「悪鬼」脚本家キム・ウニ、キム・テリの第一印象は?“清純で可愛いけれど、この人だったらという力強さも感じた”
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『キングダム』『シグナル』『サイン』などの大ヒットシリーズを手がけた韓国で最も著名な脚本家の一人、キム・ウニが脚本を担当。悪鬼に取り憑かれた女ク・サニョン役には『二十五、二十一』の演技で「第58回百想芸術大賞」を受賞したキム・テリ、その悪鬼を見ることのできる男ヨム・へサン役を『サイコだけど大丈夫』で自閉症を抱える兄役を見事に演じたオ・ジョンセが熱演している。
今回、日本での配信を記念して、脚本を手掛けたキム・ウニさんにインタビューを実施! 脚本やキャラクター、さらにKstyle独占の質問では、キム・テリ、オ・ジョンセの印象までたっぷりと聞いた。
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キム・ウニ:実は、私が描きたかった鬼や神は世界を破滅に追い込むような巨大な悪というよりは、私たちの生活に密着した鬼や神を描きたかったんですね。その起源を辿ると民俗学にかなり密接に関わっているので参考にして、色々と資料を調べたりしました。
――オープニング映像と1~2話を見ると伏線が多く張り巡らされているようですが、ストーリー制作は、伏線や小道具を決めて結末ありきで書いているのか、キャラクターが動いてストーリーを進めていってくれるのか、どういう形で書き進められましたか?
キム・ウニ:それは本当にケースバイケースですね。まずキャラクターがこういう風に成長を遂げていけばいいなと考えて小物を採用するケースもあれば、小物が頭に浮かんで、その後にキャラクターを描いたりですね。どちらが正解とは言い切れないんですね。
――今回はどちらでしたか?
キム・ウニ:今回もいろんな登場人物が登場するんですね。民俗学がまず土台になってますので、例えば今はあんまり使われていないけれど、かつては使われていた物。今は馴染みはないけれど、なんとなくどういう所に使われるのかわかるような物。例えば今回は髪飾り、テンギという物が登場するんですけども、景福宮(キョンボックン)という昔の宮殿に行けば見ることはできるのですが、実生活で使われなかったり、そういう物を使っているんですね。青い甕(かめ)の欠片とか、今見たら何となくはわかるんですが使われていない物を結構採用していると思います。
――キム・ウニ作家が生み出したキャラクター、主人公ク・サニョンと民俗学者ヨム・ヘサンを演じたキム・テリさん、オ・ジョンセさんの演技についてどう思われましたか?
キム・ウニ:キム・テリさんは、編集バージョンを拝見した時は、まさには本物だと思ったんです。彼女の芝居を見て、これがク・サニョンなのか、キム・テリなのか本当に区別がつかないほど卓越した表現力には本当に感謝を申し上げたいと思います。一方で、オ・ジョンセさんは本当に探究するスタイルなんですね。普段もすごく研究熱心で、私はオ・ジョンセさんの姿、話し方などを見て、「あ、こういうセリフを使おう」と思ったぐらいに非常にヨム・ヘサンとのシンクロ率が高いんです。彼の場合は、説明をするようなセリフがすごく多くて、今回お芝居をするのが容易ではなかったと思うんですけれども。あとすごく孤独なキャラクターなんですが、それに合わせて非常にいい芝居をしてくれていると思います。ク・サニョンの場合は、パッと見てもすごい演技だなとわかりやすい、そういうキャラクターかもしれません。ただ、ヘサンの場合は、今のところちょっと地味かもしれないんですが、これからご覧になる方がどんどんハマっていく、そういうキャラクターなんじゃないかなと思います。
Kstyle独占の質問にも回答!
キム・テリの第一印象「シナリオを書く前に…」
――放送開始となって周囲や視聴者からの反応はいかがでしたか?キム・ウニ:実は私は臆病で、エゴサーチはあまりできないタイプなんです。ですが、今回一緒に仕事をした制作陣や友達、夫も面白いと言ってくれました。怖かったという声もありましたが、思ったほど怖くなかったという話もありました。その中でも一番多かったのが、キム・テリさんの芝居がすごかったという話でした。
――キム・テリさん、オ・ジョンセさんにはどんな印象を持っていて、今作でどんな期待を持っていましたか?
