『パラサイト』のソン・ガンホ、デビュー35年にして初のドラマに挑戦!善か?悪か?正体不明の『サムシクおじさん』
ディズニー公式動画配信サービスDisney+(ディズニープラス)で独占配信中のドラマ『サムシクおじさん』が話題沸騰中だ。カンヌ国際映画祭主演男優賞も受賞した韓国の国民的映画俳優ソン・ガンホが、デビュー35年にして初のドラマシリーズに挑戦! “サムシクおじさん”の愛称で呼ばれる謎の政治フィクサーに扮し、ピョン・ヨハン扮する理想主義の青年とともに「国民が一日三食(サムシク)腹いっぱい食べられる豊かな国」の実現を目指して奮闘する。激動の1960年代を舞台に男たちの熱き生き様が交差する骨太のヒューマンエンターテインメントに注目を!
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「映画デビューから28年、俳優生活は35年になります。初めてのドラマは慣れないこともあり、緊張もありましたがワクワクもしました」と述懐。今回出演を決めた理由については「一番大切なのはファンとのコミュニケーション。現在は多彩で多様な試みがなされ、私たちもそれを受け入れる時代になりました。シン・ヨンシク監督とも話しましたが、『サムシクおじさん』はトレンド化されている配信サービスのドラマとは一風異なります。だからこそ挑戦であり、新鮮に映るのではないかと思い、好奇心に導かれてここまできました」と語った。
一見気のいいおじさんだが、実は権謀術数に長けた策士であり、他人の痛みに敏感な情の濃さと、夢の実現のためには犯罪も辞さない恐ろしい二面性を持つアンチヒーローなのだ。物語が進むにつれ「16歳のときにアンパンひとつのために初めて人を殺した」という衝撃の過去も明らかになっていく……。ソン・ガンホ自身「サムシクおじさんは一言で言い表せないキャラクター。これまで数々の作品に出演してきましたが、一度も見せたことがない役を演じました」と語っている。
ソン・ガンホの特徴である平凡で親しみやすい風貌、その裏に隠された鋭い眼光。どこかユーモラスなほのぼのムード、そこから滲み出るペーソス。突如噴出する狂気、人間の業の深さ……そんな多種多彩な演技の上手さを、全16話の長尺でじっくりたっぷり楽しめることこそがドラマの醍醐味。これまでにソン・ガンホは朴正煕の軍事独裁時代が舞台の『大統領の理髪師』、日本占領下での抵抗運動を描いた『密偵』、光州事件が題材の『タクシー運転手 約束は海を越えて』、実在した大統領を演じた『弁護人』など数々の政治エンターテインメント映画に主演してきた。それらの名作を愛するファンにとってドラマ『サムシクおじさん』は必見といえよう。謎に包まれたサムシクの正体は何なのか? どんな結末が待ち受けているのか? 惹きつけられずにいられない!
