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Vol.1 ― 「モンスター」キム・ウォンソク監督&BEAST ヨン・ジュンヒョン:SPECIAL INTERVIEW

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Mnetミュージックドラマ「モンスター~私だけのラブスター~」。実は、大きな期待をしていたわけではない。KBS 2TV「トキメキ☆成均館スキャンダル」を成功させたキム・ウォンソク監督への信頼はもちろんあったが、「またアイドル?」という懸念もあり、すでにひと通り過ぎ去った、高校が背景のドラマということで、KBS 2TV「ゆれながら咲く花」と「ドリームハイ」を適当に組み合わせた形になるのではないかと思ったりもした。レストランの看板のメニューを見て、入ろうか止めようか躊躇う気持ち、ちょうどそんなところであっただろう。しかし「すごい世の中、ちっぽけな私。でも私は、誰が何と言おうとも自分の人生の主人公!!」PRでこのスローガンを見つけた瞬間、このドラマが好きになる予感がした。平凡な子供たちの成長記、それは私が望んでいた物語だったから。そして第一話で転校してきたミン・セイ(ハ・ヨンス)といじめられっ子のパク・ギュドン(カン・ウィシク)が一緒に「風が吹く」を歌った時、韓国のミュージックドラマがようやく一歩前進したと確信することができた。ある人は物足りないと言い、ある人は幼稚だとも言う。しかし、完璧でないので余計に情が移るドラマ「モンスター~私だけのラブスター~」。キム・ウォンソク監督とユン・ソルチャン役のBEAST ヨン・ジュンヒョンに会った。

参加者:キム・ウォンソク監督、BEAST ヨン・ジュンヒョン、コラムニスト チョン・ソクヒ

キム・ウォンソク監督「可能性を見せたことに満足しています」

―「トキメキ☆成均館スキャンダル」以降、どのような作品で復帰されるか気になっていました。結局、ミュージックドラマを選択されましたね。

キム・ウォンソク:噂は、韓国版の「Glee」、ケーブル版の「ドリームハイ」でした。その方が理解しやすいので、そのように記事を書いたと思います。私はそれよりは、ステージでない生活の中に音楽を取り入れた映画「ONCE ダブリンの街角で」の方が、韓国の制作の現実や感性によりふさわしいと思いました。それで企画段階での背景は高校生の物語ではありませんでした。落ちこぼれの練習生という設定だったんですが、そうするには自作曲がたくさん必要でした。予算など色々な問題もあって、高校という枠の中でストーリーを展開することになったんです。

―ミュージックドラマ、たまに試みられてはきましたが、反応が良かったことがあまりないですよね。

キム・ウォンソク:そうです。ドラマとしては成功したとしても、音楽的には首を傾けるしかないドラマもありましたし。最初は自信があったのですが、やってみると何で皆ミュージックドラマを作らないのか、その理由が分かって来ました。私が戸惑っている時に、ちょうどtvN「応答せよ1997」が出ました。音楽でもドラマでも成功した作品ですが、そのような物を私がまた作ることはできないじゃないですか。それで大変でした。おかしいでしょう?韓国の人たちは、ドラマも好きで、音楽も好きなのですが、それにも関わらず背景音楽でなく登場人物が歌うことになると、その好きだった感情が全部壊れるんです。私たちもまだその部分を解決することはできませんでした。最初「風が吹く」を見て、恥ずかしいと言った方も多かったので。


「音楽を使うコンテンツがこんなにも限られているとは、残念です」

―私は「風が吹く」を見ながら、突拍子もない音楽やステージの上の音楽でなく、ストーリーにうまく調和しているというだけでも成功したと感じましたが。

キム・ウォンソク:初回の場合、音楽ドラマと言わなくてもよさそうなくらいの音楽の分量でした。回を重ねながら少しずつ分量を増やして行きました。次第に慣れていくように。先週放送された、チョ・ムングンとキム・ジスがミン・セイの幻想の中で歌うシーンも、たぶん序盤に出てきたならぎこちないと言われたでしょう。私たちが得たのは、音楽を使ったドラマを作ることもできるという、“有意義な試み”くらいだと思います。韓国の音楽は世界的なレベルに達していると言われていますが、音楽を使うコンテンツはこれほど限られているなんて、残念です。

―俳優たちの中から、他の人が見いだせなかった知らなかった長所をうまく見つけ出す能力がおありですよね。例えば、ドラマ「トキメキ☆成均館スキャンダル」でJYJ ユチョンさんが実直な儒生の役柄を演じこなしたとか、ソン・ジュンギさんが図々しい面を見せたとか、そのようなことに面白さを感じるんですか?

