Vol.2 ― 「モンスター」私の中のモンスター:SPECIAL INTERVIEW
学校を背景とするドラマなら、いつも登場するようなありきたりの組み合わせだ。堅実でハンサムな班長、ドラマ「学校」でのキム・ミニが思い浮かぶ問題児の女子生徒、毎日のようにあちこちからちょっかいを出されるいじめられっ子、そして世話好きで心も広い万人の友達。このようにありふれた構成だが、Mnetミュージックドラマ「モンスター~私だけのラブスター~」の中では違う姿だ。普通のドラマなら誰かの友達に留まっていたであろう子たちが皆主人公になり、それぞれ自分の物語を語り始めたからだ。音楽で一つになり、音楽で傷を癒している私の中のモンスター、プクチョン高校の子たちに会った。
参加者:カン・ウィシク、カン・ハヌル、キム・ミニョン、GLAM ダヒ、コラムニスト チョン・ソクヒ―キャラクターごとにそれぞれのストーリーがあって良かったですね?
カン・ハヌル:チョン・ソヌって、ありきたりの出来すぎ君キャラじゃないですか。どうすれば差別化することができるのか一人で色々悩んだのですが、チョン・ユンジョン脚本家が違う部分をいっぱい入れてくださったので、自然に解消できました。
―SBSドラマ「花ざかりの君たちへ」でもアイドルとライバル関係だったんですよね。今回で2回目ですね。
カン・ハヌル:そうですね。どうしてかな、とも思ってみました。もともとそんな顔なのかな(笑) ナンバー2的な顔なのかな?でも、心配にはなりません。僕は個人的に2位の立場の方が共感できるので。
―アイドルとの演技が心配になったりはしませんでしたか?BEASTのヨン・ジュンヒョンさんも、皆にそう思われるのではないか心配したそうですが。
カン・ハヌル:僕も、「花ざかりの君たちへ」の前は先入観がありました。情熱的ではないし、演技は二の次なのでいい加減にするというような話を聞いていたので。でも「花ざかりの君たちへ」でf(x)のソルリさんとSHINeeのミンホさんに出会ってから、そのような誤解を綺麗サッパリなくすことができました。最善を尽くして、誰よりも一生懸命頑張っていました。そして、ジュンヒョンに会ってからは、先入観が完全に崩れました。
―昨日ヨン・ジュンヒョンさんに会ったのですが、カン・ハヌルさんに会いたがってましたよ。
カン・ハヌル:あ、僕も会いたいです。はい、僕たちが付き合っているという噂があるんですよね(笑)
―ダヒさんは?劇中で“ソヌ”と“ナナ”は微妙な関係でしたし、服も着せてあげたりしたので。
カン・ハヌル:放送を見たら、会いたくなりました。
ダヒ:(大きく笑い)あ、会いたかったですか?
キム・ミニョン:(二人を見ながら)すっごい!
ダヒ:私は、チョン・ソヌが好きな状況が全てじゃないですか。特に服を着せるシーンは、本当に物凄く練習しました。画面を見ていたら、撮影の前にお互い合わせていたことを思い出します。でも私があまりにも気さくなので、弟みたいだといつも言われました。
カン・ハヌル:実際に、綺麗と言うよりは、ハンサムだと話していたような気がします。
―キム・ミニョンさんは、実際にユン・ソルチャンがタイプですか?上手くハマれたのか気になります。
キム・ミニョン:その質問、結構受けます。個人的にも、BEASTではヨン・ジュンヒョンさんのファンです(笑) 共感できるというよりは理解できます。私もgodと東方神起のファンだったので。
ぞんざいに扱ってくれと言われました
―映画ではほとんど俳優たちとしか共演しなかったので、不安にはなりませんでしたか?キム・ミニョン:全くなかったです。いい子ぶる面があるのではないかという心配はあったけれど、私の高校の時の友達が、2PMのジュノさんなんです。でも、友達がアイドルになるのと、アイドルが友達になるのとは全く違う話じゃないですか。でも、ヨン・ジュンヒョンさんが初めからそんな心配をなくしてくれました。自分から近づいてきて話しかけてくれて、自分のことを、ぞんざいに扱ってくれと言われました(笑)
―先日Mnet「ビートルズ・コード」でGLAMのメンバーたちが出てきて、ダンスを披露してくれましたね。他のガールズグループとは少し違う感じでした。
