【ドラマレビュー】「ホジュン」 vs 「馬医」同じようで違う2つの“イ・ビョンフン流”ドラマ
写真=MBC
主人公の成長は似通っているが、女性の至高な犠牲は違う
MBC月火ドラマ「馬医」(脚本:キム・イヨン、演出:イ・ビョンフン、チェ・ジョンギュ)が絶賛放送中だ。朝鮮時代、馬を治す医者から王を治す御医(オイ:王の主治医)になるペク・クァンヒョンの一代記を描くこのドラマは、主人公チョ・スンウの好演においても連日話題を呼んでいる。ところで、「馬医」を観れば思い浮かぶドラマがある。1999年から2000年まで韓国で放送されたドラマ「ホジュン~宮廷医官への道~」(以下「ホジュン」、脚本:チェ・ワンギュ、演出:イ・ビョンフン)だ。最高視聴率63.5%を記録し、国民的なシンドロームを巻き起こした「ホジュン」は、「東医宝鑑」の著者であり、かつ御医だったホ・ジュンの一生を描いている。この2つのドラマは、“イ・ビョンフン”という韓国時代劇の巨匠の手から誕生した作品でもある。
「ホジュン」にもあり、「馬医」にもある3つとは?
それでは、演出者が同じこと以外に、「馬医」と「ホジュン」の共通点は何があるだろう。第1に、主人公があらゆる逆境を乗り越え成長していく、ファンタジー英雄の属性を持っている点だ。主人公はまるでゲームのように、1つ1つ技を会得し、やがてはその分野の独歩的な存在になっていく。これを見守る視聴者は、主人公の成長過程を一緒に歩むことになるわけだ。このような点から、「ホジュン」と「馬医」は妙な中毒性を持っている。
第2の共通点は、2つのドラマに個性豊かな助演が必ずいることだ。その中でも、「この人が出ているから、イ・ビョンフン監督の作品だな」と思わせる人物がいる。それは、「馬医」でチュ・ギベ役を演じる俳優、イ・ヒドだ。彼は「ホジュン」でもホ・ジュン(チョン・グァンリョル)の側近であるク・イルソ役を演じている。
第3の共通点は、主人公がこのすべての逆境を乗り越えるうえで手を貸す女性キャラクターがいる点だ。「馬医」でこの役割を果たすのは、医女カン・ジニョン(イ・ヨウォン)だ。また、ペク・クァンヒョンに片思いを寄せるスクフィ姫(キム・ソウン)もやはり、今後ペク・クァンヒョンの助力者として活躍する可能性が高い。「ホジュン」でも、医女のイェジン(ファン・スジョン)が物心両面からホ・ジュンを助けていた。
「ホジュン」にはあるが、「馬医」にはない2つとは?
このように酷似しているように見える2つのドラマにも、もちろん違いはある。「ホジュン」にはあり、「馬医」にはないもの。その1つは、“師匠の犠牲”だ。「ホジュン」のホ・ジュンは、庶子という身分の制約により非行に走ったあまり、密輸人の道に足を踏み入れる。しかし、そこで出会うのがホ・ジュンの一生の師匠である、ユ・ウィテ(イ・スンジェ)だ。ユ・ウィテはホ・ジュンには超えることのできない壁のような存在で、常に叱ってばかりの人物だったが、自分の死が差し迫るとホ・ジュンに自身の遺体を解剖させる。ホ・ジュンはこのような師匠の愛に報いるために、当時は御法度だった遺体解剖を行う。これが基になり後々ホ・ジュンは御医になり、「東医宝鑑」を執筆するに至るのだ。しかし、「馬医」では彼の師匠として活躍するコ・ジュマン(イ・スンジェ)の犠牲はまだ見られていない。
そしてもう1つ、「ホジュン」にはあり「馬医」にはないものがある。それは、一人の女性の献身的な至純の愛だ。「ホジュン」のイェジンは、ホ・ジュンが死を迎える瞬間までも運命を共にしようとする純粋な愛を見せる。ホ・ジュンのことなら、何でも助けようと努力するのはもちろんだ。妻のいるホ・ジュンとの愛は結局叶わなかったにも関わらずだ。
このような犠牲的な女性の愛が「ホジュン」にはあるが、「馬医」には現れない。ペク・クァンヒョンを手助けするカン・ジニョンの姿はただの“助け”であるだけで、“犠牲”にまでは至らない。スクフィ姫もやはりペク・クァンヒョンに思いを寄せ彼を助けようとするが、彼のために犠牲になるような姿まで見せてはいない。
しかし、ここで挙げた共通点と違いがこれから変わる可能性ももちろん存在する。「ホジュン」は既に終了しているドラマだが、全50話で予定されている「馬医」はまだ第18話までしか展開されていないためだ。制作陣がどのように物語を展開するかにより、2つのドラマの共通点と違いはさらに増えることも、或いは減ることもあるだろう。
現在「馬医」は視聴率20%に近づき、順調である。果たして今後「馬医」が「ホジュン」を超えることができるか、その展開が注目される。
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- チェ・ヨンホ、イ・ミナ
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