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「馬医」から「せがれたち」まで…“ドラマ王国”MBCの危機

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平日から週末まで、MBCドラマ徹底診断

今までMBCは、自他ともに認める“ドラマ王国”だった。「黎明の瞳」「愛が何だって」「嫉妬」「ホジュン~宮廷医官への道」など、様々なジャンルのドラマを通じて市場をリードし、数々のヒット作を世に送り出してきたからだ。このMBCが2013年に入って急激に揺れている。平日から週末まで厳しい戦いが続いている中、なかなか逆転のチャンスをつかめずにいる。危機に直面したMBCドラマを徹底的に診断してみる。

【月火ドラマ】「馬医」なかなか乗り越えられない20%の壁

写真=MBC
月火ドラマ「馬医」は、それなりに事情は良い方だ。同時間帯で1位をキープし、なんとか健闘しているからだ。だが、内部的に問題がないわけではない。一番大きな問題は、視聴率が伸び悩んでいることだ。時代劇の巨匠、イ・ビョンフン監督と彼のコンビ、キム・イヨン脚本家、ここにデビュー後初めてドラマ出演を決めた映画俳優のチョ・スンウまで合流したが、なかなか20%の壁を乗り越えられずにいる。

「ホジュン~宮廷医官への道」「宮廷女官チャングムの誓い」などでお馴染みとなったイ・ビョンフン監督のRPG的な展開が逆に足かせとなり、新しいものを期待する視聴者を十分に満足させられていないからだ。視聴率を引き上げるには、中間にいる視聴者をひきつける強力なインパクトが必要だが、残念ながらまだそれほどの魅力を十分発揮できずにいる。MBCの悩みが深まるしかない理由だ。

さらに、ライバルドラマKBS 2TV「ゆれながら咲く花」は冬休みに入り、視聴率がどんどん上がっている。8日、「馬医」の視聴率は18.3%(AGBニールセン・メディアリサーチ全国基準、以下同一)で「ゆれながら咲く花」の15.8%とわずか2.5%しか差をつけなかった。2倍以上差をつけていた視聴率の差が、目に見えて縮んだわけだ。ここにクォン・サンウ、スエ主演のSBS「野王」まで加われば、この構図が揺れるのは時間の問題である。同時間帯1位に甘んじてる暇はないということだ。

このような状況を意識したのか、最近「馬医」は新しいストーリー展開を予告し、雰囲気の転換に乗り出している。劇的でスピーディーな展開を通じ、一番先に20%を確保し、主導権を握ろうという考えだ。MBCも沈んだ雰囲気を盛り上げるために色々と努力している。昨年末のMBC演技大賞でアン・ジェウクが一つの賞も受賞しなかったことについて非難を浴びることはあったが、チョ・スンウが代わりに演技大賞を受賞するなど、「馬医」を熱心にサポートしている。いつにも増して混乱した月火ドラマで、果たして「馬医」がMBCの切実な願い通り、その役割を果たせるのか気になる。

【水木ドラマ】「会いたい」女性たちが目をそむけたドラマ

写真=MBC
水木ドラマ「会いたい」は、より深刻だ。一時はライバル作の「チョンウチ」を抜き、同時間帯1位を獲得したこともあるが、最近、視聴者離れが加速し、かろうじて10%の視聴率を維持している。さらに一番視聴率が低かったSBS「大風水」に同時間帯2位まで奪われ、行く道を失った。時代劇の中で正統派恋愛ドラマを掲げて、隙間からの攻略に乗り出したが、思ったほど簡単にはいかないようだ。

二面性を持つキャラクターを演じるユ・スンホの演技は見ものだが、JYJ ユチョンとユン・ウネの演技はまだ足りない感じがする。特に、これまで主に明るいキャラクターを演じてきたユン・ウネの変身はいまだに不自然だ。人々が自分に求めるキャラクターが何なのかを正確に把握する必要がある。自分に上手くできることとできないことを見分ける賢明さも求められる。「会いたい」以降、次回作を選ぶときはこのような過ちを繰り返してはいけない。

主なターゲットである女性をきちんと攻略できなかったストーリーにも問題がある。女性の視聴者が望むのは「秋の童話」「冬のソナタ」のような“美しい恋愛ドラマ”だったが、「会いたい」はこのような視聴者の好みに応えられなかった。初恋を題材にしたまでは良かったが、性暴力、復讐、殺人などの題材が入ったことで、恋愛ドラマとしての特色が曖昧になった。このような設定は、お茶の間でテレビのリモコンを独占する40~50代の女性には負担に感じられる可能性がある。大胆な試みは良かったが、結果はそれほど満足出来るものではないだろう。

残すカギは、最終話までどれだけ視聴率を引き上げられるかである。刺激的な題材よりも、最初に掲げた“切ない恋愛”の設定を活かす工夫が必要だ。女性視聴者を2~3%だけでも確保できれば、同時間帯1位で放送を終了する可能性は十分ある。“どんでん返しの余地”を残している「会いたい」が、どのような形でドラマを終えるのか期待したい。

【毎日ドラマ】「オ・ジャリョンが行く」オ・ヨンソ効果、もう終わり?