ダヒ:私たちって女性らしくて可愛いよりは、パワフルな方ですよね?ヒールもあまり履かないんです(笑) 服もカジュアルな方ですし。実際に私は、笑い過ぎともよく言われます。無表情の時は強い印象なので、第一印象は“キム・ナナ”ですけれど。
キム・ミニョン:ダヒが一番若いです。普段は気さくでよく笑うんですよ(笑)
カン・ハヌル:最初はガールズグループだと言われて、先入観が少しありました。でも、僕が面倒くさく台本を突きつけて一緒に練習しようとねだり続けるのに、嫌がる事なくよく合わせてくれたんです。
―レコーディングではなくて、現場で直接歌を歌わなければならなかったそうですね。プレッシャーを感じたでしょう。
カン・ハヌル:撮影中ずっとミュージカルのような緊張感があったようです。
―ミュージカル俳優がドラマをやると、説明しにくいですけれどぎこちない感じがするじゃないですか。でも、カン・ハヌルさんもカン・ウィシクさんも違和感はなかったですよ。
カン・ハヌル:最近はミュージカルも自然な方に変わりつつある傾向ですし、マイクがあって大きな声を出す必要もないので。また僕はジャンルが限定された人にはなりたくないので、ミュージカルをしながらも練習している部分もありました。一つの台詞で、ミュージカル向けと、放送向けに分けて練習したりもしてみましたし。
―キム・ミニョンさんは一人で音楽ができない役柄ですが、どうでしたか?
キム・ミニョン:撮影が遅れると、明け方に歌わなければならない場合もあります。私もミュージカルをやったことがあるので、歌いたいと思う時もありますが、そんなことは言えないですよね(笑) 早朝の4時に歌うあの熱唱を聞いて、拍手が出ないわけがありません。
―ダヒさんはガールズグループだから、男性アイドルや俳優と親しくはできないんですよね?今回皆一緒に親しくすることができて、嬉しかったでしょう。
ダヒ:(笑) 友達に最初ヨン・ジュンヒョンさんはどうかと聞かれましたが、後になったらカン・ハヌルという人が格好いいと言われました。キム・ナナは“チョン・ソヌ”のことが好きですが、私はユン・ソルチャンも魅力的だと思います。ヨン・ジュンヒョンさんと似ています。もともと素直でウィットがある人なんです。時々あれが演技なのか本当の姿なのか分からないほどでした。皆、あの人でなければ誰があの役を演じられただろうと思うほど、上手く噛み合っていたと思います。
―ミン・セイ(ハ・ヨンス)と歌った「風が吹く」を聞いた時は、びっくりしました。それまではパク・ギュドンが、本当に天然なだけの人だと思っていたので(笑)
キム・ミニョン:あのシーン、本当に長くかかりました。明け方まで撮りました。
カン・ウィシク:僕が“パク・ギュドン”のオーディションを受けた時も、あの曲を歌わされたんです。当時はそんなシーンとは思わなかったのですが、ドラマの勝敗がこれで決まると言われてプレッシャーを感じました。最初の音楽シーンですし、インナーイヤー型ヘッドフォンを付けるのに慣れなくて、長くかかりました。ミュージカルの時のトーンと監督が求めるトーンが違ったので、調整するまでにも時間が結構かかりましたし。パク・ギュドンは、虚しく無気力な声を出して欲しいと求められました。僕の本来の声は、少しクセがあるというべきかな(笑)
ダヒ:生徒たちが皆見つめているので、さらにプレッシャーになったと思います。教室でのシーンだったので。
カン・ウィシク:放送に流れたシーンは涙まみれだったのですが、やり甲斐は感じました。でも、放送を見たら、いつも惜しい気がします。
―歌は、人を別人にさせるということに、改めて気付きました。天然な“パク・ギュドン”が、別人に見えました。
ダヒ:そこでキム・ナナは泣いてはいけなかったのに、私は泣いてしまいました。グッとくるものがあったんです。ハマり過ぎて、感動してしまいました。
カン・ハヌル:あまりにも泣きすぎてしまって(笑)
―感動的な歌を聞いたら皆変わると思ったのですが、そのままでした。やられる度に悔しくはなかったですか?会長の下っ端のシン・ジェロク(ユン・ジョンフン)はまたどうしてあんなに憎たらしいんですかね。史上最強ではないかと思いますよ。卑劣な演技では。
カン・ウィシク:僕が頑張った部分もあるけれど、ジョンフンさんが可哀相な形で上手く生かしてくれました。
カン・ウィシク:ジョンフンさんが30歳だということ、知っていますか?
