながらどれだけ法的に許される活動なのかが知りたかった。犯罪情報管理法と関連して諮問を受けたのか?

チョ・ウィソク:警察庁の犯罪情報課が劇中の監視班と一番似た部署だが、そこで働いている方がシナリオを見てリアルタイムで防犯カメラをモニターする部分を除いては実際と似ているとおっしゃってくれた。犯罪発生以前にリアルタイムで防犯カメラの映像を見ることは、個人情報保護法に触れる。映画の中盤以降から追撃が本格化するため、そんなシーンが入ったことに対しては許容して見ていただきたいと了解を求めるしかない。江南警察署の伝説的な捜査1課の刑事、パク・ミオク警監がハン・ヒョジュ、2PM ジュノに会ったことがあるが、その方の「疲れたら負けるし、狂ったら勝つのだ」という言葉がファン班長の台詞になった。

「監視者たち」
出演:ソル・ギョング(ファン班長)、ハン・ヒョジュ(ハ・ユンジュ)、チョン・ウソン(ジェームズ)、チン・ギョン(イ室長)、2PM ジュノ(リス)監督:チョ・ウィソク、キム・ビョンソ
原作:「天使の目、野獣の街」
脚本:チョ・ウィソク、撮影:キム・ビョンソ、ヨ・ギョンポ、編集:シン・ミンギョン、美術:チョ・ファソン、衣装:チョ・サンギョン、音楽:タル・パラン、チャン・ヨンギュ
上映時間:119分(R15)
公開:7月3日

文:コラムニスト キム・ヘリ

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