サンを演じるのは、これまでに『ミセン-未生-』『六龍が飛ぶ』『ミスター・サンシャイン』など様々な作品に出演し、深みのある演技を見せてきた実力派ピョン・ヨハン。端正なルックスに男の色気もあり、全身から漂うノスタルジックな雰囲気が本作にぴったりだ。若き理想主義者がサムシクという強烈な人物との出会いによって現実を知り、価値観を揺さぶられ、変化していくさまを繊細に演じる。夢のために愛する婚約者チュ・ヨジンとの別れを決意する場面は涙を誘う。
「私たちは同じ夢を見ている」「私は望むものを何としてでも全て手に入れる」「私には才能がある。成功する奴かどうかは目を見ればわかる。あなたは大統領にもなれる!」と執拗に迫りくるサムシクおじさんを本当に信じていいのか? サムシクとサンが目指している夢ははたして同じなのか? 監督によれば2人の間には今後、特別な愛憎が描かれるという。国民的名優を相手に一歩も引かない次世代代表俳優。ソン・ガンホVSピョン・ヨハンのがっぷり組んだ演技合戦は、今作の見どころのひとつである。
サンの友人であり、陸軍士官学校出身のエリート軍人チョン・ハンミンは、最近『殺し屋たちの店』の強烈な悪役で一躍注目されたソ・ヒョヌが担当。そしてオルブライト財団理事の妹のレイチェル・ジョンを少女時代のティファニーが演じる。ティファニーにとって今作は『財閥家の末息子』に続いてのドラマ出演。「多くの登場人物が自分の野心に向かって突き進みますが、レイチェルは唯一サポートする人物です。最後までご覧いただくと彼女の魅力がわかってもらえると思います」と語った。
撮影現場では“ドラマ界ではまったくの新人”であるソン・ガンホが、ドラマにおける自分の演技の匙加減に迷い、収録が終わるたびにチン・ギジュに「これでよかったか?」と確認。その荷の重さにチン・ギジュが根を上げるなど、大物新人をめぐる笑える珍エピソードがいくつも巻き起ったという。
また、作品については「『ごはんを食べましたか?』という質問が挨拶を意味する国はおそらく韓国だけでしょう。朝鮮戦争直後、1食すらままならなかった時代の反映だと思います。1960年当時の韓国は戦後間もない激動の時代でした。“醜いアヒルの子”が鷲や白鳥になれるのか? それともアヒルのままなのか? 現代の韓国人の原点かつ転換期になった時代だったのです」と解説。「旧時代の中に西欧化が混在した自由な時代を背景にした本作は、私にとってはロマンス。海外の視聴者にもその意味を理解してもらえるはず」と付け加えた。
ちなみにソン・ガンホの代表作のひとつである『大統領の理髪師』の中には『サムシクおじさん』の重要なエピソードのひとつである「3.15不正選挙事件」についての描写が出てくる。『サムシクおじさん』はフィクションであり、歴史的な事実をベースにそれらを上手くアレンジしたサスペンスフルかつヒューマンな物語が展開していく。韓国の近代史を知らなくても充分楽しめる内容であると同時に、これまであまりドラマで描かれることがなかった1960年初頭の韓国について知る、またとない機会になるだろう。
(執筆:望月美寿)
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世界の映画スター、ソン・ガンホ。満を持してのドラマデビュー
主演映画『パラサイト 半地下の家族』が第92回アカデミー賞最優秀作品賞ほかを受賞し、2022年には是枝裕和監督の『ベイビー・ブローカー』で韓国人俳優として初のカンヌ国際映画祭主演男優賞に輝いたソン・ガンホ。名実ともに韓国が誇るトップ俳優、グローバルスターである彼が、長いキャリアをへて、ドラマ初主演作として選んだのが今作だ。「映画デビューから28年、俳優生活は35年になります。初めてのドラマは慣れないこともあり、緊張もありましたがワクワクもしました」と述懐。今回出演を決めた理由については「一番大切なのはファンとのコミュニケーション。現在は多彩で多様な試みがなされ、私たちもそれを受け入れる時代になりました。シン・ヨンシク監督とも話しましたが、『サムシクおじさん』はトレンド化されている配信サービスのドラマとは一風異なります。だからこそ挑戦であり、新鮮に映るのではないかと思い、好奇心に導かれてここまできました」と語った。