ダヒ:私と10歳違いです。超童顔ですよね?
―ハンサムですよね。イ・ジョンジェさんの顔にも見えますし。でも悔しいでしょうね。ギュドンをいじめる役割しかないので。監督に少し気を遣っていただけたら良かったのに。そこが惜しいです。
カン・ウィシク:色々非難もされますから。ギュドンのこと、もう放っておけと(笑) でも、演技をする立場からは非難され憎まれても、悪役はそのような熱い反応があれば上手く演じたことになるので。
―もしかして、実際にこのようないじめの経験がありますか?
キム・ミニョン:これほど酷くはないですが、小学校から中学に進学する時、男子と女子の間に線ができますよね。いじめまではいかないとしても、自然に一人ずつ順番に嫌いになることはあったと思います。理由もなく敏感になって。私だけかな?
カン・ハヌル:僕は中学1年の頃まで、少しいじめられっ子でした。太っていたので。100kgくらいありました。小学校の時弁当だったのですが、お使いに行って来たら弁当が出されていて、誰かに全部食べられていました。食べたら太るから、代わりに食べてあげるというメモが添えてありました。それをきっかけに運動を始めました。
キム・ミニョン:分かるような気がする。共感できるよ。私もぽっちゃりしているので、男子から色々からかわれました。皆一度くらいはそういう経験があるんじゃないでしょうか。
ダヒ:私も相当体重を落としました。その前は本当に太っていたんです。それでなのか、中学の時までは友達がいなかったんです。20kg近く落としたら、ようやく友達が一人二人できました。最初は転入生かと思われたんですよ。
キム・ナナ「私を泣かせないで」
―ダヒさんの「私を泣かせないで」も話題になりました。カン・ハヌルさんと一緒に歌った「人、愛」も人気を集めているんですが、どうしてもカン・ハヌルさんがカン・ウィシクさんより情が移りますよね。
カン・ウィシク:ちゃんと考えて答えろよ(笑)
ダヒ:“チョン・ソヌ”が好きな役柄なので、それでカン・ハヌルさんと共演するシーンが多くなるしかないですね。8割くらい?でも、外で話す時は、どうしてカン・ウィシクさんとはロマンスがないんだろうと言われました(笑)
カン・ウィシク:僕はいつも“パク・ギュドン”と“キム・ナナ”のロマンスを入れるべきだと主張していたんです。弱い男と強い女!面白いじゃないですか(笑)
―チャ・ドナム(パク・ギュソン)の最速ラップも、録音していたわけではないんですよね?
カン・ウィシク:はい、その場でやりました。お笑い番組でもビートボックスをやっていました。普段撮影に入る前も色々見せてくれましたし。
―シム・ウナは、色んな友達と交感する人ですよね。演じる上で大変な部分もありそうですが。
キム・ミニョン:ユン・ソルチャンに接する時と、チョン・ソヌに接する時、パク・ギュドンに接する時とシン・ジェロクに接する時、そして特にミン・セイの場合、ユン・ソルチャンに好かれていることを知ってからはその前と分けて演じなければならなかったので、難しかったです。映画「サニー 永遠の仲間たち」の時、カン・ヒョンチョル監督が求めたのは「君たち同士で親しくなれ」だったんです。キャラクターとして近づこうとするのではなく、本当に親しくなったらカメラの前でも変わりました。
カン・ハヌル:シム・ウナは、劇中で必ず必要な人物です。でも、ミニョンはもともと親しくなると色々と世話してくれるんです。似たようなところが多いです。
キム・ミニョン:私は自分から近づくタイプではないのですが、扉を閉ざしているわけではないんです。悩みを相談されたりすると、助けようとする方です。親しくなったら、お転婆娘に変身しますし。
ダヒ:誕生日!私の誕生日を覚えていてくれて祝ってくれました。
―監督はどのような方だったんですか?