キム・ウォンソク:面白いのは事実ですが、得意とは言えないです。実は「トキメキ☆成均館スキャンダル」は、序盤にファンの間では賛否両論、特に反対意見が多かったです。ク・ヨンハ役だけでなく、ユチョンさんへの懸念の視線、ムン・ジェシン役のユ・アインさんもイメージに合わないとよく言われました。私が見い出したというよりは、チャンスが準備のできている彼らを見つけ出したと言うべきでしょう。ソン・ジュンギさんの場合、江南(カンナム)で遊びながら多くの女性を口説いた、言葉なしでも眼差しや表情だけで人を惹きつける人にしようとしました。本人が非常に頑張ってくれました。ソン・ジュンギさんは、まだ見せていない面の方が多い俳優です。

―私は、このドラマが全ての登場人物に関心を示しているところが好きです。

キム・ウォンソク:夢を持たない子たちの話をしたかったです。普通音楽映画やドラマは、音楽への夢と情熱があるじゃないですか。それさえない物語の方がいいと脚本家に提案したら、非常に大変がっていました。そのような中で、チョン・ユンジョン脚本家が解決策を見つけてくれたんです。夢のない子たちの中に、異質的な存在(ユン・ソルチャン、ミン・セイ)が二つ混じった状況じゃないですか。カルチャーショック、あるいは感情の衝突で始まるのですから。脚本家がうまく展開してくれたんです。周りの人物が一人ずつ見えてくるのは、想定通り展開していることなんです。何かおおげさな話をしたいわけではありません。このようにすれば大切なものがみつけられるのではないか、くらいの気持ちです。

―まるで少女漫画のような、ときめく恋物語に長けていますね。

キム・ウォンソク:自分が経験したことがないので、想像でやります(笑) うまく表現してくださいましたね。多くの方に幼稚だと言われますけれど。このドラマを作りながら聞いた、最も嬉しかった言葉が、80~90年代の少女漫画みたいだという言葉でした。私も、イ・ミラさんやカン・ギョンオクさんの少女漫画が好きだったので。

―演技がとてもうまいわけでもないし、少し足りない感じではあるのですが、見ていると惹きつけられます。完璧なのは全部が全部良いことではないような気がします

キム・ウォンソク:演出者の立場からは、正直に言って演技の面では惜しい感じがあります。時代劇の形だったならばそれがこれほど浮き彫りにならなかったはずですが、ファンタジー的なキャラクターは、現代劇では演じにくいようです。ぎこちなさを抑えるために、漫画的な表現を使ったりもしました。ユン・ソルチャンはヨン・ジュンヒョンさんの姿と似ている部分が多いのでぎこちなく見えたりしますが、ミン・セイ役だけ見てもハ・ヨンスさんとは結構違うので。ナナ(GLAM ダヒ)もそうですし。本人たちも大いに悩んでいることでしょう。

―ヨン・ジュンヒョンのために作られたドラマだという気がします。ヨン・ジュンヒョンさんは、監督がうまく演じられるように作ってくださったような気がすると言っていましたが。

キム・ウォンソク:実は、両方共正しいです。脚本家がヨン・ジュンヒョンさんのことを大事に思うようになって、合わせて書いてくれた面もありますから。私は、自然体のヨン・ジュンヒョンと、キャラクターとしてのユン・ソルチャンが紛らわしくなるポイントを作ることが面白いです。例えば、ユン・ソルチャンがミン・セイからのメッセージを見て慌てて駆け出しながらマネージャーを責め立てるときの台詞は、全部アドリブなんです。台詞が終わっても「カット」を言わず待って、彼の口から出てきた言葉を全部生かして入れました。俳優がキャラクターと状況に完全に溶け込んだ時のみ可能なことです。そうすれば、ヨン・ジュンヒョンのようなユン・ソルチャンになります。しかし、反対に台詞を変えることは許しませんでした。台本の中で自分自身をどのようにキャラクターに投影させるべきか、その方法を探した方が正しいと思っていますから。