善か?悪か?正体不明のサムシクおじさん
物語のスタートは1959年。朝鮮戦争休戦協定締結から6年、失業者があふれ農業は壊滅状態、国民全体が貧しさにあえいでいた時代。「戦時中も家族、友人、親戚の誰ひとり飢えさせず、一日三食食べさせた」という伝説を持ち、周囲から韓国語で三食を意味する“サムシク”おじさんの愛称で親しまれている実業家パク・ドゥチルは「国を変えたい、国民が腹いっぱい食べられる国にしたい」という壮大な夢を持っている。だが、彼は決して高潔な人物ではない。政界、財界、軍、裏社会、あらゆる組織の暗部を知り尽くし、先回り、人心掌握、騙し討ちはお手のもの。一見気のいいおじさんだが、実は権謀術数に長けた策士であり、他人の痛みに敏感な情の濃さと、夢の実現のためには犯罪も辞さない恐ろしい二面性を持つアンチヒーローなのだ。物語が進むにつれ「16歳のときにアンパンひとつのために初めて人を殺した」という衝撃の過去も明らかになっていく……。ソン・ガンホ自身「サムシクおじさんは一言で言い表せないキャラクター。これまで数々の作品に出演してきましたが、一度も見せたことがない役を演じました」と語っている。
ソン・ガンホの特徴である平凡で親しみやすい風貌、その裏に隠された鋭い眼光。どこかユーモラスなほのぼのムード、そこから滲み出るペーソス。突如噴出する狂気、人間の業の深さ……そんな多種多彩な演技の上手さを、全16話の長尺でじっくりたっぷり楽しめることこそがドラマの醍醐味。これまでにソン・ガンホは朴正煕の軍事独裁時代が舞台の『大統領の理髪師』、日本占領下での抵抗運動を描いた『密偵』、光州事件が題材の『タクシー運転手 約束は海を越えて』、実在した大統領を演じた『弁護人』など数々の政治エンターテインメント映画に主演してきた。それらの名作を愛するファンにとってドラマ『サムシクおじさん』は必見といえよう。謎に包まれたサムシクの正体は何なのか? どんな結末が待ち受けているのか? 惹きつけられずにいられない!
ピョン・ヨハン VS ソン・ガンホの演技合戦
そんなサムシクおじさんと手を組んで韓国の新しい未来を夢見る青年が、韓国内務部、国家再建局課長であるキム・サンだ。真面目で堅実な理想主義者であるサンは陸軍士官学校出身のエリートで、オルブライト財団の奨学金を得てアメリカに留学、経済学を学んで帰国した。大企業からの誘いもあったのに、それを蹴って庶民のために生きる公務員の道を選んだため現在は清貧の身。病気で寝たきりの老父、戦争で死んだ兄の忘れ形見である姪、義姉とほそぼそと暮らしている。苦労して練り上げた国家再建事業計画に自信を持っているが、大きな挫折を味わい、自力での実現は難しいと絶望していたとき、突然目の前に現れたのがサムシク。腹の底が見えないうさんくささを警戒しながらもそのパワーに飲み込まれ、大きく運命が変わっていく……。サンを演じるのは、これまでに『ミセン-未生-』『六龍が飛ぶ』『ミスター・サンシャイン』など様々な作品に出演し、深みのある演技を見せてきた実力派ピョン・ヨハン。端正なルックスに男の色気もあり、全身から漂うノスタルジックな雰囲気が本作にぴったりだ。若き理想主義者がサムシクという強烈な人物との出会いによって現実を知り、価値観を揺さぶられ、変化していくさまを繊細に演じる。夢のために愛する婚約者チュ・ヨジンとの別れを決意する場面は涙を誘う。
「私たちは同じ夢を見ている」「私は望むものを何としてでも全て手に入れる」「私には才能がある。成功する奴かどうかは目を見ればわかる。あなたは大統領にもなれる!」と執拗に迫りくるサムシクおじさんを本当に信じていいのか? サムシクとサンが目指している夢ははたして同じなのか? 監督によれば2人の間には今後、特別な愛憎が描かれるという。国民的名優を相手に一歩も引かない次世代代表俳優。ソン・ガンホVSピョン・ヨハンのがっぷり組んだ演技合戦は、今作の見どころのひとつである。