写真=MBC
最近、オ・ヨンソとイ・ジャンウの熱愛報道で注目された毎日ドラマ(月曜日から金曜日まで毎日放送されるドラマ)「オ・ジャリョンが行く」は、面白い展開を見せているが、いまだにきちんと力を発揮できずにいる。“オ・ヨンソ効果”で視聴率が上がったが、その後また元に戻り、なんとか10%台を維持している。20時のニュースに視聴率を確保するため、19時から放送される毎日ドラマの視聴率が何より重要なMBCとしては、気を揉むしかないだろう。

作品の全体的な雰囲気は悪くない。「オ・ジャリョンが行く」は、善悪の構図が明確で 恋愛とコミカルな要素が適切に混ざっている典型的な毎日ドラマの形式を確実に反映している。オ・ヨンソ、イ・ジャンウ、ソ・ヒョンジンなど、若い俳優が安定した演技でそれぞれ違う魅力をアピールすることはもちろん、イ・フィヒャン、チャン・ミヒ、キム・ヘオクなどベテラン俳優の存在感も目立つ。あら探しをすることが難しいほど完成度の高いドラマである。

ただし、放送時間が相当な弱点になっている。ほとんどの視聴者がMBCの19時ドラマに慣れてないため、あえて19時に見ようとしないという問題がある。KBS 1TVの毎日ドラマが長い間、同じ時間帯に放送され、固定の視聴者を確保したこととは正反対の状況だ。確実に人気を得られるポイントをおさえて注目を引かなければ、伸び悩んでいる視聴率が上昇することは難しいと予想される。

最近中盤に差し掛かった「オ・ジャリョンが行く」は、イ・フィヒャンの悪行が頂点に達し、色々な恋愛模様と葛藤が深刻化して、それなりに緊張感を高めている。不利な時間帯を克服するためにも、今よりずっと攻撃的にストーリーを展開していかなければならない。

【週末ドラマ】「せがれたち」「百年の遺産」違う悩みを持った2本

写真=MBC
週末の21時に放送される「せがれたち」は、すでにMBCにとって頭を悩ます存在になっている。イ・ソンジェ、リュ・スヨン、ソ・イングクなど、全世代を網羅するスターをキャスティングし、野心を持ってスタートしたが、視聴率はどんどん下がっているからだ。女優のホ・ヨンランを途中で投入するなど、色々と工夫をこらしているが、この程度で下がりつつある視聴率を止めることができるのかは未知数だ。すでに回復しにくいレベルまで落ちてしまったためだ。

これだけでなく、JTBCの週末ドラマ「限りない愛」にも追い抜かれたということは、相当衝撃的なことだ。韓国の放送局の歴史を見ても、1995年、韓国で有料放送が発足してからケーブルドラマが地上波ドラマより高い視聴率を獲得したのは、初めてのことだ。総合編成チャンネルが立ち上げられた後、地上波の視聴率を上回ったことも今回が初めてだ。自称“ドラマ王国”だったMBCとしては色々と屈辱的な前例を残す形となった。

週末22時に放送される「百年の遺産」は、「せがれたち」とは別の悩みを持っている。視聴率は悪くないが、前作の「メイクイーン」の“マクチャンドラマ(※日常では起こらないような出来事や事件が次々と起きる韓国特有のドラマ)”議論をどうやって乗り越えていくか、未だ未解決の課題になっている。作品性と興行を同時に確保できるように運用しなければならないが、それは言葉で言うほど簡単なことではない。自ら温かいホームドラマをドラマの特性として掲げているだけに、初心を忘れない意志が必要だ。

ムン・グニョン、パク・シフ主演のSBS「清潭洞(チョンダムドン)アリス」と日曜日夜の絶対的な強者、KBS 2TV 「ギャグコンサート」に対抗して、どうやって視聴率を引き上げるのかもカギになっている。最近始まったばかりの「百年の遺産」にとっては、確かに厳しい環境だ。視聴率が20%後半を行き来した前作「メイクイーン」効果が終わった時点で、自分だけの力で満足できる結果を得ることができるのか、これからが注目される。

危機のMBC、ドラマ王国を再建することができるのか

このように、最近MBCドラマは“ドラマ王国”という表現が無意味なほど平日、週末共に危機的状況に直面している。全体的にドラマ市場が落ち込んでいる中、目につくドラマが登場しないために視聴者離れが続いているわけだ。過去のようにジャンルの開拓に励んだり、色々な試みを通じて市場をリードする姿勢を見せない限り、MBCドラマの危機は長引くしかない。

MBCのキム・ジェチョル社長は、「1番はMBC、1番は視聴率」と口が酸っぱくなるほど強調してきた。しかし、目標は大きいのに現実はさえず、行くべき道は遠いが足は遅い。ドラマ王国MBCは、いつになったら立ち直れるのだろうか。これがいつにも増して冷え込んだMBCドラマの現状だ。
元記事配信日時 : 
記者 : 
キム・ソンギュ
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