「さらなる努力が必要だと思います」

―いわば“マクチャン(日常では起こらないような出来事や事件が次々と起きる韓国特有のドラマ)ドラマ”が、そっぽを向かれるどころか視聴率が高い反面、「モンスター~私だけのラブスター~」の視聴率は期待に至らない状況です。もどかしいはずですが。

キム・ウォンソク:うちのドラマのレベルが高いという話では決してありません。実際、話にもならないドラマが存在しているじゃないですか。私の率直な気持ちとしては、見るものがないから見るとか、非難しながらも見るようなケースはなくしたいです。いっそのこと、好きだから見ると言った方がいいです。見られ続けるので、そんなドラマを作り続けるわけですから。「モンスター~私だけのラブスター~」は、最初の視聴率が、最終回を控えた今までほとんど変わりません。最初見てくださった人たちが見続けてくれたことには、感謝しています。演出者の立場から、視聴者の反応がわかる唯一の尺度が視聴率なので。だから、より多くの視聴者を確保できなかった点では、さらなる努力が必要だと思います。

―「応答せよ1997」に比べて視聴率が残念なのは、それだけ中高年層が見なかったという意味だと思います。あのドラマには、ソン・ドンイルさんやイ・イルファさんなど、中高年層の気を引く要素が多かったですので。

キム・ウォンソク:そのとおりです。実は、若い役者に集中した理由は、10代、20代の若い俳優たちには、チャンスがあまりないからでした。俳優は、チャンスさえ与えられれば自分で勝手に育つような気がしますが、彼らにはその機会があまり与えられない現実を残念に思ったからです。一時期、20代の男性俳優不足という言葉もあったじゃないですか。ですが、キム・スヒョン、ソン・ジュンギ、ユ・アインさんのような俳優が、彼らに注目してくれた作品を通じて認められることができました。20代の女優不足も、機会が与えられればいくらでも解消できると思います。

―チャンスを与えたい俳優がいるんですね?

キム・ウォンソク:多いですね。おそらく、3~4年くらい後に企画されたなら、多すぎてキャスティングに苦労したことだろうと思います。素晴らしい演技力の子役俳優が多いじゃないですか(笑)

―次の作品はどのような俳優と作業することになるのか、期待しています。


ヨン・ジュンヒョン「僕、強くなりました!」

―ユン・ソルチャン役、特別な意味ですよね?

ヨン・ジュンヒョン:デビュー5年目ですけれど、ソロ活動がフィーチャリング以外ほとんどありませんでした。初めての演技でもありますし、最初の作品で主人公を演じることになったのも、自分には意義深いですね。

―初めての演技とは思えないほど、自然でしたけれど。

ヨン・ジュンヒョン:安養(アニャン)芸術高校時代は、演劇映画科でした。それ以外は、特にやっていません。ただ、僕は映画やドラマを見るのがとても好きなんです。見ながら一人で真似してみるくらいでしたが、たくさん見ているのが役に立ったかもしれませんね。

―ユン・ソルチャンは、ヨン・ジュンヒョンさんにぴったりのキャラクターです。制作陣はヨン・ジュンヒョンさんを念頭に置いて作ったのでしょうか?

ヨン・ジュンヒョン:僕がキャスティングされてから、合わせてくださったと思います。得意なことができるように手伝ってくださいましたので。周りの人達から、ユン・ソルチャンはお前みたいだとよく言われたりします。でも、僕は実はそんな性格ではないんです。もちろん撮影をしていると、色々イタズラもしますし、変わった部分も結構あります。どうしてもユン・ソルチャンにつられるんです。でも、僕は本当に親しい人でないとそんなに笑いもしませんし、話もあまりしません。ユン・ソルチャンのように感情の起伏も激しくないですし(笑)

―グループBEASTから脱け出し、違う人生を生きてみたわけですが、どうでしたか?

ヨン・ジュンヒョン:心配が多かったです。もし自分が俳優の立場ならば、自分もやはりアイドルの演技への挑戦を快く思わなかっただろうと思うので。アイドルをやって得たファンと認知度を利用して、最初から主人公を務めるわけじゃないですか。それで、最初仲間たちに会った時、正直に話しました。そうしたら、そこまでではないけれど、不安ではあったと言われました。後になってからは、先入観を持っていたようだと話してくれて、有りがたかったです。

―アン・ネサンさんやイ・ヒジンさんなど、他の俳優たちと共演するのも異色な経験だったでしょうね?