カン・ウィシク:僕は初めてのドラマじゃないですか。新人も多くて同年輩なので気が散ることもありましたし、緊張感がなくなる場合も多かったです。いっぱい叱られました。「風が吹く」を撮る時、本当にたくさん叱られました。その代わり、終わってから抱いてくださって、お疲れ様と言われたんですが、それを言われると余計に涙が出るんですよね(笑)
―誰が一番叱られましたか?
カン・ウィシク:多分ハ・ヨンスさんと僕だと思います。
ダヒ:叱られたというよりは、監督が望むだけのものが出てこないので、惜しかったからだったと思います。
―おしゃべりして叱られた人はいないんですか?
ダヒ:私です!(笑)
キム・ミニョン:監督は、本当は心の優しい人なんです。いつも言うのが、「私が差し出がましくキャスティングできないような女優になれ」です。叱られる時はどうしてこれほどまでに叱るんだろうと思うのですが、後で振り返ってみると有り難いです。心を鬼にして叱る先生のような方です。
―今後の活動予定は?
ダヒ:演技を習うことができるなら、これからもずっと習いたいです。今回のドラマを通じて、ベースを習いました。欲も出てきました。自己啓発の時間を増やしたいと思います。
キム・ミニョン:今回、シム・ウナ役にとても共感できたのが、自分はできることが何もないというところでした。子供のころ色々習ったんですが、自分の意志でやったわけじゃなかったのできちんとできることは何もないんです。まだまだ行くべき道が遠いです。引き続き、小さな役を演じながら稽古も続けようと思います。
カン・ハヌル:僕は運動が好きなので、ムエタイを習っています。そして、ミュージカル歴が長いので、公演がふるさとのようでいつも懐かしいです。でも、両方共並行すると、どちらもうまくいかなさそうです。次のドラマが終わったら、ミュージカルをやることになりそうです。
カン・ウィシク:僕はまだまだ新人です。ドラマもミュージカルも1作ずつだったので、今は何をやっても面白いです。このインタビューも面白いです(笑) 具体的に何がやりたい、やりたくない、そんなものはありません。演技で、歌で、できることはできる限り色々やってみたいです。
―二人はミュージカルをしたからか、発声もよくて話し方も理路整然なので、MCもできると思いますよ。
カン・ウィシク:ありがとうございます。一緒にやろうか?(笑) 「M COUNTDOWN」のMCとか。僕もよく見るんです。何でも縦横無尽に、うまくやりたいです。僕たち4人でやっても面白いのではないでしょうか?
―パク・ギュドンが元気におしゃべりすると、おかしいですね。
ダヒ:でしょう?それでわざとあまり話さなかったそうです。
カン・ハヌル:街中で人々に気づかれるか聞いたんですが、メガネをかけないと気づかれないんだそうです(笑)
カン・ウィシク:実はそれで今日もメガネをかけてきたんだ(笑) 似たようなものでも掛けないと気づかれないんです。実際は気づかれないのが楽なので。後で有名になったら、今が懐かしくなるでしょうね。
エピローグ
今回もヨン・ジュンヒョン君の時と同じく、数人のスタッフたちがインタビュー現場を訪れた。絶えず目を合わせながらおしゃべりし、お互いを大事にする気持ちや弾ける若いエネルギーが感じられて、嬉しかった。キム・ウォンソク監督が「私が差し出がましくてキャスティングできないような俳優になれ」と言ったそうだが、私も同じ気持ちになった。スケジュールの都合でこの場に居合わせられなかったハ・ヨンス、パク・ギュソンさんを始めとするみなさん、なかなか会うことのできない俳優になりますように!
文:コラムニスト チョン・ソクヒ
「NAVER スペシャルインタビュー」では、今話題の人物にコラムニストのチョン・ソクヒさんがインタビューを実施。韓国で一番ホットな人物の本音をお届けします。- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- チョン・ソクヒ、写真 : Mnet、スタジオS カン・インホ
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