キム・ウニ:キム・テリさんの第一印象は本当にしっかり者だと思いました。最初に会った時はまだシナリオもなく、キャスティングが決まるかなり前でした。彼女に会って、このような話を書こうと思っていると伝えました。第一印象としては清純で可愛い、美人という印象でしたが、この人だったら悪鬼を叩きのめすことが可能なんじゃないかという力強さも感じました。オ・ジョンセさんは私の前作である『智異山』でご一緒しましたが、彼は人見知りで、一体どうやってこんな性格で演技ができるんだろうと思うようなタイプなんです。口数も少なくて内向的な人ですが、ヘサンの成長を描くのに、オ・ジョンセさんみたいな俳優に演じてもらえたらすごくよさそうだと思いました。今回オファーをしたら快く引き受けてくれてありがたいと思いました。彼はどんな台本でもうまく演じることができる役者だと思います。
――シナリオを書いた時に考えていたことが映像化された時、思いもよらなかった意外なシーンや驚いたシーンはありましたか?
キム・ウニ:もともと考えていたもの以外で追加されたシーンは特にありませんでしたが、編集された映像を見た時、驚いたのは美術です。特にク・サニョンの父親ク・ガンモの書斎がすごく気に入りました。私もいろいろ資料を調べたのですが、美術チームの調査が素晴らしく、具現化された書斎を見て全く隙がないなと思い、本当に驚かされました。それで別の作品でこれを使わせてもらえないかと言ったほど気に入っています。これは制作チームがディテールにこだわった成果だと思います。
――OTTサービスの拡大により、様々な作品が海外でもリアルタイムで視聴できるようになり、韓国ドラマへの海外からの注目もより大きくなっていると思います。脚本家として感じていることはありますか?
キム・ウニ:海外でKドラマと表現され、たくさんの方に韓国の作品を見ていただけて、作り手からすればすごく嬉しいです。脚本家にとってはいろいろなチャンスが開かれ、いろいろな題材にチャレンジできると思うので機会が非常に感謝すべき状況だと思います。
――数々の作品を手掛けてきたキム・ウニさんですが、これまでの作品で脚本家として転機になったタイミングや作品はありますか?
キム・ウニ:一作だけ選ぶのは難しいと思います。あまり知られてないですが、『危機一髪!プンニョンマンション』というドラマがありまして、これは書き方を教えてくれた作品だと思います。また『ファントム』はドラマを書く上で主題の大切さを教えてくれた作品で、このようにすべての作品で私に教えてくれることがたくさんあったと思います。
――それでは、最後に日本のファンに向けて本作の見どころを含めてメッセージをお願いします。
キム・ウニ:よく韓国的なオカルトものだとか言われますけれど、やっぱり人間の暮らしというのは国が違っても似たようなところは結構あると思うんです。特に韓国特有の“恨(한/ハン)”、これは無念さとかなかなか晴らせない悲しみの感情、いろんなものが絡み合った複雑な感情を指します。私が日本の小説とか漫画、アニメなどを見ても、韓国の“ハン(恨)”に近い感情に近いものが描かれているような、そういう印象を受けました。
ですから、この『悪鬼』というドラマをご覧になって、韓国と日本のどういう所が違うのか、どういう所が近いのか、これは韓国のものだと決めつけずに、世界の人々はだいたいこういうことを考えて暮らしているんだなという風に考えていただきたいなと思います。あと、キム・テリという本当に素晴らしい役者さんが演じています。今回彼女は一人二役に挑戦していますので、彼女の演じる”悪鬼”をぜひ楽しみにしていただければと思います。
■配信情報
『悪鬼』(全12話)
ディズニープラス スターにて独占配信中
© STUDIO S. All rights reserved.
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- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- Kstyle編集部
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