ヨン・ジュンヒョン:アン・ネサン先輩と最初撮影した時は、言葉に出来ないほど緊張してしまいました。それで台詞も間違い続けまして。でもその日、引っ張ってくれる感じというのがどういうものか、確実にわかりました。自分の能力以上のものを引き出せるように手伝っていただき、またそれ以来たくさんのアドバイスをしてくださいました。イ・ヒジン先輩の場合は、他の意味で難しかったです。歌手としても大先輩じゃないですか。僕がまたMBCドラマ「最高の愛~恋はドゥグンドゥグン~」のファンでしたので。でも、撮影中ずっと、あまり会話をすることはできませんでした。むしろ僕より人見知りが激しいみたいで。でも、最後の打ち上げの時、居心地が悪いだろうと思ってたくさんは話しかけられなかったと話してくれました。それからは、連絡も取り合っています。


「この3ヶ月、どのようにして過ごしたかわかりません」

―「モンスター~私だけのラブスター~」の撮影と同時に、今回のBEASTアルバムの全曲をプロデュースしたと聞きましたが。

ヨン・ジュンヒョン:この3ヶ月、どのようにして過ごしたかわかりません。こうしていて、両方に迷惑をかけるのではないかと心配も多かったです。でも、過ぎてみるともう何でもできそうな気がします。最近BEASTの活動を始めたのですが、コンサートの準備もしなければなりませんし、音楽番組にも出なければなりませんし、僕なりに忙殺されていますが、これは何でもないように感じられました(笑) 自分の口で成長と言うのは何ですが、一言で言って強くなりました。強くなったという表現が、最も正しいです!正直、マネージャーさんに色々愚痴もこぼしました。ドラマでユン・ソルチャンがやっているのは何でもないくらいに(笑) 4日くらい寝られなかった時があったのですが、その時自分だけストップしていて、他の人たちは早送りになっているように動いていました。頑是無い心で、ここまでやらなければならないのかな、とも思いました(笑) でも、今は達成感があります。

―ダンスの練習をする時間がなかったでしょうに、ステージを見たらむしろダンスはうまくなっていましたよ。

ヨン・ジュンヒョン:他のメンバーたちが先に習って、僕は後で一日二日くらい行って習ったのですが、撮影現場でも時間がある度にダンスの練習をしました。他の子たちに笑われましたよ。じっとしていられないのって(笑)

―学生時代は、どんな子でしたか?

ヨン・ジュンヒョン:高校1、2年の時は、演劇俳優を目指していました。大学路(テハンノ)小劇場の演劇舞台に立ちたかったです。得体の知れない情熱に燃えていた時期です。そして、ものを書くのも好きでした。歌詞を趣味がてら書き始めたのですが、歌を作るようになったのはデビューしてからです。遊ぶとしても、作曲家たちが作業する所に行って遊びました。今も仕事がない時は、作業室に引きこもります。かといって、ずっと曲の作業を続けているわけではないです。コーヒーも飲んで、休みながら、なにか思い浮かぶと作業もして。ただの日常です。

―演技は続けるつもりですか?

ヨン・ジュンヒョン:監督の言葉で、死ぬほど疲れて大変でも、現場は中毒性があると。終わってみると、確かに懐かしい面がありますね。

―戻りたいですか?

ヨン・ジュンヒョン:いいえ。戻りたくはありません(笑) 今回の作品は、面白い経験でした。役者たちもほとんど同年代だったので、余計に面白かったです。ですが、劇中でまで歌手をやりたくはありません。今回のBEASTの活動が終わって、余裕ができて呼んでくれる方がいれば、歌手の役でないならば、もう一度挑戦してみたいです。

エピローグ
ただでさえスケジュールを合わせるのが難しい状況で、BEASTの活動まで始まったのでヨン・ジュンヒョン君には別で会うしかなかったが、インタビューの場所に「モンスター~私だけのラブスター~」のスタッフたちが大勢押し寄せてきた。撮影現場で可愛がられたことがわかった。明日皆のインタビューが予定されていると話すと、誰がくるのかと聞いていたヨン・ジュンヒョン君。誰に一番会いたいのかと聞くと、にっと笑いながら「ハヌルには会いたいですね」と。

文:コラムニスト チョン・ソクヒ

「NAVER スペシャルインタビュー」では、今話題の人物にコラムニストのチョン・ソクヒさんがインタビューを実施。韓国で一番ホットな人物の本音をお届けします。
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