イ・キュヒョン、ティファニーも!脇を固める俳優陣に注目
サムシクとサンを取り巻く登場人物もまた個性的な面々ばかり。次期指導者候補カン・ソンミンを演じるのは『刑務所のルールブック』『医師ヨハン』『ハイバイ、ママ!』などに出演するイ・キュヒョン。映画、ドラマ、ミュージカルの世界で幅広く活躍する彼は、今作でサムシクを利用して自分の欲望を成し遂げてきた冷酷きわまりない政治家を演じる。サンの恋人で芯の強いチュ・ヨジンには『偶然出会った、あなた』のチン・ギジュ。サンの友人であり、陸軍士官学校出身のエリート軍人チョン・ハンミンは、最近『殺し屋たちの店』の強烈な悪役で一躍注目されたソ・ヒョヌが担当。そしてオルブライト財団理事の妹のレイチェル・ジョンを少女時代のティファニーが演じる。ティファニーにとって今作は『財閥家の末息子』に続いてのドラマ出演。「多くの登場人物が自分の野心に向かって突き進みますが、レイチェルは唯一サポートする人物です。最後までご覧いただくと彼女の魅力がわかってもらえると思います」と語った。
撮影現場では“ドラマ界ではまったくの新人”であるソン・ガンホが、ドラマにおける自分の演技の匙加減に迷い、収録が終わるたびにチン・ギジュに「これでよかったか?」と確認。その荷の重さにチン・ギジュが根を上げるなど、大物新人をめぐる笑える珍エピソードがいくつも巻き起ったという。
「ごはんを食べましたか?」が意味するもの
『空と風と星の詩人~尹東柱(ユンドンジュ)の生涯~』の脚本家として知られるシン・ヨンシク監督は今作が初めてのドラマ。ソン・ガンホとは過去に2回組んでおり、韓国初のバレーボール映画『1勝』では監督、脚本、制作を担当。『クモの巣』では脚本と共同制作に参加した。『サムシクおじさん』はソン・ガンホへの当て書きだったという。「プライベートでも彼の様々な顔を見てきて、この会話を使いたい! と何度も思いました。そのイメージを投影しながら脚本を書いたので、現場でモニターを観ているときもとても楽しかったです」と振り返る。また、作品については「『ごはんを食べましたか?』という質問が挨拶を意味する国はおそらく韓国だけでしょう。朝鮮戦争直後、1食すらままならなかった時代の反映だと思います。1960年当時の韓国は戦後間もない激動の時代でした。“醜いアヒルの子”が鷲や白鳥になれるのか? それともアヒルのままなのか? 現代の韓国人の原点かつ転換期になった時代だったのです」と解説。「旧時代の中に西欧化が混在した自由な時代を背景にした本作は、私にとってはロマンス。海外の視聴者にもその意味を理解してもらえるはず」と付け加えた。
ちなみにソン・ガンホの代表作のひとつである『大統領の理髪師』の中には『サムシクおじさん』の重要なエピソードのひとつである「3.15不正選挙事件」についての描写が出てくる。『サムシクおじさん』はフィクションであり、歴史的な事実をベースにそれらを上手くアレンジしたサスペンスフルかつヒューマンな物語が展開していく。韓国の近代史を知らなくても充分楽しめる内容であると同時に、これまであまりドラマで描かれることがなかった1960年初頭の韓国について知る、またとない機会になるだろう。
(執筆:望月美寿)
■配信情報
『サムシクおじさん』
Disney+(ディズニープラス) スターで独占配信中!
>>『サムシクおじさん』の視聴はこちら
【キャスト】
ソン・ガンホ、ピョン・ヨハン、イ・キュヒョン、ソ・ヒョヌ
【スタッフ】
監督・脚本:シン・ヨンシク『カシオペア』
【ストーリー】
1960年代の韓国を舞台に、自国の運命をなんとか好転させようと奔走する野心あふれる理想主義的な青年キム・サンと、影で暗躍する謎の政治フィクサー、サムシクを描く。2人は、戦後の苦境にあえぐ韓国を、誰もが1日3食を食べられる豊かな国に変えることを目標に、不穏なパートナーシップを組むが……。
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